出版業界向け「注文流通ソリューション」を始動

― 返品と品切れを同時に減らして生まれた“原資”を、成果に応じて還元する ―                   ― 業界の誰もが使える、オープンなサプライチェーンプラットフォームへ ―

株式会社PubteX


株式会社PubteX(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡辺 順、以下「PubteX」)は、出版業界の新たなサプライチェーンモデルとして「注文流通ソリューション」を構築し、株主出版社3社と書店法人6社に先行パートナーとして参画いただき、取次各社とも密に連携して、2026年10月(予定)より、その第一歩として物流実行を開始いたします。将来的には、志を共にする出版社・書店に参画の輪を広げ、業界の誰もが使えるオープンなプラットフォームへ発展させていくことを目指します。

本ソリューションは、書店からの追加注文分の流通(注文流通※1)を対象に、①業界データプラットフォーム、②AI需要予測に基づく推奨値、③出版社横断のワンストップ受発注サイト、④製造・物流計画システム、⑤注文流通の物流実行、の5つを一体で提供するものです。これにより、発売時には売れる見込みに応じた適正な部数を配り、その後は店頭の売れ行きに応じて小刻みに補充する――「適正に配って、売れに応じて細かく追いかける」運用を可能にします。返品と品切れ(機会損失)を同時に減らすことで出版社に生まれる効果を“原資”とし、その原資を成果に応じて還元する仕組みまでを含めて構築します。

なお、PubteXが担うのは注文流通の情報流と送品物流のみです。商流(新刊流通・注文流通とも)、新刊流通の送品物流、および返品の物流は、従来どおり取次各社が担います。

※1 注文流通:書店が店頭の売れ行きを見て出版社に追加で注文した書籍(追加注文品)を書店に届けるまでの、情報と商品の流れを指します。これに対し、新刊発売時に出版社が取次を通じて各書店へ配る分を「新刊流通」と呼びます。

1.コンセプト

返品削減に向けた取り組みや、返品率に応じたインセンティブの仕組みなど、業界ではこれまでも様々な努力が重ねられてきました。本ソリューションは、こうした取り組みをさらに前に進めるために、データ・推奨値・受発注サイト・物流という「行動変容を支えるツール」を提供し、そのうえで、実際に生まれた効果を成果に応じて還元します。さらに、デジタルとフィジカルを一体で設計し、業界の誰もが使えるオープンなプラットフォームとすることを特徴としています。

(1)最初に“原資”を作り、そのうえで成果に応じて還元する

出版流通は、返品の多さと品切れによる機会損失が、長年にわたる構造的な課題となってきました。販売・在庫データが出版社・取次・書店に分散し、経験則に重きを置いた配本・発注の意思決定と、大量に作って大量に配る前提のサプライチェーンの仕組みにより、店頭では品切れが起きているのに、業界全体では大量の返品が発生する状態が続いてきました。

本ソリューションは、返品削減と機会損失の低減を通じてまず出版社に“原資”を生み、そのうえで、その原資を返品削減や売上拡大といった成果に応じて還元することを前提に設計しています。「原資を作る」が先、「還元する」が後――この順番を明確にしています。

ここでいう「還元」は、パートナーへの配分にとどまりません。生まれた原資の一部をインフラの整備や新たな仕組みの開発に振り向け、志を共にし、行動変容に取り組む出版社・取次・書店が持続的に事業を営める環境を整え、利益を業界に循環させていくことまでを含めて「還元」と捉えています。

(2)原資を作るために必要なこと ― データに合わせてモノが動く、そして行動変容

原資を生むために、本ソリューションは「使えるデータを作る」「データを活用する」「フィジカルと連携する」の3つのステップを一体で提供します。分散した販売・在庫データを集約して正確で即時性のあるデータにし、AI需要予測によって配本・追送・発注などの推奨値に変え、その推奨値を受発注・製造・物流の実行につなげて、データに合わせてモノが動く状態を作ります。

そのうえで、参加するパートナーの皆様とともに、これまでの大量生産・大量配本を前提とした運用から「適正に配って、売れに応じて細かく追いかける」というジャストインタイムの考え方への行動変容を進めてまいります。単なる効率化にとどまらず、行動変容とその成果の還元までを一体で設計することで、業界全体の構造変化を目指します。

(3)出版物専門の物流から一般物流へ ― 持続可能な物流網

本ソリューションの大きな柱の一つが、PubteXが注文流通の物流を担うにあたり、出版物だけを運ぶ専用の物流網を新たに仕立てるのではなく、様々な荷物をまとめて運ぶ「一般物流」を活用することです。出版物の荷量が減少するなかで出版物専用の物流網を持つと、荷量の減少がそのままコストの上昇につながり、トラック新法※2の影響も受けやすくなります。

PubteXは、株主である丸紅が総合商社として培ってきた全国の物流ネットワークをフルに活用し、配送地域や荷量に応じてベストミックスな運び方を選択し続けることで、最適な配送コストを実現します。例えば、PubteXの協力会社には、オフィスや店舗に対して毎日自社トラックでオフィス用品を届けている企業があります。こうした協力会社のトラックの空きスペースを活用させていただくことで積載率を引き上げ、配送コストをコントロールします。

(4)業界の誰もが使えるオープンなプラットフォームへ

本ソリューションは、出版流通の「新たな選択肢」として提示するものです。先行パートナーとともに小さく始めますが、大手のためだけの仕組みではなく、志を共にするあらゆる出版社・書店が参加できる、業界のオープンなプラットフォームとすることを目指しています。

※2 トラック新法:2025年6月に成立した貨物自動車運送事業法の改正法と、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律(いわゆるトラック適正化二法)の通称。適正な運賃の収受や多重下請構造の是正などを目的とし、2026年4月1日から順次施行。

2.ソリューションの内容 ― デジタルとフィジカルを一体で設計

本ソリューションは、「デジタル」と「フィジカル」を一体で設計した次の5つの要素で構成されています。既にリリース済の①②に加え、③〜⑤は2026年10月開始予定の⑤物流実行を皮切りに、段階的に立ち上げていきます(全体像は下図のとおり)。なお、今回開始する⑤物流実行は、①②を活用して立ち上げ、今後リリース予定の③④により更なる高度化を目指します。

① 業界データプラットフォーム(リリース済)

  • 出版社と書店の販売・在庫データを連携してサプライチェーン全体のデータを集約。さらに、RFID(ICタグ)によるデータを活用することで、店頭・倉庫の販売・在庫情報の即時性と精度を高める

  • 生成AIを活用して書誌・書店マスタを高度化し、データ分析の基盤を整える

② AI需要予測に基づく推奨値(リリース済)

  • 自社開発のAI需要予測モデルとサプライチェーンの知見に基づくロジックを組み合わせ、配本・追送・発注などの推奨値を算出

  • 人の意思決定を支援する具体的な参考数値を提供

③ 出版社横断のワンストップ受発注サイト(今後リリース予定)

  • 書店が、推奨値を参考に、複数出版社の書籍を一つのサイトで発注できる仕組みを構築

  • 出版社が注文流通ソリューション専用の在庫を確保することで、書店は発注時に、着荷日と入荷数を把握できるため、販売計画を立てやすくなる

④ 製造・物流計画システム(今後リリース予定)

  • 印刷・製本などの製造計画と、倉庫・配送などの物流計画を一体で設計し、在庫・コストを最適化

  • 需要に応じた柔軟な補充サイクルにより、過剰在庫と機会損失を抑制

⑤ 注文流通の物流実行(2026年10月開始予定)

  • データおよび推奨値と、フィジカルな物流ネットワークを直接接続

  • 書店から追加注文があった先行パートナー出版社の対象書籍を、協力会社の物流網を活用した一般物流で書店へ届ける

3.今後の展開

2026年10月開始予定の物流実行を皮切りに、受発注サイト、製造・物流計画システムへと機能を拡充し、参加する出版社・書店を広げていきます。パートナーの皆様との対話を重ねながらソリューションを改善し続け、出版流通の「新しい選択肢」としてのサプライチェーンモデルの確立を目指します。

4.株式会社PubteXについて

社名:株式会社PubteX  代表者:代表取締役社長 渡辺 順  所在地:東京都港区

株主:丸紅株式会社、丸紅フォレストリンクス株式会社、株式会社講談社、株式会社集英社、株式会社小学館

【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社PubteX AIサプライチェーンソリューション事業部 担当:井上

E-mail:ptx-info@pubtex.com

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会社概要

株式会社PubteX

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URL
https://www.pubtex.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門1-10-5 KDX虎ノ門一丁目ビル
電話番号
-
代表者名
渡辺 順
上場
未上場
資本金
4億5000万円
設立
2022年03月