親の詐欺被害、家族が最初に動く相談先とは

親の詐欺被害と家族の対応 300人調査(2026年)

弁護士法人 田中保彦法律事務所

■ 調査概要

・親が遭った詐欺は「オレオレ詐欺・親族なりすまし」28.0%が最多、次いで投資・もうけ話24.7%。

・家族が最初に異変に気づくきっかけは「本人からの相談・告白」30.7%。

・発覚後にとった行動は「警察に相談」32.3%が最多、弁護士・法律事務所への相談は10.0%。

・最初に相談・通報した先は警察・#9110が28.0%で最多、一方で19.0%は「どこにも相談しなかった」。

・実際に金銭被害があった家族の62.9%は、被害金が「まったく戻ってこなかった」。

田中保彦法律事務所の300人調査では、親の詐欺被害の発覚後に家族が最初に相談・通報した先は警察・#9110が28.0%で最多、弁護士・法律事務所は6.3%にとどまりました。実際に金銭被害があった家族の62.9%は被害金が戻らず、どこに早く相談するかが、その後の初動と選択肢を左右しています。

親が遭った詐欺は「オレオレ詐欺・親族なりすまし」28.0%が最多、投資・もうけ話24.7%が続く

親が遭った(または遭いそうになった)詐欺の種類を複数回答でたずねると、「オレオレ詐欺・親族なりすまし」が28.0%で最も多く、次いで「投資・もうけ話の詐欺」24.7%、「点検商法・リフォーム詐欺などの訪問販売型」18.3%、「還付金詐欺」17.7%、「架空請求・未払い請求」17.3%、「サポート詐欺」14.0%と続きました。家族をかたるなりすまし系と、資産を狙う投資系が二つの主な類型となっており、親世代が身近な連絡や日常の場面から複数の手口に接していることがうかがえます。

家族が最初に異変に気づくのは「本人からの相談・告白」30.7%

家族として「何かおかしい」と最初に気づいたきっかけをたずねると、「親本人からの相談・告白」が30.7%で最多でした。一方で「被害後に発覚し、事前には気づけなかった」も19.7%あり、事前の察知が難しい実態もうかがえます。「不審な電話・郵便物・宅配が増えた」14.7%、「急にお金・投資・契約の話をするようになった」13.3%など、日常の小さな変化が手がかりになっていました。早い段階で家族が気づけるかどうかが、その後の対応の分かれ目になります。

発覚後にとった行動は「警察に相談」32.3%、弁護士・法律事務所への相談は10.0%

被害が分かった後に家族が実際にとった行動を複数回答でたずねると、「警察に被害届・相談をした(#9110含む)」が32.3%で最多、次いで「家族で話し合い、見守り・お金の管理を見直した」30.7%でした。一方、被害金の回収に関わる初動は限られており、「銀行・カード会社に連絡し、口座凍結・カード停止をした」11.3%、「弁護士・法律事務所に相談した」10.0%、「振込先の金融機関に組戻し(返金手続き)を依頼した」6.0%にとどまりました。「特に行動はとれなかった/何をすべきか分からなかった」も21.3%あり、何をすればよいか分からず動けなかった家族が一定数いたことが分かります。

最初に相談・通報した先は警察・#9110が28.0%、「どこにも相談しなかった」も19.0%

時系列で最初に相談・通報した先をたずねると、「警察・警察相談専用電話(#9110)」が28.0%で最多でした。次いで「家族・親戚だけで対応した」18.7%、「消費生活センター(188)」14.7%、「弁護士・法律事務所」6.3%、「銀行・金融機関」4.3%と続きます。一方で「どこにも相談しなかった」も19.0%を占めました。公的な相談窓口である#9110や消費生活センター(188)が入口になっている家族がいる一方、専門的な相談や被害金の回収に関わる窓口まで届いていないケースも少なくないことがうかがえます。警察・#9110(28.0%)は弁護士・法律事務所(6.3%)の約4.4倍にあたり、最初の一歩として公的窓口が選ばれやすい一方、法的な整理の相談は限られています。

被害金は62.9%が「まったく戻らなかった」、66.0%は未然・途中で防げていた

実際に金銭被害があった105名に、被害金をその後どの程度取り戻せたかをたずねると、「まったく戻ってこなかった」が62.9%と6割を超えました。「一部が戻ってきた」14.3%、「現在も手続き・交渉中」10.5%、「全額または大部分が戻ってきた」5.7%と、何らかの回復に至ったのは合計で約3割にとどまります。被害額は「10万〜50万円未満」28.6%が最多で、50万円以上の被害も約37%を占めました(いずれもn=105)。回収は容易ではなく、口座凍結や組戻しといった早い初動に動けたかどうかが選択肢に影響する場合があります(※回収の可否は個別の事情により、相談により被害金が戻ることを保証するものではありません)。

一方で、詐欺被害を未然に・あるいは途中で止められたかをたずねると、「完全に止められた(金銭被害はなかった)」53.7%と「途中で食い止め、被害を小さくできた」12.3%を合わせて66.0%が、被害を防ぐ・小さくできていました。「止められず、金銭被害が発生した」は22.7%です。気づいて動けば防げる・小さくできるケースも多く、被害が生じてしまった場合こそ、その後の相談先と初動が重要になります。

■ まとめ:親の詐欺被害が分かったとき、家族が確認したい4つのこと

1. できるだけ早く相談先を選ぶ

まずは警察相談専用電話(#9110)や消費生活センター(188)などの公的な窓口が入口になります。

2. お金の流れを止める初動を検討する

取引先の金融機関への連絡、カードの停止、振込先への組戻し(返金手続き)の依頼など、被害の拡大を抑える初動を早めに検討します。

3. 状況を時系列で整理して記録する

気づいたきっかけ、相手とのやり取り、振込の記録などを時系列で残しておくと、相談や手続きの際の助けになります。

4. 抱え込まず、必要に応じて専門家にも相談する

家族だけで対応した・どこにも相談しなかったという家族も一定数いました。判断に迷うときは、弁護士など専門家への相談も選択肢の一つです。

詳細データ・ご相談について

>>親の詐欺被害と家族の対応・相談先・被害金の回収に関する詳細データ こちら

本記事は実態調査をもとにした情報提供であり、特定の法的助言や結果を保証するものではありません。被害に遭われた場合は、お早めに弁護士や公的相談窓口にご相談ください。

■ よくある質問(FAQ)

Q. 親の詐欺被害に気づいたら、まずどこに相談すればいいですか?

A. まずは警察相談専用電話(#9110)や消費生活センター(188)などの公的窓口が入口になります。お金の動きがある場合は取引先の金融機関への連絡も並行して検討し、必要に応じて弁護士など専門家にも相談する方法があります。

Q. 被害金は取り戻せますか?

A. 本調査では実際に金銭被害があった方の62.9%が「まったく戻ってこなかった」と回答しており、回収は容易ではありません。ただし、口座凍結や組戻しなど早い初動が、その後の選択肢に影響する場合があります(回収を保証するものではありません)。

■ 引用に関するお願い

本調査結果を引用・転載される際は、出典として「田中保彦法律事務所調査(2026年7月)」と明記いただけますようお願いいたします。

※本調査は「親が詐欺被害に遭った・遭いそうになった経験がある家族」を対象としたモニタリスト調査(n=300)であり、一般人口を代表する数値ではありません。金銭被害額(Q5)と回収結果(Q8)は、実際に金銭被害があった105名を対象とした割合です。

■ 調査概要

調査名

親の詐欺被害が発覚した後の家族の対応・相談先と被害金の回収に関する調査

調査実施期間

2026年7月3日

調査対象

親(別居・他界された方を含む)が詐欺の被害に遭った、または被害寸前だった経験がある全国の男女(モニタリスト調査)

調査方法

インターネット調査(freeasy使用)

有効回答数

300名(うち実際に金銭被害があった方 105名)

調査実施

田中保彦法律事務所(自社調査)

■ 会社概要 

会社名

田中保彦法律事務所

事業内容

投資詐欺・特殊詐欺(オレオレ詐欺・親族なりすまし等)・SNS詐欺など、消費者被害や詐欺トラブルの相談・法的対応

特徴

第二東京弁護士会所属の田中保彦弁護士が代表を務める法律事務所。東京都新宿区若葉(JR四ツ谷駅近く)に所在し、投資詐欺・特殊詐欺・ロマンス詐欺・SNS詐欺など消費者被害・詐欺トラブルの相談に対応。情報発信メディア「くらしの弁護士チャンネル」(lawchannel.jp)を運営。

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URL
https://tanaka-lawfirm.net/
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区若葉1-10-27 大洋ビル3C
電話番号
03-4530-6460
代表者名
田中保彦
上場
未上場
資本金
-
設立
2025年05月