ビジネスリーダー1万人が選ぶ 2021年下半期のベストビジネス書が決定! 第35回大賞は『パーパス経営』
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2021年下半期「トップポイント大賞」(第35回)を決定いたしました。以下の通り、ご案内いたします。
大賞に輝いたのは、『パーパス経営』(名和高司 著/東洋経済新報社)。「カネ」を基軸とする資本主義が行き詰まりをみせる現代。国内外の名だたる企業の変革に関わってきた著者が、資本主義に代わるものとして、「ヒト」の志(こころざし=パーパス)に基づく「志本主義(パーパシズム)」を提言。このパーパス重視の経営戦略について解説した書です。
■大賞受賞書籍『パーパス経営』について
今、「パーパス経営」は、シリコンバレーをはじめ世界中で注目されています。
「パーパス」とは、自分のための欲望ではなく、他者にとって価値のあることをしたいという信念のこと。「存在意義」と訳されることが多いこの言葉を、著者はあえて「志(こころざし)」というヤマト言葉で表現しています。というのも、かつて渋沢栄一の『論語と算盤』が時代の精神となったように、「志」を成長のドライバーとする考え方は、東洋ではむしろ主流でした。資本主義が暴走し、こうした伝統的な精神構造を蝕み始めたのは、ここ30年ほどの一時的な現象でしかないといいます。
その資本主義が破綻しつつある今こそ、日本は原点に立ち返る必要がある。そしてそこを起点に、未来に向けて志を貫く「志本主義」を目指すべき ―― 著者はそう述べています。
では、この「志」を基軸とする経営とはどういうものなのか。本書では、「志本経営」の思想と、具体的なマネジメントの方法を、企業の実践例を交えつつ解説します。
今回、ご投票くださった読者の方々からは、「これからの経営には利益追求のみならず、環境面も重視した経営が重要であると腹落ちした」「今、最も求められている資本主義の先となりうる考え方と思います」といったコメントが寄せられました。
「パーパス」を一過性のものと捉えるのではなく、日本人が古くから大切にしてきた価値観として誇りを持って再認識し、時代を超えた企業経営の軸に据える ―― 。日本企業がニューノーマル時代を切り拓き、再生を果たすためのヒントが提示された1冊です。
なお、今回のトップポイント大賞では、名和高司氏の著作は第3位にもランクインしています(『稲盛と永守』日経BP・日本経済新聞出版本部)。
■著者の受賞コメント
今回の受賞にあたり、著者の名和高司氏からコメントを頂戴しております。内容は、以下の通りです。
この度は素晴らしい賞をいただき、心から御礼申し上げます。 「パーパス」が新しい時代のキーワードとして、世界中で注目を集めています。わたしはそれを「志」と読み替えています。「志」は「士」、すなわち道を究める者の「心」と書きます。そしてそれは、日本が古来、大切にしてきた一人一人の崇高な思いにほかなりません。 変化が常態化する中では、変化を先取りし、みずから変化することに喜びを感じられる企業だけが生き残るでしょう。本書を参考に、一人でも多くの皆様が、自分ならではの志(パーパス)を北極星として高く掲げ、大きく一歩踏み出し(ピボット)ていかれることを、心から願っております。 |
■著者・名和高司氏の略歴
一橋大学ビジネススクール客員教授。東京大学法学部卒業。ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。2014年より、30社近くの次世代リーダーを交えたCSVフォーラムを主宰。主な著書に『CSV経営戦略』(東洋経済新報社)、『経営改革大全』(日本経済新聞出版社)他。
■『パーパス経営』に投票した読者のコメント(抜粋)
- これからの経営には利益追求のみならず、環境面も重視した経営が重要であると腹落ちした。(50代・男性)
- 資本主義の次に来るものに関心があったので、志本経営、論語と算盤、新SDGsが、次のヒントとなった。(60代・男性)
- 私共の会社が、地域社会から必要とされるためには、どのような経営を目指すべきなのか考えさせられました。(50代・男性)
- 自分の人生は「志」から始まって「カネ」、後半は「志本主義」と、自分にいいきかせていた。現在の混迷から抜け出せる世の中をつくりたい。(60代・男性)
- パーパスの重要性はより増している。DXで、両利きの経営などでも新規ビジネスがパーパスにそっているかを確認しながら活動する。また、何のために働くのか、活動するのかが最も重要。(60代・男性)
- 今、最も求められている資本主義の先となりうる考え方と思います。(60代・男性)
- 志に関する重要性が解かれており、新鮮だった。(60代・男性)
■2021年下半期「トップポイント大賞」ベスト10冊(一覧)
【大賞】『パーパス経営』 名和高司 著/東洋経済新報社
2位 『LISTEN』 ケイト・マーフィ 著/日経BP
3位 『稲盛と永守』 名和高司 著/日経BP・日本経済新聞出版本部
4位 『日本大空襲「実行犯」の告白』 鈴木冬悠人 著/新潮社
5位 『監視資本主義』 ショシャナ・ズボフ 著/東洋経済新報社
6位 『決定版 デジタル人民元』 木内登英 著/東洋経済新報社
7位 『一流のメンタル 100の習慣』 山本洋子 著/朝日新聞出版
8位 『日本“式”経営の逆襲』 岩尾俊兵 著/日経BP・日本経済新聞出版本部
9位 『賢い人がなぜ決断を誤るのか?』 オリヴィエ・シボニー 著/日経BP
10位 『ブッダが見つけた四つの真実』 ゾンサル・ジャムヤン・ケンツェ 著/創元社
詳細:https://toppoint.jp/bestbook/announcement/21l
■「トップポイント大賞」決定に合わせた書店店頭フェアの開催
本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店他、全国の主要大型書店43店舗にて「トップポイント大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントと併せて展示するとともに、著者の受賞コメントや本賞の概要を紹介した小冊子(無料)を配布します。フェアは、2月より約1ヵ月間の開催予定です。
■「トップポイント大賞」とは
「トップポイント大賞」とは、新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT』が、読者アンケートによって半年ごとの「ベストビジネス書」を決定するものです。2004年より前身の「読者が選ぶベストブック」を開始し、今回で通算35回目の開催となります。アンケートは、ビジネスリーダーを中心とする1万名以上の『TOPPOINT』読者を対象とし、本誌が半年間で紹介した書籍60冊の中から「ベスト3」を選んでいただく形で実施します。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「トップポイント大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出します。今回は2021年11月25日(木)から12月15日(水)までを投票期間とし、読者の皆さまにご投票いただきました。
■新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT』とは
公式ホームページURL:https://www.toppoint.jp/
『TOPPOINT』は、毎月数多く出版されるビジネス関連の新刊書の中から、「一読の価値ある本」を厳選し、その要約を紹介する月刊誌です。毎月、100冊前後のビジネス関連の新刊書を熟読、その中でも特に「内容が斬新」「アイデアに溢れた」10冊を厳選し、その要約を紹介します。1987年の創刊以来35年にわたり、第一線のビジネスリーダーを中心に購読されています。
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