~「バットマン」の変態性から妄想を膨らませて描いた漫画とは?~漫画家・桂正和が人生と映画について語るオリジナル番組「この映画が観たい」 ムービープラスで12月放送
CS映画専門チャンネル「ムービープラス」(ジュピターエンタテインメント㈱、東京都千代田区、代表取締役社長:寺嶋博礼)で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」は、様々な分野で活躍する著名人の方々にかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生のエピソードをお聞きする番組です。
12月は、BSスカパー!で実写ドラマ化も放送される「I”s」などで知られる漫画家の桂正和さんが登場。彼がセレクトした映画「エイリアン(1979年)」 「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)」 「ダイ・ハード(1988年)」 「バットマン(1989年) 」 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年)」の5作品について、番組で熱く語っていただきました。
12月は、BSスカパー!で実写ドラマ化も放送される「I”s」などで知られる漫画家の桂正和さんが登場。彼がセレクトした映画「エイリアン(1979年)」 「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)」 「ダイ・ハード(1988年)」 「バットマン(1989年) 」 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年)」の5作品について、番組で熱く語っていただきました。
<桂正和さん 収録インタビュー>
「エイリアン」は、それまでの宇宙人というものの概念をまるで新しくしてしまったH・R・ギーガーのデザインにすごく影響を受けましたし、自分の血肉になっています。当時、東京で<ギーガー展>というのがあって、それに行ったんです。そこに等身大のエイリアンのスタチューが展示してあったんですけど、お尻がすごいキレイだったんですよ(笑)。それにびっくりして。「なんでこんなに女性っぽいお尻? 色っぽいなあ~」というイメージが強くて、ギーガーの考えることってスゴいなと思いました。エイリアンの造形に影響を受けた奴って山ほどいるんじゃないですかね?(笑)。これはすごい“発明”だと思います。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、もう教科書です。ストーリー展開に隙がなくて、 「これがエンターテインメントだ」という感じがしました。伏線の張り方やネタの振り方、回収の仕方とかテンポ感とか見せ方とか、もう完璧だなって思いますね。なんかもう、ひれ伏す感じですよね(笑)。映画って、読み切りの面白さが必要で、オチをどうするか? どういうふうに読後感を感じさせるか? っていうことが大切で。ベテランになってからそういう部分も気にするようになりましたけど、<少年ジャンプ>で連載している頃は本当に忙しくて、オチどころか結末を考えている余裕がないほどで。もうライブみたいなもので、その週その週で「こういう話で、ここのターンはこういう終わり方をさせて、次に……」とか思いつつ、途中で脇道に逸れたりとかしちゃうんです。だからこの作品から影響は受けてないと思います。逆に受けたいですね(笑)。ここまで見事にできたらいいなと思います。
僕は同じ映画を何度も観ることはしないんですが、映画館で3回も観た「ダイ・ハード」はハマりました!閉鎖された空間だけでお話が完結しているところとか、主人公に頼りがいがないところが魅力的でした。だって、裸足だし(笑)。この作品も、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じくらいストーリー展開が秀逸だなと思っています。アクションもかっこいいし、最後は爽快感もあるし、言うことないですね。
「バットマン」は、自分の中のヒーローの価値観が変わった作品です。これも劇場で2~3回観たと思います。正直言って、ストーリーは全然おもしろくないんですけど(笑)、あの暗~い映像にやられました。あとは、病んでいるヒーローっていうのも、ウルトラマンとか仮面ライダーを見て育ってきた僕たち世代からするとあり得ないことで、そこからヒーローものの見方が変わったというか、人間味を感じるようになりました。例えば、劇中に出てくる小物にいちいち“コウモリマーク”がついてるのって、よくよく考えたら相当ナルシストなんじゃない?って思うわけですよ(笑)。映画冒頭の登場シーンなんて、誰も見ていないのにマントを広げて降りてくるんですよ。もうナルシストでしかない(笑)。そういう観方をしたら、すごく味わい深くて。こいつ変態だな!って(笑)。そこがとっても良かったんですよね。僕がこの作品から感じた細かな変態性とか、知らないところでカッコつけているところとか、そこをベースに妄想を膨らませて「ZETMAN」を描きたいって思ったんです。
僕の「電影少女」という作品は、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を観たことから作品イメージが沸きました。この映画にボーイッシュな女の子が出てくるんですが、彼女は「電影少女」の天野あいに反映されていますし、主人公の男の子の髪形は「電影少女」の主人公・弄内洋太の髪形に影響を受けています。この作品に出会って、人間の業とか情とか、そういう部分を掘り下げていくきっかけになったような気がします。この時期、歌詞やポエムを読み漁っていたこともあって、具体的には描かれていない文面の裏側の感情を自分なりに解釈して「電影少女」に反映させたりしていました。
そのほか、オールタイム・ベストに挙がった作品のお話に加え、漫画家を志望した意外な理由や、作品のアニメ化や実写化について思うことなど、貴重なエピソードが満載の「この映画が観たい#63 ~桂正和のオールタイム・ベスト~」。ぜひ、ムービープラスでご覧ください。
「この映画が観たい#63 ~桂正和のオールタイム・ベスト~」
初回放送:12月3日(月)23:00~23:30
再放送:12月5日(水)8:45~9:15、10日(月)18:30~19:00、18日(火)深夜1:15~1:45、
19日(水)15:30~16:00、28日(金)18:00~18:30
番組内で桂正和さんが紹介した『バットマン』は、12月7日(金)18:30~ほか放送!
「この映画が観たい」番組とあわせてお楽しみください!
『バットマン』(1989年/アメリカ)
初回放送:12月7日(金)18:30~21:00
再放送:12月15日(土)23:15~翌1:45、12月31日(月)12:45~15:15
監督:ティム・バートン
出演:マイケル・キートン/ジャック・ニコルソン/キム・ベイシンガー
無法都市ゴッサム・シティで今夜も悪人がバットマンに退治された。その正体を追う女性報道カメラマンのヴィッキーは、パーティで出会った大富豪ブルースに魅かれる。一方、バットマンは化学工場を襲った男を退治するが、彼は廃液の毒で容貌が一変。ジョーカーと名乗り、バットマンへの復讐に燃える。
悪に立ち向かうバットマンの活躍を描く人気アメコミを、ティム・バートン監督で実写映画化。
<桂正和 プロフィール>
1962年福井県生まれ。1980年に「ツバサ」で第19回手塚賞佳作受賞。1983年に週刊少年ジャンプで変身ヒーローものである「ウイングマン」の連載を開始する。翌年にはテレビアニメ化もされた。その後、「電影少女」「I"s」など青春恋愛ものも手がけ人気を博す。2002年より週刊ヤングジャンプにて「ZETMAN」の連載がスタート。特殊能力を持つ少年ジンを主人公にしたヒーローもので、2012年にはテレビアニメ化もされた。アニメの分野でも、「TIGER & BUNNY」のキャラクター原案、「牙狼 -紅蓮ノ月-」のメインキャラクターデザインなどを手がけている。
<「この映画が観たい」番組について>
http://www.movieplus.jp/movie-detail/index.php?film_id=CS-0000000200803934-063
<ムービープラスとは>
来年開局30周年を迎える日本最大級の映画チャンネルです。ハリウッドのヒット作をはじめとする国内外の選りすぐりの映画、映画祭、最新映画情報を放送し、J:COMなど全国のケーブルテレビやスカパー!、IP放送を通じ、約715万世帯のお客様にご覧いただいています。
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