ベネズエラ人を救う『命のスペイン語レッスン』の2020年11月~2021年1月の受講者募集! レッスン料は100%現地送金
インフレ率が最大で200万%を超えても、国民のおよそ16%が難民になっても、援助が入らない国。それがベネズエラ。
「ベネズエラ人を救う『命のスペイン語レッスン』」の特徴は、スペイン語をオンラインで学べて、しかもレッスン料は100%支援に回ること。単なる寄付ではなく、ベネズエラ人は「スペイン語講師の仕事をすること」で対価を得ます。経済危機と新型コロナの二重苦で「就きたい仕事に就く夢が絶たれた」現地の若者に、新たなスキルを身につけてもらうことを目指します。国際協力の新たなカタチ。
スペイン語をオンラインで学べて、レッスン料は100%支援に回る「ベネズエラ人を救う『命のスペイン語レッスン』」の2020年11月~2021年1月(第3期)の受講生を募集します。
南米のベネズエラといえば、経済が完全に破綻した国。ハイパーインフレに見舞われ、インフレ率は最大200万%を超えました。国際通貨基金(IMF)によると2020年は1万5000%とだいぶ下がる見通しですが、それでも「ありえない数字」であることは変わりません(日本は0.1から0.3%)。
物価が高騰。食べ物も、薬もない。それゆえにここ数年で国民の16%(約510万人)が難民として国外へ逃れました。そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス。多くの人が食べていく術を失ったのです。
そこでganasは、ベネズエラの人たちの利益になる『命のスペイン語レッスン』を立ち上げました。講師を務めるのはベネズエラ在住のベネズエラ人3人。レッスン料は100%、米ドル(現地通貨は紙くずですので)でベネズエラに届けます(送金手数料は除く)。今回の募集は、2020年11月1日~2021年1月31日の3カ月が受講期間となります。
■大学で勉強したのはバカだった
NPOメディアのganasがなぜ、スペイン語のレッスン事業を営むのか。しかも完全無償で(日本側の人件費も一切とりません)。そこには深いワケがあります。まずは聞いてください。
ganas編集長の長光大慈は実は15年近く前、青年海外協力隊員としてベネズエラの田舎で活動していました。
ベネズエラの若者たちからはいまも断続的に、次のようなメッセージが入ります(もちろん、悲観する話だけでなく、たわいもない内容がほとんど。生活がどんなに厳しくても泣き暮らしているわけではありません)。
「大学にせっかく行って勉強したのはバカだった。何の役にも立たなかった(就職は本当にない)」
「私の人生は終わった。不運としか言いようがない」
「(食料を求めて都会の人が流入してきたため)村の治安が悪くなり、夜は歩けなくなった。家のエアコンも盗まれた」
「みんなお金がないから、山へ行って金を掘る。金を分離する際に水銀を使うから、川が汚染され、魚を食べるのが怖くなった」
「何か仕事しようにも、ガソリンがないから移動すらできない(ベネズエラは石油の確認埋蔵量で世界一なのに)」
「コロナがもっと流行したら、病院が機能していないこの国はどうなるのか心配」
■最低賃金は1日たったの3円!
ベネズエラの経済危機のきっかけを作ったのは、反米・社会主義を掲げたものの経済政策の失敗を重ねたチャベス前大統領(2013年に死去)と、その後継者のマドゥロ現大統領です。
ベネズエラで何が起きたのかを、ものすごく単純化して説明します。
チャベス前大統領は2000年代、貧困層にお金を回すために、外資系の石油会社を国有化したり、モノの価格を統制(安い価格にした)したりしました。一見すると、良さそうな政策に映るかもしれません。ところが結果は、最大200万%超という想像を絶する最悪の事態(ハイパーインフレ)を招いたのです。
外資系の石油会社を国有化したところ、新規の油田開拓がうまくいかず、石油生産量が落ちていきました。国際的な石油価格の下落と相まって、石油収入は激減。石油からの収入はベネズエラの国家予算のおよそ8割を支えていただけに、インパクトは半端ありません。
モノの価格を統制したら、どうなったのか。生産側からすると、モノを作っても儲からなくなりました。国内の産業はつぶれていきます。輸入への依存度は高まるばかり。結果として、ベネズエラ経済は「死に体」となってしまったのです。
いまや、ベネズエラの1カ月の最低賃金はわずか40万ボリーバル(約88セント)。この最低賃金、1日ではなく、1カ月ですよ。30日で割ると、1日たったの3円。信じられますか? 幼稚園児のお小遣いじゃないんだから。
ただ実際は、仕事にさえありつければ給料はもう少し高いとのこと。たとえば小学校の先生は月給20ドル。でも1日に換算するとわずか70セント(約74円)です。世界銀行が定める貧困ラインは1日1.9ドルですから、そのおよそ3分の1(家族がいるので、実際は数十分の1‥‥)。
これではとうてい暮らしていけません。ベネズエラの主食であるトウモロコシの粉は1袋(1キロ)58万ボリーバル(約1.3ドル=約138円)と高い。庶民は、家で食べ物を作って路上で売ったり、金を掘りに行ったり、1日1食にして、なんとか糊口を凌いでいます。
ベネズエラのガソリンの値段は、ブラックマーケットで入れると1リットル5ドル(約530円)以上。街から遠いと約7ドル(約740円)と日本の6倍もします。政府の補助金が入ったガソリンは約1セント(約1円)と激安ですが、「まず売っていない」とのこと。ちなみにベネズエラは世界最大の石油埋蔵確認量をもつのに、イランからガソリンを輸入し始めました。
ハイパーインフレ対策としてベネズエラ政府はいま、一番大きい札になる10万ボリーバル札の発行を計画しています。ですが10万ボリーバルの価値はドルにするとたったの22セント。この話を聞いただけでも、ハイパーインフレの異常さを実感できませんか?
いまのベネズエラは、電気も、ガスも、水道もまともにないというのが現実。それにもかかわらずベネズエラのマドゥロ大統領は「危機は起きていない」と繰り返します。
ですが、現実として生きていけない。だから難民として国を去る。これは否定できない事実。「給料では何も買えない。なのに警察や軍隊は、検問(ベネズエラではどこに行くのにも検問があります)を通る一般人を捕まえて、お金や所持品を巻き上げるんだ」。これはベネズエラ人の口癖です。
政府を批判すると、どうなるのか。国連人権委員会は9月16日、マドゥロ政権が「司法を無視した処刑」「不法な拘留」「強制失踪(政府に拉致され、行方不明になること)」「拷問」にかかわっていると糾弾する報告書を出しました。
ちなみに軍人は、階級にもよりますが、月給500ドル(約5万2800円)以上の人もいるそうです。庶民の生活を苦しめ続けるマドゥロ政権が倒れない理由のひとつはここにあるのかもしれません。
■国際社会からの支援はない
こうしたさなかに、新型コロナが入ってきました。ただでさえ仕事がなかったところに、経済活動は完全にストップ(ますます食べていけない)。
コロナ対策として、世界保健機関(WHO)は手洗いを推奨していますよね。ですが田舎にはせっけんすらありません。蛇口をひねっても水が出ないこともざらです。
医療ははっきり言って「ない」に等しい状態。ベネズエラ薬学協会によると、新型コロナが流行する前(2018年)でもすでに、病院の70%以上で「電気と水」が不十分(25%は水がまったくない)。医薬品が足りないどころの話ではありません。
弱体化したベネズエラで新型コロナが感染拡大するとどうなるのか。想像しただけでゾッとします。
ベネズエラ人によると、新型コロナに感染していることが見つかると、「劣悪な病院」へ強制的に連れて行かれるそうです。それを恐れて、みんな黙っている。ユーカリの葉っぱなどをお茶にして治すのが精いっぱい。これで本当に生きていけるのでしょうか。命の価値は日本人もベネズエラ人も等しいはずなのに。
ベネズエラ政府は、窮地に陥った国民に対して、食べ物も、医薬品も、もちろん現金もまったく支給していません。国民の16%が難民となるほどの経済危機に陥っているので(マドゥロ大統領は否定しますが)、やりたくでもできないのでしょう。
問題は、マドゥロ政権は国際社会からの支援の受け入れを拒否していること。これは、国連やNGOなど外部の組織からの援助すら国民に届かないことを意味します。世界から見放された国、ベネズエラ。ここが、シリアなどとの決定的な違いです。
また最近の傾向として、新型コロナで避難先から母国に戻ったベネズエラ人が再び、コロンビアをはじめとする隣国へ歩いて逃れ始めました。理由は、ベネズエラにいると生きていけないからです。仕事を見つけ、家族へ送金するために母国を出る。
窮地に追い込まれたベネズエラ人を助けるプロジェクト、それが『命のスペイン語レッスン』なのです。といってもお金をただ渡すことはしません。ganasが提供するスペイン語講師の仕事をきちっとやることで、彼ら自身が稼ぐのです。
皆さま、苦境のなかを必死に頑張るベネズエラ人(スペイン語の講師を任せるので、優秀で責任感のある人を厳選しています)を応援していただけませんか?
絶対に忘れてはいけません。人はだれも生まれる国を選べないことを。
【『命のスペイン語レッスン』の3つのメリット】
①スペイン語を気軽に学べる!
世界的にメジャーな通信アプリ「WhatsApp」(日本のLineに相当)を使い、テキストをチャットのように交換。辞書を時々引きながらコミュニケーションします。スペイン語の基礎や自然な言い回し方、スラングまでを「視覚」で学べるのはもちろん、スペイン語の文章をリアルタイムでネイティブにチェック(添削)してもらえます。こんなことを学びたい!といったリクエストも歓迎します。
ただしビデオ通話は難しいです。理由は、田舎にはWifiがほぼないこと、電話料金でインターネットにつなげるためベネズエラ側の金銭的負担が大きくなってしまうこと、それに加えて音声もクリアでなく聞き取りにくいからです。ですがボイスメッセージは交換できます(音声もクリア)! ボイスメッセージを活用して発音をチェックしてもらったり、聞き取りを練習したり、また簡単な会話を交わすことも可能です。
テキストまたはボイスメッセージのやりとりなので、リラックスした格好でできますよね。
②政治・経済・文化も知れる!
『命のスペイン語レッスン』では、スペイン語を単に学ぶだけでなく、ベネズエラのこと、ラテンアメリカのこと(共通する文化が多いです)を知っていただくことを重視します。
会話のテーマは、ベネズエラの生活(困窮)ぶり、食、音楽、習慣、政治、経済(ハイパーインフレ)、経済危機で難民が増えていること、スポーツ(横浜DeNAベイスターズのラミレス監督はベネズエラ人です)、教育などを想定します。ご関心のあるテーマをいくつでも教えてください。
ラテンアメリカを旅したことのある方は“旅行者目線”を卒業し、より深く知るきっかけに。JICA海外協力隊員で日本で待機中の方は、任国以外のことをスペイン語で知れるチャンスです。
新型コロナが終息したら首都圏でオフ会を、またはオンラインで交流会を開く予定です。関心が同じ人と集まると話は盛り上がります。会社や学校の外に居場所ができるのも嬉しいですよね。また、『命のスペイン語レッスン』をどう活用しているのか、ラテンアメリカのプチ情報などについての情報もどんどん交換しましょう。
③頑張るベネズエラ人を支援できる!
『命のスペイン語レッスン』のレッスン料は、ハイパーインフレに見舞われているため米ドルのモバイルマネーで100%ベネズエラに届けます(ganasは1円もとりません。送金手数料は引かせていただきます)。皆さまが受講されればされるほど、困窮にあえぐベネズエラ人の一家(講師の後ろには家族がいます)を助けることにつながります。しかも寄付でなく、労働対価として渡すのがミソ。レッスンについてのご要望があれば遠慮なくおっしゃってください。ベネズエラ人講師のキャプシティビルディング(能力向上)にもつなげたいと考えています。
【受講者の声】
「スペイン語初心者の私に、先生は真摯に対応してくれたので、学習意欲が増した。お互いの国の写真を送り、それについての情報や考えを交換できたのは私にとって大変良い刺激になった」
「教え方がていねい。私は文法を一応かじっており、先生もそこを考慮して授業を進めてくれた」
「2カ月目から宿題が出るようになり、レッスンのない日もスペイン語に親しめて良かった。音声だけでなく打ってくれるし、間違いをすぐに直してもらえるところはマンツーマンならでは」
「スペイン語圏へ旅行したい、という軽い気持ちで挑戦した完全初心者だったが、先生が根気強く教えてくれて、簡単な文章ならネット翻訳なしでわかるようになった。英語に似た単語も多くて、スマホの無料アプリなどとあわせて勉強すると会話が弾んで楽しい」
「先生は受講生の状況をよく理解してくれて、初心者の私にはゆっくり基礎から教えていただけた。音声テキストも活用してスピーキング、リスニングの練習もできる。意思疎通が滞るときには、授業に追いついているかを随時確認してくれる。また、受講する側も思いやりをもった返答をすることを心がけ、お互いに気持ちの良いレッスンを作り上げることができていると思う」
「僕は読み書きよりスピーキングに慣れたくて、ボイスメッセージをテキストとあわせて使っている。先生はとてもフレンドリーで、話題や進め方などの要望に柔軟に対応してくれる。文法についても教材や例などを準備してくれているので助かる」
「命のスペイン語レッスンでは、自分のレベルにあわせてベネズエラ人講師が的確に指導してくれる。細かい文法のニュアンスを教わることができた。理解できない場合は基礎に戻って、音声も使いながら教えてもらえる。また、参加者同士のオンライン飲み会ではさまざまな想いをもって受講されている方々とお話でき、かけがえのない時間を過ごせた」
「私が受講を決めた理由は、2月までスペインに短期留学しており、帰ってからもスペイン語力を落としたくないという思いがあったから。いままでスペインのスペイン語しか学ぶ機会がなかったため、ベネズエラの文化や暮らしぶりの違いには驚かされた。それでも遠い地で懸命に生きている人の姿を見て、心を動かされるものがあった」
「聞き取り問題が出が出されたとき、スペイン語初心者の私でもちょっとずつわかるようになっていることを実感できた」
「(ボイスメッセージの機能を使って)発音の練習、スピーキングの機会がもてた」
「いつもはラジオ講座で練習していたので、(命のスペイン語レッスンは)とても実践的だった」
「基礎あり、国の情勢あり、食の話題、さまざまにレベルにあわせて臨機応変に対応していただけるので、楽しい」
「スピーキング、ライティング、リスニング、リーディングをバランスよく学べ、とても質の高いレッスンだと感じた」
【『命のスペイン語レッスン』の進め方】
① WhatsAppのアプリをダウンロードする。スマホでも、パソコンでもOK。
https://www.whatsapp.com/download
②自分のアカウントを登録する。
③アカウント情報をご連絡いただく。
④予約時間が来たら、ベネズエラ人講師とのやりとりを始める。
⑤予約時間が終了したら、おしまい。次回また。
*WhatsAppの使い方は簡単です(Lineと似ています)。わかりにくい場合はお問い合わせください。
【期間】
2020年11月1日(日)~2021年1月31日(日)。時間帯(日本時間)は8~12時、19~24時。この中から選んでいただきます。
*レッスン予約は48時間前までにお願いいたします。
*詳しいやり方はお申し込みされた方へご案内します。
【費用】
9000円
*毎月5回(各回1時間)までやりとりが可能。期間は2020年11月~2021年1月の3カ月(合計で15回=15時間)。
*金額は3カ月分のレッスン料です(1回当たりの料金はビッグマックセットより安い)。
*レッスン料は全額、ベネズエラ支援に回ります(送金手数料や為替レートなどを勘案すると、3カ月分の受講料9000円を送金した場合、75~80ドルがモバイルマネーでベネズエラに届きます)。
*受講生の都合により入金後にキャンセルされても返金はいたしません。ご了承ください。
*講師の都合(ベネズエラ側の停電)で対応できないときがあります。ご了承ください(その際は別の日時に振り替えさせていただきます)。
【定員と締め切り】
60人程度
*締め切りは10月23日(金)。先着順。定員に達し次第、締め切ります。前回、前々回とすぐに定員いっぱいになってしまったので、お早めの申し込みが確実です。
*お申し込みを完了された方から順番に受講日時を予約できます。
【申し込み方法】
https://forms.gle/Q1CuLf5fzg442Kdn7
*上のリンクをクリックして手続きしてください。完了されましたら、その旨をメールでもお知らせください(お申し込みの際にメールアドレスを誤って記入されますと、こちらから返信できません)。
*振込先をご案内させていただきます。
*予約方法はその際にご案内いたします。
【こんな方におススメ】
・単なる寄付ではなく、自分がスペイン語を習うことが支援につながるこのプロジェクトに協力したい!
・アメリカ大陸で広く話されるスペイン語を気軽に学びたい(寝っ転がりながらでもOK)!
・難民を多く出すベネズエラについて知りたい!
・新型コロナで海外に行けないいま、他人と違うことをしたい!
・JICA海外協力隊(青年海外協力隊)に行きたい!
・協力隊のOB・OGで、ラテンアメリカをウォッチし続けながらスペイン語を忘れないようにしたい!
・ラテンアメリカをこれから旅したい!
・ラテンアメリカの庶民の暮らしぶりを知りたい!
・スペイン語を勉強中なので使ってみたい!
・スペイン語をネイティブにチェックしてもらいたい!
・ラテンアメリカに現地人の友だちを作りたい!
【主催】
特定非営利活動法人開発メディア(途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」の運営団体)
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