東京は6位。物価を引いた"実質給与"日本一は埼玉に交代【47都道府県・総務省の最新物価で再集計】
21県が額面より順位を上げ、鹿児島は+9。東京を下げているのは家賃——総務省が2026年9月18日に公表した物価(2025年結果)で試算・第2弾
10月1日から、地域別最低賃金が全国で順次引き上げられます(令和8年度・全国加重平均1,177円・引き上げ56円は目安制度が始まった昭和53年度以降で2番目の高さ。厚生労働省 2026年9月3日公表)。額面の給与は上がります。では、暮らしの実感はどうでしょうか。
「給料の高い県」と「暮らしにゆとりが出る県」は、同じではありません。
スポット社労士くん社会保険労務士法人(グループ: NOTsha株式会社)は、総務省が2026年9月18日に公表した最新の「消費者物価地域差指数」(2025年結果)を、厚生労働省の統計にもとづく適正給与と組み合わせ、物価を引いた"実質給与"で47都道府県を再集計しました(調査第2弾)。
その結果、実質給与の日本一は埼玉(月240,752円)でした。前年の物価で計算すると1位だった大阪は3位となり、日本一が入れ替わりました。額面(名目)で2位の東京は、実質では6位まで下がります。埼玉は賃金の水準が全国3位と高い一方で、物価は全国平均並み(全国=100に対して100.2)にとどまるためです。
上位は僅差です。1位埼玉と3位大阪の差は月1,185円で、2位神奈川と3位大阪は統計の丸めの範囲で入れ替わり得ます。一方、埼玉の1位は427職種のうち421職種で成り立ちました。
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・調査の全データ(47都道府県×427職種): https://kyuyo-sanbou.jp/research/jisshitsu-kyuyo-2026/
・都道府県別ページ(自県の順位・理由・職種別の実質月給・引用できる一言): https://kyuyo-sanbou.jp/research/jisshitsu-kyuyo-2026/#pref

最新の物価で、実質の上位はこう動いた

※賃金データは左右とも同じ(令和9年度(2027年度)適用版)。大阪の物価指数(総合)は99.3→99.9、埼玉は100.3→100.2。東京は4位→6位。
額面より実質で順位が上がった21県(上昇幅順)
額面では見えない"暮らしの実感"。物価を考慮すると、鹿児島(38位→29位・+9)、群馬(14位→10位・+4)、長野(22位→18位・+4)など、物価の低い県が順位を上げます。
順位が上がった21県(上昇幅順):鹿児島 38位 → 29位(+9)、群馬 14位 → 10位(+4)、長野 22位 → 18位(+4)、大分 34位 → 30位(+4)、宮崎 45位 → 41位(+4)、岐阜 11位 → 8位(+3)、岡山 25位 → 22位(+3)、和歌山 28位 → 25位(+3)、埼玉 3位 → 1位(+2)、大阪 5位 → 3位(+2)、新潟 29位 → 27位(+2)、愛知 6位 → 5位(+1)、茨城 10位 → 9位(+1)、栃木 13位 → 12位(+1)、山梨 15位 → 14位(+1)、滋賀 16位 → 15位(+1)、三重 17位 → 16位(+1)、香川 27位 → 26位(+1)、鳥取 39位 → 38位(+1)、長崎 44位 → 43位(+1)、秋田 46位 → 45位(+1)

※実質給与=名目給与÷消費者物価地域差指数(総合・全国=100)×100。未経験正社員の適正月給の県中央値(427職種)で試算。
順位が変わらなかったのは8県、下がったのは18県です。下降が大きいのは京都(9位→17位・-8)、北海道(26位→34位・-8)、東京(2位→6位・-4)、宮城(24位→28位・-4)など、物価水準が全国平均を上回る都市部・観光地・寒冷地を抱える県でした。都道府県間の給与の最大差は、額面で月54,243円、物価を引くと43,200円まで20.4%縮小します。
東京の実質給与を下げているのは「家賃」
総務省の指数で、東京の物価(総合)は104.2と、調査開始の2013年以降13年連続で全国最高です。総務省の公表資料は、東京の物価が全国平均を上回る最大の要因に「住居」を挙げています。東京の「住居」は129.8と全国で最も高く、最も低い岡山(79.1)の1.64倍です。試しに「家賃を除く総合」で割り直すと、東京は1位(月242,145円)になります。東京の実質を押し下げている主因は、家賃です。

地域トピック
・北海道: 額面26位→実質34位(-8)。光熱・水道の指数は117.8で全国1位と、暖房費のかさむ寒冷地の負担が表れています(最も低いのは大阪の90.6)。
・沖縄: 給与は額面35位ですが、物価(総合)は100.4で全国6位、食料は106.6で全国1位。実質では39位(-4)に下がります。
・群馬・鹿児島: 物価(総合)が最も低いのは群馬(96.2)。物価の低い県ほど実質で順位を上げ、上昇幅の最大は鹿児島(+9)でした。物価が全国平均(100)以上なのは10都道府県にとどまります。
考察 — 給与は「額面」ではなく「実質」で語る
・最低賃金の引き上げ(令和8年度・54円〜65円)は額面の底上げです。上がった額面が暮らしの実感にどれだけ残るかは、地域の物価で変わります。給与を決める側も受け取る側も、「額面」と「実質」を分けて見ることが大切です。
・地方の企業は、額面の見劣りを物価の低さがかなり相殺しています。「うちの給与は実質でいくらか」を数字で語ることが、都市部との採用競争への対抗策になります。
・都市部の企業は、額面の高さが暮らしの実感に直結していない可能性があります。とくに東京では家賃の影響が大きく、住宅手当・リモート勤務・勤務地の選択肢が、給与そのものと同じくらい効きます。
・賃金は「上げる/上げない」の二択ではありません。自社の地域・職種・経験に照らした適正水準を根拠で確かめることが出発点です。
代表コメント
スポット社労士くん社会保険労務士法人 代表社員/NOTsha株式会社 代表取締役 関根 光
「顧問先の経営者から『東京に負けない給与を出さないと採れないのか』という相談を多く受けます。今回の再集計で分かったのは、実質で見れば日本一は埼玉で、東京は6位だということ、そして東京を下げているのは家賃だということです。額面だけを比べて諦める必要はありません。大切なのは、相場を感覚ではなくデータで確かめること。給与参謀は、地域×職種×経験年数の適正給与を30秒で確認できる無料ツールとして、その第一歩に使っていただけます。」
数値の読み方(第1弾との違い)
・第1弾(2026年7月)は、給与=令和8年度適用版・退職金相当(×1.05)を含む月額、物価=2024年(令和6年)結果でした。今回は給与=令和9年度(2027年度)適用版・月給ベース(退職金相当を含まない)、物価=2025年(令和7年)結果で再集計しています。金額の水準は第1弾と直接比較できません(順位は同じ物差しで計算しています)。
・額面(名目)の1位は神奈川(月247,646円)、2位は東京で、差は174円です(厚生労働省の地域指数にもとづく)。
・消費者物価地域差指数は、各年の全国平均を100とする相対値です。年による指数の変化は、その地域の物価上昇率を表すものではありません(総務省の注記)。
・給与は、ハローワークの求人賃金をもとにした統計上の適正水準(理論値)で、実際に支払われている給与の平均ではありません。
【付録】47都道府県 実質給与ランキング(全県・実質順)

全47都道府県の数値と、都道府県別ページ(自県の順位・理由・職種別の実質月給)は https://kyuyo-sanbou.jp/research/jisshitsu-kyuyo-2026/ でご覧いただけます。
調査概要
・調査名: 物価を引いた"実質給与"47都道府県ランキング(第2弾: 2025年物価での再集計)
・給与データ: 厚生労働省「労使協定方式による一般賃金水準」令和9年度(2027年度)適用版(427職種)にもとづく未経験正社員の適正月給の県中央値
・物価データ: 総務省「小売物価統計調査(構造編)」消費者物価地域差指数(2025年(令和7年)結果・2026年9月18日公表・総合/家賃を除く総合/住居/食料/光熱・水道・全国=100)
・最低賃金: 厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(2026年9月3日公表・https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html)。全国加重平均1,177円(前年度1,121円)、引き上げ54円〜65円、10月1日〜12月2日に順次発効
・算出: 実質給与=名目給与÷物価指数×100。全数値は機械算出(手打ちなし)。サイト上で誰でも再現できます
・元データ・図表: https://kyuyo-sanbou.jp/press/ からダウンロード可(出典明記で転載自由)
「給与参謀」について
中小企業の経営者が、職種×地域×経験年数の適正給与を30秒で確認し、採用の提示額・昇給・賞与を根拠で決められる無料ツール。社員を登録すれば一人ひとりの給与診断(最低賃金チェック含む)、改定案の保存・比較、S〜Dのワンタップでの賞与・昇給決定、決定理由の記録まで可能。登録不要・データは端末内保存。
法人概要
・法人名:スポット社労士くん社会保険労務士法人
・所在地:東京都千代田区三番町3-8 泉館三番町ビル6階
・代表者:代表社員 関根 光
・事業内容:中小企業の給与計算サポート・労務手続き・賃金コンサルティング・評価制度(建設業)
グループ会社:NOTsha株式会社(代表取締役 関根 光・同所在地)
「給与参謀」( https://kyuyo-sanbou.jp )をはじめとする中小企業向け人事労務支援サービスの企画・開発・運営。
本件に関するお問い合わせ
スポット社労士くん社会保険労務士法人
担当: 関根 光(代表社員)
TEL: 03-6272-6183 / Email: info@spot-s.jp
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