不妊症・不育症検査の海外展開に向けた住友商事株式会社との資本業務提携のお知らせ
~住友商事株式会社とグローバル展開で少子化の課題解決に貢献~
日本では不妊症の女性患者が約50万人、不育症患者は約30~50万人いると考えられていますが、それぞれ約半数が原因不明のため治療が難しく、少子化が進む日本において重要な社会課題となっています。また、世界では成人人口の約17.5パーセント(約6人に1人)が不妊症、約3パーセントが不育症と言われており、科学的根拠の認められる検査と治療へのアクセスを高めることが急務であるとされています。
Revorfは、『⼈々の当たり前の健康が脅かされない世界』を⽬指し、情報解析技術と独⾃のバイオ技術を融合させることにより、検査事業・創薬事業・創薬⽀援事業を展開しています。Revorfが展開する不妊症・不育症検査は、不育症の原因の約2割を占める流産や血栓症などを引き起こすネオセルフ抗体(注2)を血液検査で調べることができる新たな技術で、近年では不妊症にも関連することも報告されています。臨床研究では、検査結果が陽性の場合、対応する治療が実施された群において、不妊症では妊娠率が2倍以上、不育症では生児獲得率が約1.7倍以上高い結果であったことが確認されています。Revorfは2022年より同検査事業を開始し、国内140以上の医療機関向けに展開しています。今後、本検査が先進医療として承認された場合は、自治体からの医療費補助の適用が想定され患者の自己負担が軽減されることで、更なる普及が期待されています。
住友商事は、1970年代から医薬関連ビジネスを手掛けており、主に製薬会社向けに創薬研究・開発支援、原料供給を行うとともに、販売・マーケティングや製造受託等の総合的なサービスを提供しています。今後はこれまで培った医療・医薬分野の知見を活用し、日本発の有望な医療技術の発掘と、グローバルネットワークを生かした海外展開による新たな医療支援ビジネスの創出を目指しています。本件はその第一号案件として、不妊症・不育症の新規検査技術の海外における独占代理店権を取得し、海外大手病院グループとのネットワークを通じてグローバル展開を行うものです。
Revorfの保有するネオセルフ抗体検査などの独自のバイオ技術と、住友商事の持つ医療分野の知見と国内外のネットワークといった両社の強みを組み合わせて、日本発の医療技術を生かした新たな医療支援ビジネスを収益の柱として育成し、グローバルで医療分野に貢献していきます。
(注1)不育症
妊娠は可能だが、流産または死産を2回以上繰り返す状態。不妊症は原因によって男性・女性いず
れも患者となるが、不育症は女性のみが対象となる。
(注2)ネオセルフ抗体
抗体とは、体内に侵入した異物(抗原)を排除するたんぱく質のこと。ネオセルフ抗体は、何らかの原因で、身体の中にある正常な細胞や組織(自己抗原)を攻撃してしまう抗体(自己抗体)の一種で、2014年にRevorfの共同研究パートナーである荒瀬 尚教授らが発見した。その後、特定のネオセルフ抗体は、不育症・不妊症や血栓症などを引き起こす新たな自己抗体として研究が進められ、2020年には、神戸大学を中心とする5つの大学病院の協力により、世界で初めて不育症とネオセルフ抗体の関係が臨床研究で確認された。
■Revorf 概要
会社名:株式会社Revorf(https://www.revorf.jp)
事業概要:感染症領域・自己免疫疾患領域を中心に、情報解析技術と独自のバイオ技術を融合することにより検査事業・創薬事業・創薬支援事業を展開
会社設立:2019年11月
■住友商事 概要
会社名:住友商事株式会社(https://www.sumitomocorp.com/ja/jp)
事業概要:全世界に展開するグローバルネットワークとさまざまな産業分野における顧客・パートナーとの信頼関係をベースに、多様な商品・サービスの販売、輸出入および三国間取引、さらには国内外における事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開
会社設立:1919年12月