ICMG共創ファンド、インドの鋼鉄加工に特化したB2BワンストップソリューションプラットフォーマーのFabrication Bazarへ出資
株式会社ICMG Partners(本社:東京都千代田区丸の内)が運用し、日本空港ビルデング株式会社(本社:東京都大田区羽田空港)、株式会社きらぼし銀行(本社:東京都港区南青山)がLP出資するICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合は、Fabrication Bazar として知られているBen and Gaws Private Limited(本社:A 16, Mohan Cooperative Industrial Estate, New Delhi - 110044)に出資を実行したことをお知らせいたします。Fabrication Bazarは、今回のプレシリーズAラウンドにて、ICMG Groupに加え、共同投資家であるPhysis Capital、Firstport CapitalおよびIPV Advisorといった強力な投資家陣と共にさらなる成長を支援してまいります。
Fabrication Bazarは、インドおよび中東市場を中心に、鋼鉄加工のワンストップサプライチェーンをグローバル大企業に向けて、安価かつ迅速に提供しているスタートアップです。中小加工ベンダーの生産能力を様々な施策を通して底上げを図ることで、ベンダーが有する技術の非活用、生産リードタイムの長期化、最終製品の品質のばらつき、運転資金の非効率的な運営体制等の課題の解決を目的としています。鉄鋼製品を必要とする大型バイヤーとFabrication Bazarの中小加工ベンダーネットワークの垂直統合を行うことで、工場間の生産プロセスを効率化し、原材料から最終製品に至るまで、高品質な製品管理と高い顧客満足度を実現しています。加えて、受注先の大型企業 やEPCの要望のもと、プロダクトのデザインや製造過程の発案を、自社で内製化しており、FMCG/F&B、加工業、電力、繊維、製造業など、様々な産業で使用されている50以上の独自SKUを有しています。
現在、鉄鋼加工需要はAPAC地域で最も高く、世界需要の60%を占めています。特にインドは世界第2位の鉄鋼生産および消費国であり、2023年には約157億ドル、2028年には238億ドルと年平均成長率は8.7%で成長すると推定されています。インドにおける鉄鋼の最大消費者は、建設およびインフラセクターであり、全体62%を占めています。あらかじめ設計および製造された部材を使用して建設される建物市場においては、2017年から2021年にかけて年平均成長率11〜15%を達成しており、Fabrication Bazarもこの流れに乗り、過去2年で収益を5倍に伸ばすことに成功しています。
近年の鉄鋼業界における大手加工ベンダーへの発注過多による加工価格の高騰や加工のリードタイムの長期化など、零細加工ベンダーが軽視されている市場の歪みが問題となっています。一方で、インドの鉄鋼加工業界は中小企業が業界の大部分を占めており、業界の上位5社のシェアは、市場全体の20%程度に留まります。大型の契約を受注できず、大型加工ベンダーに対して競争力を失ってきた中小企業のキャパシティを活用することを理念に掲げ、Fabrication Bazarは大型契約の受注から設計・デザイン制作、品質管理ソフトウェア、そして物流まで一気通貫したサービスを提供することで中小加工ベンダーと共に成長し、強固な利益率と信頼性の高いビジネスモデルを確立しています。
本投資の意義は、インドの地場産業と鉄鋼中小企業における様々な観点での持続可能性の向上に貢献することにあります。第一に、Fabrication Bazarのプラットフォームは、インドの鉄鋼中小企業が新しいデジタル技術を活用することで、競争力の高い業界に参入できる機会を提供しています(SDGs No.8 & 9)。第二に、これらの中小企業の生産体制を効率的に管理することで、大型バイヤーに対して製品の品質を保証し、産業の強固な基盤づくりに貢献します(SDGs No.7 & 11)。
ICMG Groupは、日系大手企業とFabrication Bazarの広範なネットワークを活用して日本・インド市場双方への参入障壁を克服する支援を提供することにより、地域社会と産業の発展に寄与するとともに、Fabrication Bazarのブランドと収益の拡大に貢献してまいります。
【Fabrication Bazarについて】
Fabrication Bazar(Ben & Gaws Private Limited)は、B2B市場向けの鉄鋼加工製品を提供する製造業スタートアップです。独自の製造プロセスにより、300以上の製造ベンダーと連携して生産効率を向上させ、製品を複数の部分に分割して同時に処理することで納期を短縮しています。また、サプライチェーンのデジタル化に取り組み、注文から品質管理、物流までを一元管理するプラットフォームを提供し、インドにおいて150万以上の零細中小加工ベンダーの未利用キャパシティを最大限に活用しています。インド全土に広がる広範なベンダーネットワークを持ち、東南アジアの製造拠点にも進出しているため、従来の製造業者と比べて納期とコストを最大30%削減しながら、グローバル品質基準を維持しています。加えて、EPC、製造、FMCG、製薬、エネルギー、食品・飲料、化学、包装、金属などのセクターにまたがる450以上の顧客基盤を持ち、50以上のSKUに対して独自デザインを提供するワンストップショップとして機能しています。2016年にDwaipayan Duttaが小さな製造ユニットとして設立され、2021年に現在のITを活用したアセットライトモデルに転換しました。2023年にはAnkur GuptaがCTO兼共同創業者として加入。2022年にInflection Point Ventures(IPV)からシードラウンドで100万ドルの資金調達を行っています。
【ICMG Groupについて】
ICMG Groupは、創業から24年に渡り、東京、シンガポール、バンガロール、サンフランシスコ、上海、ストックホルムをベースに、日本大企業のトップマネジメントへのコンサルティングサービス、ベンチャーキャピタル、デジタル、プロダクトデザイン、リーダーシップトレーニング、再生可能エネルギー、脱炭素事業をグローバルで提供してきました。2000年の創業から日立製作所と資本業務提携を行っており、東京電力、中部電力とは再生可能エネルギーや次世代インフラへの投資を行う2つのジョイントベンチャーGreenway Grid GlobalとCleanGrid Partnersをシンガポールに設立しています。グローバルでは、国連UNDPとSDGsイノベーションに関するパートナーシップを締結しており、シンガポール政府の研究機関であるA*STAR Institute for Infocomm Researchとは、日本企業向けの新たなデジタルソリューションの開発について、戦略的なパートナーシップを締結しています。ベンチャーキャピタルでは、Sequoia CapitalやBlume Ventures、Google等のグローバルトップVCとインド及び東南アジアで共同投資を行っております。また、日本大企業の経営層の持つパーパス、ヴィジョンをデジタルの力に繋げ、社会のイノベーションを加速するICMG Digitalを2023年にローンチし、2024年には、元Microsoft米国本社のDirector of Product Design and Research, Frontline Studios GMであったAna Arriola-Kanadaと日本企業のプロダクトデザインからエンジニアリングまで一貫して伴走するICMG Nextをローンチしています。これらの多様な価値を創出してきたICMG Groupのコアバリューは、常に企業、組織の見えざる価値を可視化し、将来像(パーパス)を描き、その価値創造を実現させてきた知的資本経営(Intellectual Capital Management)にあります。
【ICMG共創ファンドについて】
日本の空の玄関口である羽田空港第1・第2ターミナルを建設、管理・運営する日本空港ビルデング及びグループ会社で新規事業開発を推進する羽田未来総合研究所と「金融にも強い総合サービス業」を目指すきらぼし銀行等を有限責任組合員に迎え、2021年5月にスタートしたベンチャーキャピタルファンドです。インダストリーの垣根を越えて社会課題を解決するスタートアップと日本大企業の共創を後押しし、未来に繋がるエコシステムを構築することを目的としております。スタートアップへスピーディーな成長資金を提供するだけでなく、ICMG Groupが持つ日本大企業ネットワークを提供することでグロース支援を行います。
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