高校生が考える、琵琶湖の船の未来。
琵琶湖の船の過去を調べ、実際に乗船を体験し、船の未来を描く。高校生による企画イベントを開催。
立命館守山高等学校の生徒たちは、2026年8月25日(火)、琵琶湖の船の歴史や文化を学び、実際に船に乗り、その体験から「これからの琵琶湖と船の未来」を考える1日を実施しました。
今回の取り組みは、高校生が用意されたプログラムに参加するのではなく、「未来を考えるために、まず過去を知り、今を自分たちで体験する」というイベントの流れそのものを生徒たちが考え、企画し、実施したものです。
はじめに滋賀県立琵琶湖博物館で琵琶湖と船の歴史を学び、そこから実際に杢兵衛造船所が運航する「一番丸」に乗って
湖上へ。その後、それぞれが感じたことや気づきを持ち寄りながら、これからの琵琶湖と船の可能性について考えました。
参加した学生たちは同じ体験を通しながらもそれぞれが感じたこと、描いた未来は様々。
今回の1日から、さまざまな未来のアイデアが生まれました。
過去を知る。― 琵琶湖と船は、人々の暮らしをどうつないできたのか
未来の船をいきなり考えるのではなく、まず「船はこれまでどんな役割を担ってきたのか」を知ることから1日がはじまりました。
最初に訪れたのは、滋賀県立琵琶湖博物館。
かつて琵琶湖では、どのように船が人や物を運び、湖の周囲にある地域と地域をつなぐ役割を担ってきたのか。生徒たちは博物館の中を周って、琵琶湖における船の歴史や文化、人々の暮らしとの関わりについて学びました。見学後は、チームごとに学んだことや気になったことを模造紙にまとめ、互いに発表しました。

今を体験する。― 船に乗って、湖の上から琵琶湖を見る
博物館で過去を学んだ後は、杢兵衛造船所が運航する「一番丸」に乗船しました。
陸から眺めるのではなく、実際に湖の上へ出てみる。
風や水、船の揺れ、湖上から見る風景など、自分の身体で琵琶湖と船を体験しました。
湖上では、「未来に残したい琵琶湖」をテーマに、それぞれが自分のスマートフォンで写真を撮影しました。


船から戻った後には、「何が印象に残ったのか」「乗る前と後で何が変わったのか」など、実際に体験したからこそ感じたことを振り返りました。
高校生が実際に感じたこと
「乗る前は船酔いが少し心配でしたが、実際にデッキに出てみると、向かい風の強さやスピード感、水面の近さなど、想像していたのと全然違いました。」(高校1年生)
「電車とは違って、船の中では自然と隣の人と話すきっかけが生まれます。移動そのものが、人との距離を縮める時間になるんだと気づきました。」(高校2年生)
「今日通ったのは琵琶湖のほんの一部なのに、それでも十分に時間がかかりました。あらためて琵琶湖の大きさを感じて、これからも大切にしていきたいと思いました。」(高校2年生)
体験したことから、それぞれの未来を考える。
1日の最後は、博物館で学んだことや乗船して感じたことを起点に、「これからの琵琶湖と船で、どんなことができるだろう?」と具体的に未来について考えました。
生徒たちはチームに分かれ、それぞれが考えたアイデアを模造紙にまとめ、お互いのアイデアを見て回りました。
その中から「実現してみたい」「もっと知りたい」と感じたものに一人ひとりが投票。最後に各チームで多くの共感を集めたアイデアについて、考案した生徒本人が発表しました。


出てきたアイデアは、決して一つの方向にまとまったものではありません。
たとえば、
・湖の上に泊まれる「湖上ホテル」をつくる
・船底が全面ガラスの「琵琶湖グラスボート」で、水の中をのぞく
・屋上に上がって風を感じる、アトラクションのような船
・読書、勉強、パーティーまで。「目的を持って過ごす」ための船
など、同じ琵琶湖、同じ船を体験しても、それぞれの関心や気づきから異なる未来が描かれました。


高校生自身の言葉で。「それぞれが考えた琵琶湖の未来」
今回生まれた未来について、参加した高校生自身の言葉で紹介します。
体験して、初めて気づいたこと
今回の学習を通していかに昔では船が愛されて日常の一部だったかを知れたので、衰退しつつある今でも昔と同じような賑わいが見られたらいいなと思いました。また、日常の利用以外にも特別な目的での理由が広まればもっと楽しそうだなと思いました。
私が考えた、これからの琵琶湖
私は、船を「移動のための乗り物」ではなく、「目的を持って過ごしに行く場所」にしたいと思っています。本を読んだり、勉強したり、友達とパーティーをしたり。今はまだ船に乗るハードルは高いですが、「今日、船に乗りに行こうよ」と友達や家族を気軽に誘えるような未来があれば、琵琶湖はもっと身近な存在になると思います。
本当にやってみるなら
本当にやってみるなら、まずは一人でふらっと乗って、勉強したり音楽を聴いたりしてリラックスできる「サードプレイス」のような船を試してみたいです。海と違って波が静かな琵琶湖だからこそ、それができる気がします。その先には、湖上ホテルに泊まって美味しいご飯を食べたり、結婚式のような特別な日に船を使ったり。小さな一歩から、少しずつ実現していきたいです。
「未来を考える」から、「未来をやってみる」へ。
今回生まれたきっかけを終わらせずに、実際の琵琶湖で試していくことはできないだろうか。そんなことを、イベントを終えてDAS LABでは考え始めています。
たとえば月に一度、「高校生が考える琵琶湖の日」のような日をつくる。
高校生が「船でこんなことをやってみたい」と発信し、それを一緒に体験したい人を募る。必要な人数や費用が集まれば、実際に船を出してやってみる。
まだ具体的な計画になっているわけではありませんが、企業、地域の大人たちが、それぞれの持ち場でできることを持ち寄ることで、高校生たちから模造紙の上に生まれた未来のアイデアがいつか本当に琵琶湖の風景として実現するかもしれない。そんな可能性にあふれた琵琶湖の未来を、高校生と地域の皆さんで一緒につくっていけないだろうかと考えています。


開催概要
日時: 2026年8月25日(火)
場所: 滋賀県立琵琶湖博物館、琵琶湖湖上ほか
参加者: 立命館守山高等学校 生徒
企画・実施: 立命館守山高等学校 生徒
協力: 滋賀県立琵琶湖博物館、杢兵衛造船所
サポート: DAS LAB
内容: 船の歴史・文化の学習、乗船体験、未来を考えるワークショップ
DAS LABについて
DAS LABは、DAS(Data Art & Science)アプローチを活用し、データを起点に現在を読み解き、Artの創造性を取り入れて未来を構想し、対話を通じて社会での実践につなげる共創活動です。
大学・企業・地域など多様な主体と連携しながら、地域の未来を考え、実践につなげるプロジェクトに取り組んでいます。
本取り組みでは、高校生自身による企画・実施をDAS LABがサポートしています。
DAS LAB 公式サイト:https://daslab.jp/
取材に関するお問い合わせ
DAS LAB 広報担当
代表:神野恭光(JINNO YASUMITSU)
E-mail:daslab@toyotaconiq.co.jp
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