地域暮らしに関心のある東京圏のテレワーカー 73.3%が1週間以上の滞在を希 望
北見市二地域ライフ推進協議会が516人を調査。 空き家を活用した「テレワークで長期滞在」モデルを推進
民泊をめぐっては、都市部の一部で、住民の生活環境を守るために規制を強化する動きがあります。一方、人口減少や空き家の増加が課題となる地方では、民泊を地域での暮らしを体験する滞在拠点として活用し、人の流れをつくる動きが出ています。地域の実情に応じたルールのもと、住民の暮らしとの共存を図りながら、民泊をどのように役立てるかが問われています。
北海道北見市は、テレワークで長期滞在する二地域居住を推進しています。同市の株式会社ワイズスタッフは、国土交通省「空き家対策モデル事業」に採択された事業(※)と連動し、空き家を二地域居住者の長期滞在施設として活用する取り組みを進めています。
こうした取り組みに必要な滞在環境や支援を把握するため、北見市二地域ライフ推進協議会の事務局である株式会社ワイズスタッフは、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住し、週3日以上テレワークを行い、現在の居住地域以外での暮らしに関心がある就業者516人を対象に、ニーズ調査を実施しました。
その結果、回答者の73.3%(378人)が、現在の居住地以外のへの滞在について1週間程度以上を希望し、29.8%(154人)が宿泊施設として「占有できる一戸建て(民泊等)」を選択しました。また、調査で提示した北見市の支援策14項目のうち、「テレワーク設備がそろった一戸建ての民泊の案内・利用料支援」が54.5%(281人)で最も多く選ばれました。
これらの結果は、地域での暮らしに関心を持つテレワーカーが長期滞在施設として、仕事環境を備えた一戸建て民泊へのニーズがあることを示唆しています。北見市二地域ライフ推進協議会は、本調査の結果を二地域居住の受け入れ環境の整備に生かすとともに、宿泊収入から運営・維持管理費を賄い、空き家オーナーにも利益を還元できる持続可能な地域活性化モデルの構築を目指します。
※「北見市の二地域居住推進と連動した民泊活用による持続可能な空き家活用モデルの構築」事業
■調査で確認された主な結果

注:本データは、「東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住し、週3日以上テレワークを行い、現在の居住 地域以外での暮らしに関心がある就業者」を対象としています。東京圏の就業者全体、またはテレワーカー全体 の需要率を示すものではありません。
■「テレワークで長期滞在」で、二地域居住者を誘致
空き家対策では、売却、賃貸、移住者向け住宅への転用が主な選択肢となります。しかし、移住のハードルは高く、すぐに決断できる人は限られます。テレワークで仕事をしつつ長期滞在することができれば、気候、買い物、子育て、医療、交通、地域の暮らしを体験し、二地域居住や将来の移住につなげることができます。
また、北見市で進められているのは、仕事と生活の環境を整え、宿泊収入を得られる「長期滞在型民泊」として、空き家を活用する取り組みです。国が実施する空き家対策施策と市が実施する二地域居住の推進施策を組み合わせ、次の4要素を柱に受け入れ環境づくりを進めます。以下は事業の取り組み内容であり、54.5%が選択した調査項目の構成要素とは異なります。


■調査から見えた、長期滞在に求められる条件
滞在先に求められる仕事環境
滞在中の仕事環境として求められたのは、高速で安定したインターネット回線74.4%、セキュリティに配慮したネットワーク61.4%、長時間座れるオフィスチェア57.9%、仕事がしやすい照明50.4%、音が漏れにくい個室・個人ブース49.8%でした。宿泊機能だけでなく、仕事を続けられる環境の整備が求められていることがわかります。
観光と並んで、自然・食・仕事の気分転換が理由に挙がる
具体的な行き先を選んだ475人に、その地域へ行きたい理由を尋ねたところ、「観光やレジャー」47.4%に続き、「自然の中でゆっくり過ごす」45.5%、「地域ならではの食」43.4%、「仕事の気分転換」41.3%が上位でした。観光に加えて、仕事を続けながら食や自然を楽しむことが、滞在の理由として挙げられています。
■調査結果をふまえた今後の方向性
1 テレワークで仕事をしながら地域の暮らしを体験できる環境を整えます。
1週間程度以上の滞在を希望する人は73.3%、2週間程度以上は51.4%でした。仕事と日常生活を両立できる設備や、滞在期間に応じた利用条件を検討します。
2 空き家(一戸建て)を活用し、長期滞在可能な宿泊施設を増やします。
宿泊施設として「占有できる一戸建て」を選んだ人は29.8%、子ども連れを希望する人では36.1%、2週間程度以上の滞在を希望する人では35.1%でした。一方、北見市には、こうした長期滞在に使える民泊施設がほとんどありません。こうした滞在ニーズに応えられる受け入れ環境を整えることを、当面の目標に置きます。
3 空き家オーナーが民泊収入で継続できるモデルの構築を目指します。
行政が行う支援を活用しつつ、それだけに頼らず、地域と共存する運営・リモートでも管理できるシステム・協議会認定など、地域ならではの民泊運営をサポートし、空き家のオーナーが収益を得て、継続できるモデルの構築を目指します。
■北見市二地域ライフ推進協議会コメント
「北見市は、ビジネスホテルが中心で、家族、特に子どもがいるファミリーが長期滞在できる宿泊施設は限られています。今回、そのニーズが確認できたこと自体が大きな成果です。空き家をテレワークが可能な民泊として営業し、利用者には地域で暮らす機会を、空き家オーナーには収益の還元を目指します。最終的には民泊の売上で継続できるモデルを北見市からつくっていきます」

数値の取り扱いについて
本調査は、東京圏在住、週3日以上のテレワーク、居住地域外での暮らしへの関心という条件を満たす人を対象としています。70.5%はこの対象者内での北見市への滞在意向であり、東京圏の就業者全体またはテレワーカー全体の需要率ではありません。
54.5%は、Q14で提示した14施策から最大3つを選ぶ設問での選択率です。絶対的な利用意向率ではありませんが、提示した14施策の中で最も多く選ばれたことを示します。一戸建て・テレワーク設備・施設案内・利用料支援を組み合わせた選択肢への評価であり、各要素への個別の支持率を示すものではありません。
Q6は、具体的な行き先を選択した475人を集計対象としています。41人は「特に決めていない」を選択したため、対象外です。 73.3%は「1週間程度」以上、51.4%は「2週間程度」以上の回答区分を合算した割合です。いずれも北見市に限定しない、別地域への希望滞在期間を示します。
調査結果は潜在需要を示すものであり、実際の予約、売上、滞在、再訪を保証するものではありません。今後の実証で行動への転換を検証します。
当調査の集計・分析レポートのダウンロードについて
資料を希望される方は、以下のURLもしくはQRコードよりダウンロードしていただけます。
北見市二地域ライフ推進協議会について
北見市での二地域居住を推進するため、行政、地域企業、関係団体等が連携し、テレワーク環境、滞在施設、地域交流、子育て支援、空き家活用などの受け入れ環境づくりに取り組んでいます。
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