近畿圏不動産流通市場の動向について(2024年1~3月期)
2024年1~3月期の中古住宅取引は堅調、低金利環境は維持され市場の底堅さ続く見通し
中古マンションの平均成約価格は、2,990万円(前年同期比プラス8.5%)と15期連続で上昇し、新規登録価格は2,784万円(前年同期比プラス0.4%)となりました。対象12地域中8地域が前年比で上昇し、最も高い大阪市は3,909万円と15年10~12月期から33期連続で前年同期を上回り、4千万円に迫る水準となりました。
中古戸建住宅の成約件数は、3,003件(前年同期比プラス21.1%)と5期連続で増加し、売り出し(新規登録)件数は12,317件(前年同期比プラス24.5%)となりました。対象12地域のすべての地域で成約件数は増加し、大阪市や神戸市、京都市では前年比で20%を超える増加を示しています。
中古戸建住宅の成約価格は2,400万円(前年同期比プラス0.6%)と14期連続で上昇し、新規登録価格は2,713万円(前年同期比マイナス0.8%)となりました。対象12地域中5地域が前年比で上昇し、大阪市は6期連続、京都市は5期連続で上昇し、両市では相対的に高額な中古戸建住宅を求める動きが続きました。
中古マンション・中古戸建住宅ともに件数は増加、価格は上昇し、市場は拡大局面にあります。3月に日銀はマイナス金利を解除し、借り入れの大半を占める変動型住宅ローン金利では上昇圧力がかかりますが、追加的な大幅利上げは考えにくく低位の金利環境は維持される公算です。売り物件の増加が続く中古住宅市場では多様で安価な物件を選択でき、価格の高止まりが続く新築住宅市場に比べて需要は底堅く推移すると予想されます。
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