「毎日登校」から「グラデーション登校」へ。起立性調節障害の子ども、4割が「起きられた日に通う」を選択

45.4%が「本人の体調・希望」を最優先 ―― ODの子を持つ保護者108名実態調査

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

春の足音が近づくにつれ、起立性調節障害(OD)を抱えるお子様やその保護者にとって、進級・進学という「新年度」の壁が大きな不安要素となります。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、ODの診断または疑いがあるお子様を持つ保護者108名を対象に「登校スタイルに関する実態調査」を実施しました。その結果、約4割が「起きられた日に登校する」という柔軟なスタイルを選択しており、8割以上が本人の体調や希望を最優先に登校の形を決めている実態が浮き彫りになりました。新年度に向けた判断材料として、多様な選択肢と家族の向き合い方を共有します。

調査背景

朝の強い倦怠感や立ちくらみを特徴とする起立性調節障害(OD)は、本人の努力だけではコントロールできない身体的な疾患です。しかし、学校現場では依然として「毎日決まった時間に通うこと」が標準とされ、それができないことへの罪悪感や焦燥感に苦しむ親子が少なくありません。新年度という大きな転換期を前に、今の子どもたちが実際にどのような形で学校と関わっているのか、その「リアルな距離感」を可視化することで、一つの正解に縛られない新しい登校のあり方を提示したいと考え、本調査を実施しました。

調査サマリー

  • 40.7%が「毎日ではないが、起きられた日は登校」と回答。毎日通うことに固執しない柔軟なスタイルが主流に

  • 登校スタイルの決定理由は「本人の体調や希望を最優先」が45.4%。家庭主導でスタイルを構築

  • 約8割の保護者が「最善ではないが以前よりは良い」「本人に合っている」と前向きに捉えている

  • 約7割が現状維持を予定する一方、26.9%が「わからない・決まっていない」と回答し、春を前にした揺れ動く心境が明らかに

  • 必要なサポートの1位は「学校側の理解や柔軟な対応(23.9%)」。制度やツール以上に“理解”という土壌を求めている

詳細データ

Q1. 現在、お子さまはどのような形で学校に通っていますか?

  • 毎日ではないが、起きられた日は登校している:40.7%

  • ほぼ毎日、通常どおり登校している:38.9%

  • 通信制・オンライン学習を利用している:7.4%

  • 授業の一部のみ参加している:5.6%

  • 毎日遅れて登校している(午後登校など):4.6%

  • 現在はほとんど登校できていない:2.8%

→ 「毎日通う」か「全く通えない」かの二択ではなく、体調に合わせて登校日や時間を調整する「グラデーションのある登校」が一般的になっていることが分かります。

Q2. 現在の登校スタイルは、どのように決まりましたか?

  • 本人の体調や希望を最優先して決めた:45.4%

  • 本人と保護者で話し合って決めた:20.2%

  • 保護者が中心となって判断した:11.7%

  • 医師・医療機関の助言を参考にした:11.7%

  • 学校から提案された形を受け入れた:7.4%

  • その他:3.6%

→ 学校側の提案以上に、本人のコンディションを一番近くで見守る「家庭」が主導して、無理のない範囲を模索している様子が伺えます。

Q3. 現在の登校スタイルについて、どのように感じていますか?

  • 最善ではないが以前よりは良い:45.4%

  • 今の形が本人に合っていて良い:34.3%

  • まだ模索中である:19.4%

  • これで良いのか分からずやや不安:0.9%

8割近くが現状を肯定的に受け止めています。たとえ「毎日通学」でなくても、その子なりのペースを見つけることが家族の安心感に繋がっていると言えそうです。

Q4. 新年度も同様の登校スタイルを続ける予定ですか?

  • 続ける予定:68.5%

  • わからない・まだ決まっていない:26.9%

  • 変わる予定:4.6%

→ 約7割が継続を希望していますが、4人に1人は新年度の環境変化を前に判断を保留しています。クラス替えや担任の交代など、春特有の不透明さが反映されています。

Q5. 起立性調節障害があっても学習を続けるために、あれば良いと思うサポートを教えてください

  • 学校側の理解や柔軟な対応:23.9%

  • 出席日数・成績評価への配慮:15.0%

  • 登校時間・参加形態の柔軟な調整:13.0%

  • 担任・養護教諭との定期的な相談:13.0%

  • 医師・医療機関からの具体的な助言:10.9%

  • その他:24.2%(学習の遅れに対する支援:7.8%、オンライン授業・教材の活用:6.1%、家庭での声かけや関わり方の指針:4.8% など)

→ 最新の学習機器やオンライン教材よりも、「学校側の理解」や「評価の公平性」といった、精神的・制度的なセーフティネットを求める声が最も多く集まりました。

調査結果のまとめ

今回の調査で明らかになったのは、起立性調節障害(OD)の子どもたちが、自らの体調と相談しながら「独自の通学スタイル」を確立している姿です。かつての「不登校か、皆勤か」という極端な二択ではなく、「起きられた日に行く」「午後から行く」といった選択肢が、本人や家族の心の安定に寄与しています。一方で、新年度を前にした不安や、学校現場への「さらなる理解」を求める声も根強く残っています。学習の機会を損なわないためには、物理的な支援以上に、一人ひとりの体調に合わせた「柔軟な評価基準」と、それを認める「教育現場の理解」が不可欠であると言えます。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

起立性調節障害(OD)の子どもを持つ親御さんにとって、4月は「心機一転、頑張れるのではないか」という期待と、「また朝が辛くなるのではないか」という不安が入り混じる時期です。今回の調査結果で「起きられた日は登校する」という回答が最多だったことは、非常に大きな意味を持ちます。それは、お子さんが「学校を諦めた」のではなく、「自分にできるベストな付き合い方」を模索している証拠だからです。

新年度を迎えるにあたり、大切なのは「前の学年と同じように」や「他の子と同じように」という基準を一度手放すことです。100点満点の登校を目指して息切れするよりも、20点、30点の日を認め、継続できるスタイルを大切にしてください。学校側も、こうした「多様な登校の形」を一つの正当な選択肢として認め、評価する柔軟性を持っていただきたいと願っています。

調査概要

  • 調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 調査期間:2026年2月18日〜2月27日

  • 調査対象:起立性調節障害(OD)の診断を受けた子どもを持つ保護者

  • 調査方法:インターネットによるアンケート調査

  • 有効回答数:108名

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URL
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業種
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本社所在地
熊本県熊本市中央区神水 1-24-6 健神ビル8F
電話番号
-
代表者名
竹田 浩一
上場
未上場
資本金
-
設立
2022年02月