オンライン不登校支援・発達支援の活動記録2,557件の分析結果を、分析方法と「言えないこと」を含めて公開

発達支援を組み込んだ不登校支援の現場から、支援先選びに確かめられる材料を増やすために

特定非営利活動法人ここのば

NPO法人ここのば(大阪市、代表理事:百瀬洋介)は、運営するオンラインフリースクール「SUPER SCHOOL」およびMinecraftを活用した個別発達支援「GLOBAL GAME」において、2025年2月から2026年8月までに蓄積した活動記録2,557件を分析し、その結果を公開しました。あわせて、分析の方法と、この分析では言えないことを明示しています。 

背景①|不登校支援は増えたが、発達支援の視点はほとんど入っていない 

文部科学省の調査によると、2024年度の小・中学校における不登校児童生徒数は353,970人で、12年連続の増加、過去最多となりました(「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」2025年10月29日公表)。これにともない、民間のフリースクールやオンラインの居場所も急速に増えています。 

一方で、学校に行けなくなった背景に発達の特性が関わっているケースは少なくありません。感覚の過敏さ、書字や計算の困難、集中の持続、対人距離のとりづらさといったことが積み重なり、教室にいることそのものが難しくなっていきます。

しかし現在の民間の不登校支援は「居場所」と「学習」を担うものが中心で、発達アセスメントにもとづく個別支援計画の策定や、特性に応じた環境調整といった発達支援の専門性を備えた事業者は、当法人が把握する限りごくわずかです。その結果、居場所には通えるようになっても同じ困りが再び起きる、学習支援を受けても背景にある特性が手つかずのまま残る、という事態が生じやすくなります。不登校という結果に手当てをしても、その手前にある特性が扱われていないためです。 

当法人は、代表理事が児童発達支援事業所および放課後等デイサービスの起業・運営を経験しており、法人としても療育・保育の専門職に向けた研修事業と第三者評価事業を継続しています。この発達支援の実務を、そのままオンラインの不登校支援に組み込む形でSUPER SCHOOLおよびGLOBAL GAMEを運営しています。 

 背景②|その支援を確かめる材料が、選ぶ側にない 

こうした支援には公的な効果検証の枠組みがなく、保護者が支援先を選ぶ際に確かめられる材料は限られています。各事業者が公開するのは、多くの場合、満足度や体験者の声にとどまります。 

同時に、限られた規模の分析結果が「効果」として提示されると、実態以上の期待を生む懸念もあります。当法人は、数値を公開すると同時に、その数値が何を意味しないのかを明示する形をとりました。今回の公開は、この2つの課題に対する一つの試みです。 

分析の概要 

  • 対象期間:2025年2月〜2026年8月(19ヶ月)

  • 対象記録:2,557件

  • 記録の形式:担当者による自由記述(目標/活動内容/本人の発言・行動/次回のタスク) 

自由記述のため記録の密度に差があることから、全2,557件を「本人の行動が読み取れるか」で3区分に分類し、A・Bのみを行動分析の対象としました。 

  • A(詳細)本人の発言・具体的な行動・やり取りが十分に記録されている ── 1,224件

  • B(分析可能)具体的な発言または行動の記述がある ── 785件

  • C(情報不足)活動内容のみ等で、行動の判定が難しい ── 548件

→ A+B=行動分析の対象 ── 2,009件(78.6%) 

なお、区分Cは「その日に行動がなかった」ことを意味しません。記録の書き方によって判定できなかった、という区分です。担当者と1対1で行う個別活動の記録に限ると、1,629件(92.7%)が分析可能でした。 

 主な結果 

当法人は自己決定理論(Self-Determination Theory)にもとづき、「自律性」「自己有能感」「関係性」の3つが満たされる環境をつくることを支援の方針としています。分析可能な個別活動記録1,629件について、この3つに該当する場面の記述を数えました。 

【記録に明示されていた割合】

  • 関係性 ── 46.8%

  • 自己有能感 ── 29.0%

  • 自律性 ── 22.7%

  • いずれかが明示された記録 ── 67.7% 

また、継続して利用しているお子さまのうち、分析可能な記録を十分に持つ対象者について、最初の25%の記録と直近25%の記録を比較しました。 【最初の25% → 直近の25%】・自己表現 ── 11.4% → 16.9%(+5.5pt)・問題解決・試行錯誤 ── 12.2% → 16.4%(+4.2pt)・自己調整 ── 2.1% → 5.6%(+3.5pt) 続ける中で、「自分で考える・伝える・立て直す」姿の記述が増える傾向が見られました。 

 この数値の読み方について(当法人の見方)

 67.7%という数値は、高いとも低いとも読める数値です。当法人は、これを天井ではなく床に近い数値だと捉えています。その理由を3点、あわせてお示しします。

 1.記録は評価ではありません。

担当者は「自律性が見られた」と書くために記録しているのではなく、目標・活動内容・本人の発言や行動を事実として記述しています。3要素への該当判定は、19ヶ月分の記録が蓄積した後に読み返して行ったものです。毎回チェック欄を設ける形式であれば、より高い数値が出たと考えられます。 

2.活動が安定している日ほど、記録に残る記述は少なくなります。

落ち着いて活動を進め、通常どおり終えられた日は「拠点の続きをした」等の短い記述で終わることがあり、行動の記述はあっても3要素の場面としては計上されません。この割合は、支援が及ばなかった日ではなく、むしろ平穏な日によって押し下げられている面があります。

 3.観測経路は1つに限られます。

本記録に含まれるのは、週1〜2回・1回60分の活動の中で担当者から見えた範囲のみです。家庭や学校での様子、保護者さまが気づかれた変化は、分母にも分子にも含まれていません。 単一の観測経路から、事実のみを記述した記録の3回に2回に、選ぶ・工夫する・人と関わる場面が残されていた。当法人はこれを低くない水準と受け止めています。ただし本項は数値の読み方に関する当法人の解釈であり、検証を経たものではありません。 

 この分析では言えないこと(当法人による明示) 

  • 「該当する割合のお子さまに効果があった」という効果率ではありません。記録上に該当する記述が確認された割合です。

  • 継続児の変化は記録上の頻度の変化であり、活動が原因でその変化が起きたと断定することはできません。学年進行、担当者との関係の深まり、記録の書き方の変化など、他の要因も考えられます。

  • 他のサービスとの比較は行っておらず、優劣を示すものではありません。

  • 心理検査や臨床試験による測定ではなく、自由記述に明示された行動を探索的に分類したものです。

  • 対象は当法人を利用するお子さまに限られ、規模も大きくありません。ここで見えたことが他の場や他のお子さまにそのまま当てはまるとは考えていません。 

代表理事コメント 

「支援の現場では『よくなった』という言葉がよく使われます。私たちも使ってきました。それが何を指しているのかを、少しでも具体的にしたいと考えて記録を読み返しました。誇れる数字を出すことよりも、何が言えて何が言えないのかをはっきりさせることを優先しています。分析には粗さもありますので、同じ領域の方に比べたり批判したりしていただける材料になればと思っています。」 

NPO法人ここのば 代表理事 百瀬 洋介(保育士・児童指導員・経営学修士) 

サービス概要 

【SUPER SCHOOL】不登校のお子さま向けオンラインフリースクール

個別活動 週2回、学習サポート、集団活動、発達アセスメント、個別支援計画、保護者相談、学校との情報連携

https://coconova.or.jp/school/ 

【GLOBAL GAME】Minecraftを活用した個別発達支援

個別活動 毎週/隔週、集団活動、発達アセスメント、個別支援計画、保護者相談

https://coconova.or.jp/game/  

法人概要 

名称:NPO法人ここのば

代表者:代表理事 百瀬 洋介

不登校支援(SUPER SCHOOL)/発達支援(GLOBAL GAME)/保育第三者評価事業/療育と保育の学びの会/保育士等キャリアアップ研修

URL:https://coconova.or.jp/

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会社概要

特定非営利活動法人ここのば

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URL
-
業種
教育・学習支援業
本社所在地
大阪府大阪市淀川区西宮原二丁目5番46-323
電話番号
-
代表者名
百瀬洋介
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年08月