月面探査車「YAOKI」日本の民間企業として初めて月面に到達し撮影成功!

~困難な状況でも諦めない、七転びYAOKIの快挙~

株式会社ダイモン

2025年3月8日 株式会社ダイモン(本社:東京都中央区新富1-6-16 DCCビル、代表取締役:中島 紳一郎)は、同社が開発する月面探査車「YAOKI」を搭載した、Intuitive Machines社の月着陸船「Nova-C」(通称「Athena」)が、日本時間3月7日(金)未明に月面軟着陸に成功したことをご報告いたします。さらに、その数時間後にはYAOKIが撮影した写真データの受信にも成功し、これにより、日本の民間企業として初めて月面に到達し稼働した月面探査車となったことを併せてご報告いたします。

YAOKI搭載カメラによる月面での撮影 2025年3月7日 ※左上の明るい部分: クレーターの縁 (リム) 中央下:Athenaの足
YAOKIのカメラの位置。写真はここから撮影。

横転した状態ではあるものの、Intuitive Machinesにとって2回目の月面軟着陸成功となり、3月2日のブルーゴーストに続く民間企業の月着陸船として3例目となります。IM-2 [*1]のミッションは、将来の月探査を可能にするために、水資源探索のインフラを検証し、利用可能な資源の組成や濃度を特定し、月面通信技術を実証することを目的としています。

早期ミッションの開始の経緯

着陸後の月着陸船「Athena」の姿勢が予定通りではないことから、月着陸船の最大活動時間を考慮しIntuitive Machinsから各ペイロードに、それぞれのミッションを着陸直後から短時間で遂行する指示が発せられました。「YAOKI」は着陸後約5日後に計画していたミッションを、着陸直後に実行する計画変更の指示を受け、Athenaに搭載されている全てのペイロードの最後にミッションを実施しました。電力供給の制限や、温度の低温化など、時間が経つほど環境が悪化する状況下で、月面での写真撮影・データ送信に成功し、着陸船から月面に解放されるに至らずも、YAOKIが月面で予定していた所定の動作が正常に作動することを確認しました。 

株式会社ダイモン代表取締役 中島 紳一郎のコメント

このような過酷な環境下でのYAOKIの性能は、設計の正確性、素材の耐久性と、Dymonおよびすべてのパートナーの技術力、そして確固たるチームワークの証です。数々の課題に直面しながらも、小型民間ローバーとしての月面運用を成功させ、技術的マイルストーンを達成することができました。Project YAOKIに関わってくれた、すべての関係者、パートナーの皆様に心から感謝します。また、YAOKIは月のクレーターの中で倒れた状態でも元気に機能し、「七転びYAOKI」を文字通り実現できたことを誇りに思います。

今回のミッションの概要

月面探査車YAOKIは、NASAの「商業月貨物輸送サービス(CLPS)[*2]」プログラムのもと、月の南極地域に送り込まれるペイロード[*3]のうち、民間に開放されたペイロードの1つとなる。今回のYAOKIのミッションは、月着陸船から分離し、遠隔操作で月面を走行しながら撮影したデータを地球に送信する。軽量かつ耐久性に優れた小型月面探査車YAOKIは、将来的に月面基地建設や有人活動を支援するプラットフォームとしての役割を想定する。

YAOKIのミッション結果と成果

■ 結果

YAOKIの運用は3月7日 午前2時17分51秒 (UTC) に開始され、最後のコマンド送信は4時32分30秒 (UTC)に行われました。困難な状況下にありながらも、2時間以上にわたり貴重なデータを送信することに成功し、最終コマンド送信時点でYAOKIのバッテリー残量は4時間以上あることをオペレーションシステムにより確認しました。

  • デプロイヤー[*4]からの分離は、着陸船からの電力供給ができず実施不可。

  • 写真撮影は成功し、リアルタイムで確認に成功。

  • デプロイヤー内部で車輪の回転を実施。分離されていれば月面走行可能と推定。

  • 打上げから探査までの全工程で、YAOKIの温度を示すテレメトリーなどを正常に取得。重心データを確認。

  • YAOKIは、ミッション全体を通じて最も活動的ペイロードの一つだった。

  • YAOKI本体は、全機能が正常に動作することを確認。予定していた全機能の動作を地上からオペレーションすることに成功。

■ミッションのタイムライン

  • 2時17分51秒(UTC) 初回コマンド送信

  • 2時19分02秒(UTC) 初回データ受信

  • 4時32分30秒(UTC) 最終コマンド送信

  • 着陸船の電源供給終了によりIM-2全ミッション終了

■成果

  • 画像データが欠落するパケットロスが無く、クリアなデータを受信。

  • 1枚の写真データの受信時間は75秒で、リアルタイムに近い送信速度を確認。

  • デプロイヤー開閉のためのエネルギーの供給が途絶えたためデプロイヤーの内部より撮影。

月着陸船 Athena が撮影した写真

2025年3月3日15時30分(CST)撮影

2025年3月7日8時29分(CST)にAthenaが撮影した写真

*1)IM-2 Intuitive MachinesのMission 2の略

*2)CLPS= Commercial Lunar Payload Servicesの略で、NASAが民間企業へ委託する商業月貨物輸送サービス

*3)ペイロード=宇宙分野における輸送機が運ぶ荷物や機器の総称

*4)デプロイヤー=YAOKIを輸送時に格納しているケース

Project YAOKIパートナー

株式会社UCHIDA
株式会社縁舞
株式会社桂川精螺製作所
国光施設工業株式会社
株式会社JAOPS
株式会社中央エンジニアリング
東京海上日動火災保険株式会社
パンチ工業株式会社
株式会社ピクシーズ
4th.ai(スマートインプリメント株式会社)
三菱ケミカル株式会社
株式会社ユニスト・ホールディングス

(50音順)

株式会社ダイモン

株式会社ダイモンは、2012年に創業したロボット・宇宙技術開発ベンチャーです。月面探査車YAOKIを中核として、月面探査事業、地上ロボット事業、教育エンタメ事業に取り組んでいます。

会社名  : 株式会社ダイモン(Dymon Co., Ltd.)
代表取締役: 中島 紳一郎
設立   : 2012年2月
資本金  : 80,000,000円
本社   : 〒104-0031 東京都中央区新富1-6-16 DCCビル
Webサイト: https://dymon.co.jp/



【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社ダイモン 広報担当

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会社概要

株式会社ダイモン

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URL
http://www.dymon.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区新富1-6-16 DCCビル
電話番号
090-4223-4202
代表者名
中島 紳一郎
上場
未上場
資本金
8000万円
設立
2012年02月