「治療と仕事の両立支援」努力義務化、うつ病で退職する前に企業は「障害年金」を伝えているか?

― 改正労働施策総合推進法の施行を受け、企業への3つの実務対応を提言 ―

社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ

うつ病特化の障害年金申請支援専門として2,500名超の支援実績を持つ、社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ(東京都千代田区、代表:宮里竹識)は、2026年4月に施行された改正労働施策総合推進法により、治療と仕事の両立支援が事業主の努力義務として位置づけられたことを受け、企業に対して現場の立場から3つの実務対応を提言します。

法改正対応として「働き続けるための支援」が注目を集める一方で、うつ病などメンタルヘルス不調が長期化した場合に活用できる「障害年金」という公的支援制度を、退職前に労働者へ情報提供する仕組みを整えることも、企業には求められていると考えています。

今回の法改正を、単に「働き続けるための制度対応」として捉えるのではなく、労働者が自分の状態に応じて「働く」「休む」「療養に専念する」という選択をしやすくする機会として見直すことが重要です。

■2026年4月施行「治療と仕事の両立支援」努力義務化とは?

2026年4月1日に施行された改正労働施策総合推進法は、治療を受けている労働者からの相談に応じ、必要な体制の整備その他の措置を講じることを事業主の努力義務として定めています。法令上は「治療と就業の両立支援」と位置づけられ、一般向けには「治療と仕事の両立支援」として厚生労働省が周知を進めています。

企業に求められるのは、病気を抱えながら働く労働者が相談しやすい体制の整備や、勤務時間・業務内容・休暇制度などの就業上の配慮を検討する実務対応です。

一方、当法人はこの法改正を「単に働き続けるための制度対応」として捉えることに、一つの懸念を持っています。

■ 「働く支援」だけではなく、休職の長期化・退職後の支援も考える

厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合は12.8%、うち退職した労働者がいた事業所に限ると6.2%にのぼります(常用労働者10人以上の民営事業所が対象)。

うつ病などのメンタルヘルス不調は症状が外から見えにくく、本人が不調を申し出にくい特性があります。無理に就業継続を図ることで症状が悪化し、休職の長期化・退職・収入断絶という事態につながるリスクも考えられます。

働けない時期の生活支援としては、健康保険の傷病手当金がまず活用されます。業務外の傷病で働けず給与が支払われない場合に一定の要件のもとで支給される制度ですが、支給期間には上限があります。

そして、うつ病などの症状が長期化する場合、もう一つの選択肢として障害年金があります。日本年金機構によれば、障害年金は「病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金(※)」です。なお、傷病手当金と障害年金は同一傷病を原因とする場合、併給調整が生じることがあります。

当法人が問題視しているのは、この障害年金という選択肢の存在が、退職前に労働者へ十分伝わっていないという現実です。

(※)ただし、初診日・障害状態・保険料納付状況などの要件があり、個別の状況による確認が必要。

■ 現場で寄せられる声

当法人には、うつ病による休職・退職を経て障害年金を申請された方々から、以下のような声が寄せられています。

「うつ病で2年半休職しており、退職が近づいていて収入がなくなることに悩んでいました」(50代男性/うつ病/2級認定)

「心の中で常に、夫に対して迷惑をかけていることへの罪悪感や、早く収入を得なくてはという、漠然とした不安がずっとありました」(20代女性/うつ病/2級認定)

「退職すれば病状も良くなると考えていましたが、改善されず。無収入の生活が約2年続き、貯金を切り崩して生活をしていました」(50代男性/うつ病/2級認定)

3つの声に共通しているのは、「障害年金という選択肢を、誰も教えてくれなかった」という事実です。退職前にこの制度の存在を知っていたかどうかは、その後の療養生活と経済的安定に大きな影響を及ぼす可能性があります。

■ 全国障害年金パートナーズが提言する3つの実務対応

今回の法改正を機に、企業には「働き続けるための支援」と「働けない時期を公的制度につなぐ支援」の両輪を持つことが重要だと当法人は考えます。

提言1. 相談窓口に「生活支援制度」の情報も加える

治療と仕事の両立支援では、勤務時間の調整・業務内容の見直し・休暇制度の利用が中心になりがちです。就業継続が難しい場合に備え、傷病手当金・障害年金・自治体の相談窓口など、生活を支える公的制度への案内体制も整えることが重要だと考えます。

提言2. 「復職できるか」だけでなく「今は休むべきか」を整理する

うつ病などのメンタルヘルス不調では、本人が「迷惑をかけたくない」と無理をしてしまうことがあります。本人・主治医・産業医・人事労務担当者の間で情報を整理し、就業継続だけを前提にしない支援方針を持つことが求められます。

提言3. 退職前後の情報提供を仕組み化する

休職や退職の後に制度を知ると、申請準備が遅れたり必要な情報が集めにくくなったりすることがあります。企業が個別の受給可否を判断する必要はありません。「制度の存在」「相談先」「申請には要件があること」を早い段階で伝える仕組みを整えるだけで、当事者の生活不安を軽減する一助になります。

■ 社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ代表 宮里竹識コメント

治療と仕事の両立支援は、病気を抱える方が働き続けるために重要な制度改正です。ただし、これを「病気でも働き続けるための制度」とだけ捉えると、うつ病で苦しむ方を追い詰めてしまう可能性があります。

必要なのは、働けるときには働き続けられる職場環境と、働けないときには安心して休める経済的支えの両方です。

傷病手当金だけでは支えきれない長期の療養に備え、退職や収入断絶の前に障害年金という選択肢を知ることは、療養に集中するための大切な支援になります。


【会社概要】

  • 社名: 社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ

  • 所在地: 東京都千代田区神田佐久間町1-8-4 アルテール秋葉原708

  • 代表者: 宮里竹識|特定社会保険労務士、障害年金コンサルタント

  • 事業内容: うつ病による障害年金申請専門サポート、障害年金相談業務、関連情報発信

日本で唯一の「うつ病による障害年金専門」社会保険労務士事務所として、年間400名超のサポート実績を誇る。

【本件に関するお問い合わせ先】

社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ 広報担当 宛

TEL: 0120-792-738

Email: miyazato@spartners.jp

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会社概要

URL
https://spartners.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区神田佐久間町1-8-4 アルテール秋葉原708
電話番号
0120-792-738
代表者名
宮里 竹識
上場
未上場
資本金
-
設立
2014年04月