レノボのテクノロジートレンド予測 -2021年、そしてさらにその先にくるもの-

レノボ

レノボ・ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長デビット・ベネット。以下レノボ)は、毎年年末に翌年のテクノロジートレンド予測を行っています。2021年のテクロノジートレンドについても、当社社長のデビット・ベネットが以下のように予測しましたので、発表いたします。
「コロナ禍は、世界中で、そしてさまざまな分野に、破壊的な、予測できなかった変化をもたらしました。デジタルトランスフォーメーションの加速とも相まって、私たちは「エブリシング・フロム・ホーム」とも呼ぶべき新しい社会環境の中にいます。それらの社会環境とテクノロジーの進化から、以下のように私はテクノロジートレンドが進むと予測します。」(デビット・ベネット)

予測1 「ワーク・フロム・ホーム文化」がコラボレーションとオフィスを変える
予測2 「コネクティビティ」を高める技術が発達する
予測3 「教育のデジタル化」がコロナ禍で加速する
予測4 「サブスクリプション化」が企業向けにも拡大する
予測5 「遠隔医療」に対する需要がこれまで以上に高まる
予測6 「ホームエンターテイメント」はより没入感が高まる
予測7 「新しい形のコンピューティングデバイス」がZ世代の需要を牽引する
予測8 「セキュリティとプライバシー保護」に終わりはない


予測1 「ワーク・フロム・ホーム文化」がコラボレーションとオフィスを変える
在宅勤務が一般化したことで、オフィスの位置づけは、日常的な仕事の場から、必要な時だけ必要な人が集まる場、へ変わるでしょう。人数分の机や従来型の会議室・共用設備がある空間から、個々のプロジェクトの進捗に合わせてメンバーのコラボレーションを様々な形で支援する、ビジネスセンターに姿を変えます。言い換えれば、自宅(あるいはモバイル環境)と生まれ変わったオフィスとが形作る「ハイブリッド」な環境の中で、仕事が進むようになるのです。このハイブリッドな執務環境を支えるために、さまざまな用途に適合でき、持ち運びもしやすい仕事環境が必要になります。また、照明や空調もインテリジェンス化を遂げねばなりません。

結果として、企業は従来に増して従業員に最適なテクノロジーツールとITサポートを提供しなければならなくなります。しかし、2020年時点の実態は、自身が使用しているモバイルやデスクトップPCが新たなワークスタイルに適していると感じている従業員は、レノボの調査ではわずか30%です。 「ワーク・フロム・ホーム」に加え、従業員が仕事をしている場所がどこであっても最適なコラボレーションを実現し生産性を高める「ワーク・フロム・エニウェア」実現のために、企業は単にITインフラへの投資額を増やすだけでなく、テクノロジー導入に関する決定権を従業員にあたえることも必要になります。

一方、テクノロジー企業は、コラボレーションの進化のためにカメラやオーディオあるいは人間工学的デザインといった分野で新しい技術の開発を迫られます。詳細は、文末の補足をご覧ください。

予測2 「コネクティビティ」を高める技術が発達する
昨年レノボは、2020年は5Gの年になると予測しました。しかしパンデミックの影響で、5Gのグローバル展開は遅れてしまいました。一方、コネクティビティはあらゆる人にとってより重要なものになりました。

スマートフォンのような常時オン・常時接続技術のPCへの搭載が進み、Wi-Fi以外のワイヤレス接続手段としての5G技術が発達するとともに、家庭内の通信機器数増加をカバーするWi-Fi 6やWi-Fi 6Eが普及するでしょう。ただし、広域網としての5Gインフラとカバレッジ範囲の拡大には、まだ時間を要するでしょう。

スマートホームアシスタントは、価格の低下と家庭外での利用が進むでしょう。また、「ワーク・フロム・エニウェア」を実現するために、ネットワークのハードウェアとサービスを一体化した「サービスとしてのネットワーク」(Network as a Service)が登場するでしょう。

ローカル5Gネットワークの採用が特に製造業向けに広がり、Wi-Fiに代わるインフラとなるでしょう。また、すべてのものがネットワークに接続されていくにつれ、AIと機械学習による機器の自律的制御が将来的に発達するでしょう。

予測3 「教育のデジタル化」がコロナ禍で加速する
昨年のレノボの予測では、現地にいかなくても「没入的」な体験が可能になる拡張現実/仮想現実(AR/VR)の普及が教育分野で進むとしました。しかしパンデミックが、生徒、教師、保護者、教育関係者を一夜にして世界規模での遠隔教育実証実験という未知の世界へ放り込みました。必然的に、教育とテクノロジーの融合が進化するでしょう。

2021年には、学習のパーソナライズ、プロジェクトベースの教育、評価方式、生徒指導、バーチャル教室、コラボレーションといった分野でデジタル化が進むでしょう。一方将来的に、音声とコンピュータ画像による生徒一人一人にカスタマイズした教育、センサー技術と位置検知技術による遠隔教育が登場するでしょう。また、こうした教育のデジタル化は教育分野でのeスポーツを普及させ、さらにはSTEAM学習への生徒の意欲促進に寄与するでしょう。

予測4 「サブスクリプション化」が企業向けにも拡大する
2021年には、「あらゆるもののサービス化」(Everything as a Service)が進み、企業向け、業務用にもサブスクリプション文化が普及するでしょう。企業はテクノロジーツールやITサービスを手ごろな価格で利用できるように、そしてIT予算・スタッフを柔軟に運用できるようになり、ひいてはより戦略的にITを活用できるようになるでしょう。また、あらゆるものがサブスクリプション化、サービス化するにつれ、先端的なITの導入が容易に、かつ短期間で可能になるでしょう。

予測5 「遠隔医療」に対する需要がこれまで以上に高まる
コロナ禍は、感染拡大の抑制と、患者の医療へのアクセス確保という二つの観点から、遠隔医療テクノロジーの進化を迫っています。バーチャル介護の需要が増加し、AIや5Gを活用して高度化するでしょう。また、将来的には細胞組織の作製・転写やパーソナライズされたがん患者治療を中心としたナノテクノロジーの発展も見込まれます。

予測6:「ホームエンターテイメント」はより没入感が高まる
コロナ禍はまた、感染拡大を防止するために消費者が自宅で過ごす時間を増やします。必然的に、消費者はホームエンターテインメントにさらなる没入感を求めるようになるでしょう。そのために、ディスプレイ、オーディオ、バッテリー寿命の最適化が、AIと機械学習により自動的に行われるようになるでしょう。

また、離れた場所にいる人々との社会的つながりを維持する手段として、ゲームは2021年も盛況が続くでしょう。高性能ゲーム機に対する需要が依然高かったため、2020年にはクラウドゲームは予想したほどの発展が見られませんでした。しかし、選択肢が増えたこともあり、消費者にとってネットワーク技術とプラットフォーム選択の改善が見込まれる2021年には、クラウドゲームは成長する可能性があります。

予測7 「新しい形のコンピューティングデバイス」がZ世代の需要を牽引する 
2020年はPCとスマートフォンに画面折りたたみ技術が導入され、持ち運びやすさと使いやすさのバランスに新たな提案が出現しました。今後数年のうちに、より低価格でより良い選択肢を提供するパネルサプライヤが増加し、こうした折りたたみデバイスが主流となるでしょう。さらに、この折りたたみ技術は複数の人が同時に視聴できる、折りたたんだり丸めたりできる大型モニターへと広がる可能性があるでしょう。そして将来的には、これらのディスプレイ技術がスマートウォッチや衣服、玩具にも採用される可能性があります。その一方、リモートでの機械保守やトレーニングに汎用的に適用できる、AR対応のスマートグラスも法人向けに登場してくるでしょう。

デジタル技術に精通したZ世代は、今までのPCのデザイン形状にこだわりがありません。テクノロジーに精通した次世代の消費者にとっては、デュアルスクリーン、折りたたみという形状の多様化、さらにはオンスクリーンキーボード入力や音声合成ツールのような新たな選択肢が魅力的に映るでしょう。

予測8 「セキュリティとプライバシー保護」に終わりはない
昨年度の予測でレノボは、リモートワークに柔軟に対応するために、データのサニタイズや認証管理の観点からセキュリティに対するアプローチを見直す必要があるとしました。コロナ禍により、こうした取組みは急速に進展しています。

「ワーク・フロム・ホーム」が当たり前になり、企業ネットワークの境界線は今やクラウドやリモート接続されたあらゆるデバイスに拡大しています。スマートホームデバイスでさえ、企業ネットワークにリスクをもたらすおそれがあります。新しい生活様式におけるリモートアクセスやクラウドインフラは、企業にセキュリティの見直しを迫ります。

一方で、個人用と業務用の機器の線引きがますます曖昧になるにつれ、消費者や在宅勤務を行う従業員が抱くプライバシー保護への要求は、今後も高まり続けるでしょう。

補足: 「ワーク・フロム・エニウェア」を実現するために求められる新たな要素技術
1.     カメラ
あらゆる業務用デバイス、特にPCで、コラボレーションする相手にバーチャル化した自分を表示させるために画像を制御・多重化する技術

2.     オーディオ
リアルタイムで会話を文章化、翻訳し、さらには話し手の自動的な特定やニュアンスを伝えらえる、AIによる自然言語処理(NLP)エンジン

3.     コラボレーション
マルチレンズでの画質向上とノイズ抑制を実現するAI技術。また、デジタル画像ボードや画像記録など、非同期のコラボレーション技術

4.     人間工学的(エルゴノミクス)デザイン
特にPCとモニターなどの周辺機器に採用される、長時間利用しても疲れを感じさせないハードウェアの形態

5.     ディスプレイ
大型なのに持ち運びが容易で、高解像度、ブルーライト低減を実現する技術

6.     ITサポート
従業員が分散する環境下で、セルフサービス化、機械学習による予測的なサポート、ゼロタッチプロビジョニング(ZTP)等を実現するSaaS(サービスとしてのソフトウェア)

7.     IoT
記章やスマートフォンに内蔵されるタッチレス入室システムや、職場内の温度や人の移動を感知し安全性と快適性を高めるソリューション

8.     マルチクラウドアプリケーション
単一のインターフェースからアプリケーションとシステムの状況を把握できる技術の発達

9.     3D印刷用モデリングの簡易化

レノボについて
Lenovo(HKSE:992/ADR:LNVGY)は、Fortune Global 500に含まれる売上高500億米ドルの企業であり、世界中の180の拠点で63,000人以上の従業員と共に、スマートデバイス、インフラシステムなどにより最高のユーザーエクスペリエンスを提供し、Intelligent Transformationを実現させるビジョンを持ちます。レノボは非常に広範なコネクテッドデバイス製品を製造する企業で、スマートフォン(モトローラ)、タブレット、PC(ThinkPad、Yoga、Lenovo Legionなど)ワークステーションおよびAR/VRデバイス、スマートホーム/オフィス製品などを提供しています。レノボはまた、今後社会やビジネスが相互につながり変革してゆくために必要とされるコンピューティングのパワーとキャパシティを次世代のデーターセンターソリューション(ThinkSystem、ThinkAgile)によって提供します。レノボはすべての人の優れた力を呼び起こし、誰もが発展するよりスマートな未来を創ることを目指しています。
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会社概要

レノボ・ジャパン合同会社

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URL
https://www.lenovo.com/jp/ja/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区外神田 秋葉原UDX 北ウイング10階
電話番号
0120-030-984
代表者名
檜山太郎
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2005年05月