Z世代が本物の結婚式を仕掛ける！

学生発のブライダル会社「TOITAウエディングカンパニー」誕生から1年で7組の挙式を実現

戸板女子短期大学

2025年9月9日 10時00分

戸板女子短期大学（東京都港区）は、服飾芸術科の学生有志によって立ち上げられたブライダル会社「TOITAウエディングカンパニー」が、設立からわずか1年で7組の結婚式を成功裏にプロデュースしたことを発表しました。

結婚式の数が年々減少し「ナシ婚」も増える中、Z世代の学生たちが自ら起業し、社会に一石を投じました。彼女たちが提供するのは“格安なのに本物”。コロナ禍や経済的な事情で式を諦めざるを得なかったカップルに、心からの祝福と記憶に残る一日を贈っています。

「学生が会社を作って、本当に結婚式を挙げている」この事実そのものが、従来の常識を揺さぶっています。

https://www.toita.ac.jp/toitapicks/news_category/62117/

■学生が社会を動かす ― 戸板女子短期大学の挑戦文化

同校は全国に約300校ある短期大学の中で5番目に志願者を集めています。人気の背景には、学生の「持っている力を引き出す」教育スタイルがあり、知識の習得にとどまらず「リアルな挑戦の場」が用意されています。

その象徴が「TOITAプロジェクト演習（PBL）」。年間30本以上のプロジェクトが同時並行で進み、社会や企業のリアル課題を解決。学生のアイデアが実際に採用され、ビジネスの現場で実装されることも珍しくありません。

「TOITAウエディングカンパニー」は、まさにその文化から誕生したプロジェクト。学生が自ら課題を見つけ出し、大学に直談判して立ち上がった“本物の会社”です。

■学生が面接で選ばれ、ウェディングをプロデュース

現在の所属メンバーは約30名。参加希望者は毎年「面接選抜」を受け、熱意と覚悟を示した学生だけが仲間入りできます。採用面接を担当するのは上級生。志望動機ややりたいことを問う姿は、まさに企業そのもの。

メンバーとなった学生は、新郎新婦との打ち合わせから当日の進行管理まで、プロのウエディングプランナーと同等の責任を担います。机上の学びではなく「命を預かる本物の現場」で挑戦する彼女たちの姿は、教育の枠を越えた社会的実験とも言えます。

■指導教員・安東徳子氏のコメント

長年ウエディング業界で活躍し、教授として学生を指導する安東徳子氏は語ります。

「結婚式をやり遂げた学生は、涙するほど達成感に満ちています。私は起業家としての経験を活かし、学生に特別なレクチャーを行っています。ここで得た経験は、卒業後どの分野でも即戦力として活躍できる財産になるでしょう。」

■Z世代が変える“結婚式の未来”

結婚式は「高価で特別なもの」という常識を、学生たちが覆しています。

「自分たちの力で誰かの人生の節目を祝う」

その経験は、当人だけでなく社会に衝撃を与え、新しい価値観を提示しています。

戸板女子短期大学発の「TOITAウエディングカンパニー」は、単なる学生活動を超えた、社会変革のムーブメントとなりつつあります。

■TOITA PBL（戸板プロジェクト演習）とは

戸板女子短期大学の「TOITAプロジェクト演習」は、年間30を超える企業と連携し、学生がリアルなビジネス課題に挑む実践型の教育プログラムです。カッパ寿司とのスイーツ開発や、日東紅茶の新パッケージ提案、空き物件を活用したテイクアウトスイーツ店舗の立ち上げなど、学生たちは企業の現場で「考え、提案し、実行する」体験を積み重ねています。

授業は専任教員に加え、現役ビジネスパーソンも講師として参画。Z世代ならではの感性やSNS世代の発信力が、企業にとっても新たな価値創出の源となっています。学生は単なる“学習者”ではなく、“共創者”として企業と社会に関わる実践の場がここにはあります。

この取り組みは、教育とビジネスの境界を越え、地域や社会を巻き込みながら、未来を切り拓くモデルケースです。企業にとっても若者の生の声に耳を傾け、新たなブランド戦略や商品開発の起点を見出す貴重な機会となっています。

https://www.toita.ac.jp/toitapicks/pbl/