海と宇宙の連携による海上安全の向上に向けて 「衛星VDESコンソーシアム」設立のお知らせ
本コンソーシアムの総会では、規約の承認や役員の選出が行われ、正式な発足と活動の開始が宣言されました。なお、代表幹事は志佐陽氏(株式会社IHI)、副代表幹事は佐野義浩氏(商船三井テクノトレード株式会社)と荻野市也氏(古野電気株式会社)、事務局は公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所が務めることとなりました。また、本コンソーシアムのアドバイザーとして関連分野の有識者の方々からご助言をいただけることになりました(表)。今後は衛星VDES普及を通した海洋DX(Digital Transformation)の推進に向け、本コンソーシアムの会員受付を11月から開始いたします。本コンソーシアムの詳細については以下連絡先までお問い合わせください。
写真 衛星VDESコンソーシアム設立準備会合 (2022年9月15日)
表 衛星VDESコンソーシアム アドバイザー(敬称略、五十音順、*は就任予定)
氏名 | 所属・役職 |
加藤 光一 | 一般財団法人 日本船舶技術研究協会・専務理事 |
佐藤 徹* | 東京大学大学院新領域創成科学研究科 海洋技術環境学専攻・教授 |
柴崎 亮介* | 東京大学 空間情報科学研究センター・教授 |
庄司 るり | 東京海洋大学・理事 副学長 教授 |
角南 篤 | 政策研究大学院大学・学長特別補佐 客員教授 |
中須賀 真一 | 東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻・教授 |
【衛星VDESとは】
陸上に比して海洋におけるデジタル化の遅れが危惧されるなか、海上安全の向上にむけたデジタル通信網整備の必要性が高まっています。VDES(VHF Data Exchange System)は、自船の位置などを通報する装置としてすでに船舶運航や海上交通管理に利用するため普及が進んでいるAIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)を拡張し、船舶・海洋を対象として双方向通信によりネットワークを構築することを目的としたシステムです(図)。AISに比べて最大32倍の通信レートを有することから、次世代AISと形容されることもあります。さらに衛星を利用することで、全地球規模の船舶の安全・安心並びに洋上業務をリアルタイムに連携することが可能になると考えられ、多数の衛星を協調させて運用する衛星コンステレーション構築に向けた国際的な取り組みが進められています。
【衛星VDESコンソーシアムの活動について】
衛星VDESの利用促進を行うため、様々な分野の産学官が連携してビジネス化のためのプラットフォーム構築を行うことを目的としています。なお、この活動を通じて、海洋国家である我が国のプレゼンス強化・海洋DX化に貢献できることが期待されています。主な検討項目・活動内容として、ユースケースやビジネスモデル検討、地上VDES通信実験、実衛星利用サービス開発などを予定しています。
図 衛星VDESに期待されるユースケース イメージ図<参考資料1>衛星VDESコンソーシアム構成機関リスト |
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所(https://www.spf.org/opri/) OPRIは、わが国や世界が直面している海洋課題に総合的かつ計画的に対応するため、海洋政策の研究、政策提言、情報発信等を行うシンクタンクです。取り組みの一つとして、海洋デジタル社会の構築を目指し、海洋状況把握や海上安全向上のための観測プラットフォーム共有や衛星通信の普及について調査研究を行っています。 株式会社IHI(https://www.ihi.co.jp/) IHIは総合重工業グループとして、自然と技術が調和する社会を創るため、「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力でお客さまの課題解決に取組むと共に、衛星情報やデータを活用した宇宙利用事業に取り組んでいきます。 商船三井テクノトレード株式会社(https://www.motech.co.jp/) 当社は商船三井グループの中の技術商社機能を有する会社として、主に省エネ装置であるPBCFの販売、燃料、潤滑油、船舶部品、資材などの調達を始め、国家石油基地の管理維持等、幅広く事業を展開しています。環境保全・海上安全に貢献し、海事ビジネスを展開してゆくNo.1海事技術商社をめざしています。 古野電気株式会社(https://www.furuno.co.jp/) 当社はセンシング技術、情報処理技術をコアに、舶用電子機器をはじめヘルスケアや通信・防災・監視ソリューションなど産業用電子機器の製造販売を主たる事業としています。「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を事業ビジョンに、今後もお客さまや社会に貢献してまいります。 株式会社アークエッジ・スペース(https://arkedgespace.com/) 当社は、超小型の人工衛星コンステレーションシステムの設計、開発、運用を通じて、衛星の開発利用による恩恵をあらゆる人々へ届けることをミッションとしています。当社のVDES衛星の早期の軌道上実証の実現を通じて、今後の船舶識別や安全航行、海洋デジタル化に向けた基盤インフラの確立に貢献してまいります。 株式会社東洋信号通信社(https://www.toyoshingo.co.jp/) 当社は、船舶動静や港湾に関する様々な情報を、海上輸送、港湾運用/工事等に携わる官庁・企業様に提供しています。また、全国港湾のポートラジオ運営、港湾湾管理関連業務を通じて、船舶と港湾の安全、円滑な運用に貢献し、デジタルトランスフォーメーション時代に対応してまいります。 日本無線株式会社(https://www.jrc.co.jp/) 日本無線株式会社は、100年以上にわたり世界の海の安全・安心に寄与する航海機器を提供してきました。昨今では海のDX化として船陸連携による船舶自動航行システムの実現や海洋ソリューションサービスなど「海をまるごとデジタル化して、海に関わる全ての人たちを幸せにする」取り組みを積極的に進めています。 三井物産株式会社(https://www.mitsui.com/jp/ja/) 三井物産は、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進等の各事業を展開しています。2018年に宇宙事業に再参入し、現在は、衛星放出・打上事業、宇宙ステーション利活用事業、地上局事業などを行っています。 |
<参考資料2>衛星VDESコンソ概要資料 |
衛星VDESコンソ概要資料は下記のリンクからPDFをダウンロードし、ご確認いただけます。 https://www.spf.org/global-data/SatelliteVDES_consortium_20221020_J.pdf |
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