九州レインボープライド10周年【多様性でつなぐ未来への架け橋】

開催日：2024年11月2日（土）・3日（日） 10:00〜17:00

NPO法人カラフルチェンジラボ

2024年10月17日 12時31分

九州レインボープライド実行委員会（福岡市中央区、代表：三浦暢久）は、このたび10周年の節目を迎える【九州レインボープライド2024】を、2024年11月2日（土）・3日（日）の2日間にわたり開催いたします。

九州レインボープライド（以下、QRP）は、初回から10年を迎えるまでに多くの変化を経験してきました。イベントを始めた当時、LGBTという言葉はまだ社会に浸透しておらず、多くの人々にとって馴染みのないものでした。そのため、批判的な意見を受けることもありましたし、その度に悔しさで拳を震わせ、言葉が詰まることもありました。

2015年の初年度は、何もかもが手探り状態で、とにかくがむしゃらに進むしかなかったのを覚えています。悔しい思いもありましたが、立ち止まる時間もなく、とにかく前に進むことだけを考えていました。それでもその努力が少しずつ実を結び、味方や仲間が増え、無事に初年度を迎えることができました。

その後、2018年には、福岡市でパートナーシップ制度が誕生し、2022年には福岡県でも導入され、社会全体が大きく変化してきました。企業や教育機関のLGBTQ+への理解も広がり、私たちの活動はより多くの人々に受け入れられるようになりました。しかし、当事者の多くはまだその変化を実感できていないのが現実です。苦しんでいる人々が少しでも「変わった」と感じられるようになるために、次の10年も取り組んでいく必要があると感じています。

代表の思いと未来へのビジョン

2015年に始まった九州レインボープライドですが、私自身はイベントをしたことのない素人で、右も左もわからないまま走り抜けた初年度でした。気がつけばイベントは終了し、エンディングを迎えていました。あの時、来場者の皆様の温かい心に触れ、感動と熱い思いが溢れて涙したことを、今でも忘れられません。あれから10年間、「誰もが自分らしく」いられる空間づくりを目指し、多くの方々の協力と応援により、学びと成長をさせていただけたと実感しています。

世間的にもLGBTQ+のことが認知されるようになってきましたが、多くの課題があることに変わりはありません。これからの10年がより大きな一歩となるように、そして九州レインボープライドの会場が、誰もが「自分らしく」いられる空間であることを大切にしてイベントを開催することが重要だと感じています。

気がつけば私は、この活動に全力で取り組んでいました。

最初は、パートナーとの将来を考えたときに、年を重ねた後に偏見と戦うことは難しいのではないかという思いがあり、個人的な感情も持ちながら活動を始めました。しかし、いつの間にか私の活動は「誰かのため」にシフトしていったように感じます。

今でもパートナーとの将来を守るために活動を続けていることに変わりはありませんが、この活動が「誰かの勇気に変わるかもしれない」「誰かの一歩を作っているのかもしれない」「誰かの幸せのきっかけになっているかもしれない」と考えると、心がとても温かくなり、むしろ私自身が勇気をもらっていると感じることも多いのです。

この10年間、多くの失敗を重ね、知らずに誰かを傷つけてしまったこともあり、たくさんの反省を繰り返してきました。QRPが何を変えられるのか、どれほどの影響を与えられるのかは正直なところ分かりません。しかし、それでも毎年、「QRPに来たことで勇気をもらいました」「ここに来ると幸せな気持ちになるんです」「今日は家族と一緒に来て、笑顔でカミングアウトできました」といった、多くの奇跡のような瞬間を目の当たりにしてきました。誰かの人生の中の1日にQRPがあって、ここで新しい1ページを刻んでくれることがとてもありがたく、光栄に思っています。その誰かの笑顔を見たくて続けてきたこの活動も、気がつけば10年が経っていたのだと心から実感しています。

私が一番苦しかった10代から20代後半の自分に伝えたいことがあります。

「この人生も悪くないよ。楽しいから大丈夫」と。

そんな風に思える場所を、これからもQRPで作り続けたいと強く願っています。私たちが次の10年でやりたいこと、それはたくさんの笑顔を生み出し、誰もが自分らしく生きられる社会を共に創ることです。