東京大学発フィジカルAI企業「株式会社commissure」、人の作業をロボット学習用データに変える「UMIデータ取得サービス」を提供開始
携帯型デバイスを現場へ持ち込み、映像・動作・グリッパー状態を同期。計測設計からデータ加工・品質評価まで一貫して支援

株式会社commissure(本社:東京都目黒区、代表取締役:溝橋正輝/堀江新、以下「commissure」)は、製造業やロボット開発企業を対象に、人が行う作業を携帯型のUMIデバイスで計測し、ロボット学習や導入検討に利用できるデータへ加工する「UMIデータ取得サービス」の提供を開始します。
支援範囲は、対象作業とデータ利用目的の整理、現場での計測、映像・動作・グリッパー状態の同期、欠損確認、データ加工、品質評価、分析レポートの作成です。ロボットを現場へ持ち込む前に人の作業を計測し、既存工程への影響を抑えながら、取得可能なデータとロボット実装に必要な条件を確認できます。
お問い合わせ:
https://commissure.co.jp/#section-form
■ 提供の背景
ロボットによる自動化を検討する企業では、機体やモデルを選ぶ前に、対象作業のどこをデータとして捉えるかを決める必要があります。作業者の視点、手先の軌跡、道具や対象物との位置関係、グリッパーの開閉といった情報がそろっていなければ、学習用データの取得方法や実装後の評価条件を定められません。
従来のテレオペレーションによるデータ取得は、ロボット本体、遠隔操作環境、現場への設置を先に用意する必要があります。UMI(Universal Manipulation Interface)は、カメラを備えた手持ち型グリッパーを使い、人の作業デモからデータを収集する研究フレームワークとして、Stanford University、Columbia University、Toyota Research Instituteの研究チームが2024年に発表しました。
commissureは、東京大学で培った触覚・身体情報学の研究知見と、企業のロボティクス導入支援で得た経験をもとに、UMIを使った計測を企業向けサービスとして提供します。対象工程の選定からデータの品質確認までを一つの支援範囲にまとめ、企業が次の実装判断へ進める状態をつくります。
■ サービスの特長
● 1.ロボットを設置する前の現場計測
携帯型のUMIデバイスを使い、作業者が普段行っている動作を現場で計測します。大型のロボットや遠隔操作設備を先に設置せず、作業環境、対象物、道具を含むデータを収集できます。またcommissureが開発する触覚センサを組み合わせることで、時間同期された接触状態も含めて学習データを収集することを可能にしています。

● 2.利用目的から逆算した計測設計
「データを取る」こと自体を目的にせず、対象工程、学習・分析の用途、成功条件、取得回数、作業条件のばらつきを事前に整理します。計測後に不足が判明するリスクを抑えるため、必要な映像、動作、グリッパー状態と追加センサーの要否を計測前に設計します。
● 3.同期済みデータと品質評価
取得した映像、位置・姿勢、グリッパー状態を時刻でそろえ、欠損、計測失敗、条件の偏りを確認します。顧客には計測計画、同期済みデータ、品質評価、分析レポートを納品し、ロボット実装へ進むために不足する条件を示します。
● 4.挙動生成・制御・実装への接続
データ取得後の結果に応じて、学習データの追加加工、挙動生成、ロボット制御、実機検証、受入条件の設計まで個別に支援します。現場施工、安全対策、保守が必要な案件では、ロボットSIerや機器メーカーと役割を分けて進めます。
■ 支援の流れ
1. 対象工程の選定:つかむ、置く、差し込む、整列するといった候補から、データ利用目的と成功条件を確認。
2. 計測計画の作成:取得項目、作業条件、回数、現場動線、データの取り扱いを設定。
3. 現場でのデータ取得:UMIデバイスを用いた人の作業デモの収集。
4. 同期・加工・品質確認:取得データを時刻同期し、欠損と条件の偏りを確認。
5. 分析と次段階の判断:分析レポートをもとに、追加取得、モデル開発、ロボット実装のどこへ進むかを決定。
■ 対象となる企業・組織
- 製造業の生産技術・研究開発部門:既存工程のロボット化に向け、最初に取得すべき作業データを明らかにしたい企業
- ロボットSIer・機器メーカー:顧客現場のデータ取得と品質確認を、実装前の共通工程として組み込みたい企業
- 大学・研究機関のロボティクス研究チーム:実環境の作業データを収集し、学習手法やロボット構成の検証に利用したい組織
■ CTO 堀江新のコメント

「PhysicalAIの基盤モデルが高度化していく中で、教示データの品質や多様性がより重要になってきています。UMI形式のデバイスはテレオペレーションではデータ取得が難しい現場でも忠実度の高いデータを取得可能です。身体性や触覚の理解に基づく設計思想を反映し、現場に寄り添ったデータ取得実現していきます。」
■ 今後の展開
commissureは、本サービスで得た計測・品質評価の知見をもとに、作業別のデータ仕様、品質基準、再現手順を整備します。触覚情報の取得が必要な工程では触覚センサーを組み合わせ、データ取得からデータの品質評価・クレンジング・挙動生成・制御・ロボット実装まで支援範囲を広げます。
■ 会社概要
株式会社commissureは、東京大学で培われた触覚・身体情報学の研究を基盤に、ロボティクスとフィジカルAIの社会実装に取り組むスタートアップです。提供内容として、独自カリキュラムによる人材育成、要件に合わせた技術設計、現場での触覚データ取得、現場環境に合わせた実装まで、企業や研究機関の課題と段階に応じ、開発から導入まで幅広く支援しています。
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