2025年12月 関東地方の5G通信速度実測調査

株式会社 ICT総研

■ 全132地点の下り通信速度は、auがトップ。4社平均は122.7Mbps。

■ 「駅ホーム」と「駅以外」の5G受信地点比率は大差なし。

■ 全132地点のレイテンシは、楽天モバイルが3.7ミリ秒でトップ。

■ 下り 最速地点はラゾーナ川崎(312Mbps)、最遅は渋谷スクランブル交差点。

                

 株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は12月24日、関東地方の5G通信速度実測調査の結果をまとめた。7月から全国の各地方で実施した調査と同様の形式であり、今回は対象地域を関東地方とした。具体的には、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県である。対象事業者はNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社のMNO(移動体通信事業者)。

 測定端末は、スマートフォン Google Pixel 7a。速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の通信速度を3回ずつ実測し、併せてレイテンシ(遅延時間)も記録した。測定地点は、関東地方1都6県の駅ホーム、県庁・市庁、大学、空港その他のランドマークとなっている地点など全132地点。優先ネットワークは「5G優先」設定とした。調査日は2025年12月1日~19日である。朝夕のラッシュ時間帯を避けた「閑散時間帯」に調査した。

■ 全132地点の下り通信速度は、auがトップ。4社平均は122.7Mbps。

 調査の結果、関東地方 全132地点の下り通信速度は、auが151.5Mbpsでトップ。ソフトバンク 148.8Mbps、NTTドコモ 143.4Mbps、楽天モバイル 47.0Mbpsと続いた。4社平均の下り通信速度の平均は、122.7Mbpsである。4社平均の下り通信速度は、関西地方(139.9Mbps)と比べて遅い。大手3社の下り速度が僅差であるのは、関西地方と同様の傾向だ。
 下り通信速度を都県ごとに見ると、東京都、茨城県、栃木県、群馬県ではNTTドコモがトップ、神奈川県、埼玉県ではauがトップ、千葉県ではソフトバンクがトップであった。
 また、全132地点の上り通信速度はソフトバンクが31.7Mbpsでトップ。au 30.0Mbps、楽天モバイル 23.3Mbps、NTTドコモ 18.7Mbpsという結果であった。上り速度の事業者間の速度傾向は、他の地方と変わらない。           


■ 「駅ホーム」と「駅以外」の5G受信地点比率は大差なし。

 全132地点の5G受信地点比率は、4社平均で78.2%。これは、関西地方の75.5%を超えて、全国で最も高い数値である。これを「駅ホーム」(全59地点)と「駅以外」(全73地点)に分けて見ると、「駅ホーム」は4社平均77.5%、「駅以外」は78.8%。「駅以外」の方が若干高いが、大差はないことが分かる。
 5G受信地点比率は、「駅ホーム」、「駅以外」ともにauがトップであった。


■ 全132地点のレイテンシは、楽天モバイルが3.7ミリ秒でトップ。

 レイテンシ(遅延時間)は値が小さい方が利用にあたって快適だとされるが、全132地点のレイテンシ(遅延時間)は楽天モバイルが3.7ミリ秒で最短であった。NTTドコモ(16.2ミリ秒)、au(19.0ミリ秒)、ソフトバンク(21.0ミリ秒)と続いている。他の地方と同様に楽天モバイルの遅延時間の短さが目立っているが、3.7ミリ秒という数値は、他の地方と比べてもきわめて良好だ。
 全132地点のレイテンシの4社平均は、15.0ミリ秒。この平均値も、他の地方と比べて最も良好である。

■ 下り 最速地点はラゾーナ川崎(312Mbps)、最遅は渋谷スクランブル交差点。

 測定地点ごとに見ると、今回調査における下り通信速度の最速地点は神奈川県のラゾーナ川崎プラザであり、4社平均下り通信速度は312.6Mbpsであった。川口駅(300.6Mbps)、成田国際空港(292.9Mbps)、目黒駅(290.7Mbps)、メルカリスタジアム(282.7Mbps)と続いた。一方で、4社平均の下り速度が最も遅かったのは、渋谷スクランブル交差点(27.9Mbps)であった。他に40Mbpsを下回った地点は、横浜駅(32.8Mbps)、船橋駅(35.7Mbps)、南越谷駅(36.4Mbps)、さいたまスーパーアリーナ(39.2Mbps)、横浜市役所(39.5Mbps)である。関東地方は、4社平均下り速度が300Mbpsを超える地点数が関西地方よりも少ないが、40Mbpsを下回る地点も関西地方よりも少ない結果となった。
 ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。

 

* 朝夕のラッシュ時間帯(7:00~9:00、17:00~20:00)を避け、閑散時間帯に測定した。

* 通信速度が制限されない通信プランを選択している。

* auの「5G Fast Lane」は利用していない。

* 本資料における全ての文章、数値、表、データは、調査実施時点のものである。

* 通信速度は、同じ地点であっても、測定日時や天気、測定端末の向き・高さ、ネットワークの混雑状況

などにより、大きく変動するものであり、注意されたい。

* 本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等

に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

 

 

ICT総研ホームページ

https://ictr.co.jp/report/20251224.html

■株式会社ICT総研について

ICT総研は市場調査会社・シンクタンク出身者を中心に2011年に設立された独立系調査会社です。

主な事業内容:ICTおよびその他分野に関する市場調査、コンサルティング、出版

資本金:1000万円

代表者:代表取締役 齊藤 和

従業員数: 企画スタッフ・リサーチャー・アナリスト 合計20名(契約スタッフを含む)

URL https://ictr.co.jp/

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会社概要

株式会社 ICT総研

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業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区東日本橋2丁目-27-24 イクソン日本橋ビル
電話番号
03-6206-0941
代表者名
齊藤和
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2011年04月