-現役シニア建物・設備管理技術者の現場実態調査- シニア技術者の属人化(ブラックボックス化)の実態が明らかに 後継者・引き継ぎ体制「未定」63.8%、「引き継げない現場」が深刻に

マニュアルでは伝えにくい、現場に眠る暗黙知の継承も課題 ~マイスター60、「ビルメンテナンスフェアTOKYO 2026」に出展~

株式会社マイスター60

シニア人材サービスを展開する株式会社マイスター60(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山脇雅彦)は、2026年7月2日(木)・3日(金)に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される「ビルメンテナンスフェアTOKYO 2026」に出展します。

出展に合わせ、建物の維持管理に関わる業界で通算5年以上の経験を持ち、現在も現役で従事する全国のシニア技術者480名を対象に「現役シニア建物・設備管理技術者の現場実態調査」を実施しました。

ビル設備管理の現場では、電気・空調・給排水など高度かつ専門的な知識と経験が求められます。一方で担い手の高齢化が進み、次世代への技術継承が大きな課題となっています。本調査では、現場で働くシニア技術者の実態を明らかにすることで、業界が直面する構造的課題を把握することを目的としました。

 

実態調査の結果、現役シニア技術者の63.8%が「後継者・引き継ぎ体制が未定」と回答するなど、ビル設備管理の多くの現場では後継者不在や技術継承の難しさが課題として挙げられ、熟練技術の属人化・ブラックボックス化が進んでいる実態が明らかになりました。建物設備は、日常生活や企業活動を支える重要なインフラであり、その維持管理を担う人材の高齢化は、将来的な安全性や安定運用にも影響を及ぼす可能性があります。

<結果概要>

1.現役シニア技術者の6割超が職場の人手不足を実感、若手・中堅人材の確保・定着にも課題

2.シニア技術者の63.8%が「後継者・引き継ぎ体制未定」(現場21年以上層では70%)

3.後継者不在層の81.1%が「マニュアル化できない知識」を保有

4.「教える機会がない」シニアの6割が引き継ぐ価値ある知見を保有

5.市場価値を確信するシニアの36.2%が「年齢の壁」を経験

6.70歳以上の9割超が就労継続を希望、75〜79歳の54.1%は「80歳以上まで働きたい」 

7.業界に必要なことは「賃金・待遇の改善」が最多(22.5%)

1. 業界の人手不足「6割が実感」、若手の定着難も鮮明に

建物の維持管理業界では人手不足が深刻化しています。本調査でも、現役シニア技術者の6割超が現在の職場で人手不足を実感していると回答(「非常に感じる」29.2%+「やや感じる」34.6%)。若手(30代以下)の状況については、「若手は入るが、離職・異動が多い」(21.5%)、「若手はほとんど入ってこない」(21.5%)、「若手に限らず中堅層も不足している」(17.3%)など、人材の確保・定着に課題を抱える現場が75.2%を占めました。


2. シニア技術者の63.8%が「後継者・引き継ぎ体制未定」立ちはだかる技術継承の危機

自身が担っている主な業務の後継者・引き継ぎ体制について聞いたところ、「後継者・引き継ぎ先がいない」(26.5%)、「まだ考えていない」(19.4%)、「候補はいるが未確定」(17.9%)を合わせ、63.8%が後継者・引き継ぎ体制が決まっていない状態でした。「明確に決まっている」はわずか5.4%にとどまります。

 特に、同じ現場(建物・施設)を21年以上担当しているベテラン層(全体の36.3%)では、後継者・引き継ぎ体制が未定の層が69.5%に達しました。長く現場を支えてきた人ほど、その経験を引き継ぐ相手がいないという構造が浮き彫りになっています。


3. 後継者不在層の8割が「マニュアルだけでは伝えにくい知識」を保有

自身の経験・技術・現場知識について、「後輩・若手・後任者に引き継ぐ価値があるものがある」と答えたシニアは53.5%(「少しある」まで含めると76.0%)。また51.2%が「手順書やマニュアルだけでは伝えにくい知識・ノウハウ(暗黙知)がある」と回答しました。

注目すべきは、後継者がいないシニアの多くが、こうした知見を抱えていることです。後継者・引き継ぎ先がいない層(n=127)では、77.2%が「引き継ぐ価値ある知見」を、81.1%が「マニュアルだけでは伝えにくい知識(暗黙知)」を保有していました。文書にも残せず、引き継ぐ相手もいない。現場の暗黙知が、誰にも引き継がれないまま失われようとしています。

暗黙知の具体例として、現場からは次のような声が寄せられました。

「同じ手順で確認していても、いつもより振動が強い、音の高さが少し違うといった、経験者だから気づける変化がある」(52歳)

「設備機器の音や振動や熱などの具合で異常を見出すノウハウ」(75歳)

「機械や設備と向き合わないと、それぞれの癖が判断できない」(79歳)

「建物構造によって施工内容が変化するため、現場での経験則が必要。マニュアル通りには進められない」(56歳)

「相手はマンションの居住者。相手が人である限りマニュアルは存在しません」(55歳)


4. 「教える機会がない」シニアの6割は、引き継ぐ価値ある知見を保有している

技術や知識を伝える機会について、41.7%が「ほとんどない」「全くない」「教える相手・後任者がいない」と回答しました。そして、教える機会がないシニアの60.5%は、引き継ぐ価値ある知見を保有しています。

知見はある。しかし、教える機会と相手がない。本調査からは、シニア個人の意欲の問題ではなく、若手不足と引き継ぎ体制の不備という構造的な要因が、技術継承を阻んでいる実態が読み取れます。


5.自分の経験を必要とする現場があると考えるシニアでも36.2%が年齢の壁を経験

現在の勤務先以外にも自分の経験・資格・現場知識を必要としている現場があると思うか聞いたところ、52.9%が「あると思う」と回答しました。

一方、過去5年以内に年齢を理由に不利に扱われたと感じた経験を持つシニアは29.9%(「明確に断られた」4.0%、「示唆された」9.0%、「影響したと感じた」16.9%)となりました。

そして、「自分の経験を必要とする現場は他にもある」と考えるシニアの36.2%が、こうした年齢の壁を経験していることも分かりました。

自らの市場価値に自信を持つシニアでさえ、3人に1人が年齢を理由とした不利な扱いに直面している実態がうかがえます。

6. 70歳以上の3人に1人超が「80歳以上・上限なく」働きたい、75〜79歳では54.1%

就労意欲は年齢とともに衰えるどころか、むしろ高い水準にあります。70歳以上の現役技術者(n=214)の36.0%が「80歳以上まで」または「年齢の上限を決めず、体が動く限り働きたい」と回答し、3人に1人を超えるシニアが、働く年齢に天井を設けていません。とりわけ75〜79歳(n=74)でも54.1%が同様で、年齢を重ねた現役ほど、区切られることなく働き続けたいという意欲を持っています。

この高い就労意欲を現場で活かす鍵が、年齢や雇用形態に縛られない働き方です。派遣・嘱託・契約社員など雇用形態にこだわらず現場単位で経験や技術を活かす働き方について、全体の45.4%が「検討できる」と回答。年齢の壁を経験したシニアでは63.6%に跳ね上がり、働く場を求めて壁にぶつかった人ほど前向きでした。


7. 業界に必要なことは「賃金・待遇の改善」が最多

建物・設備に関わる技術職の技術継承・人材確保のために最も必要だと思うことを聞いたところ、「賃金・待遇の改善」(22.5%)が最多となり、「若手人材の採用強化」(12.7%)、「シニア技術者が教える機会の確保」(11.0%)、「若手・未経験者への教育体制の整備」(9.8%)が続きました。

業界へのメッセージとして、現場からは次のような声が寄せられています。

「ベテランと若手がペアで経験することで、技術継承できると思う」(59歳)

「仕事内容にもよるが、年齢だけで仕事を区切るのはやめてほしい」(74歳)

「後継者へ対してよりも、会社が後継者を作るための方針を明らかにして、方針に沿った体制作りを行ってほしい」(61歳)

(背景補足) 業界統計でも、専門技術者の確保が「難しい」とする企業は47.1%(全国ビルメンテナンス協会 第56回実態調査)、メンテナンス系正社員の人手不足は67.4%(帝国データバンク 2026年1月調査)にのぼります。経済産業省の資料では、新たな対策を講じない場合、2030年度時点で第2種・第3種電気主任技術者に需給ギャップが生じる可能性が示されており、電気保安人材の確保は継続的な課題となっています。


シニア技術者の経験を、現場横断で活かす仕組みへ

本調査からは、

(1)現場の6割超で後継者・引き継ぎ体制が未定、

(2)後継者不在の現場ほどマニュアル化できない暗黙知が眠っており、

(3)シニア自身は年齢の壁を越えて働き続ける意欲と自信を持っている、

という構造が明らかになりました。

 

当社が2026年3月・4月に発表した就業者・企業調査では、働き手の72.0%が週4日以下の勤務を希望する一方、企業の52.2%は短日数求人を出したことがなく、その最多理由は「そもそも検討したことがない」(30.7%)でした。シニアの意欲と企業の採用慣行のミスマッチを解消し、経験豊富なシニア技術者を現場単位で柔軟に活かす仕組みづくりが、業界の技術継承の危機を乗り越える現実的な解決策となる可能性があります。

マイスター60では、シニア人材の派遣・紹介を通じ、これまでに9,200人を超える高年齢求職者と企業のマッチングを実現してきました(スタッフ平均年齢68.5歳、70歳以上が49%)。ビルメンテナンスフェアTOKYO 2026では、設備管理・建物管理分野におけるシニア技術者活用の具体的なソリューションをご紹介します。当日は、設備管理・建物管理分野におけるシニア技術者活用の相談に加え、調査結果の詳細提供、シニア技術者の働き方に関するコメント提供、求職者・派遣先企業へのインタビュー調整にも対応します。

<調査概要>

現役シニア建物・設備管理技術者の現場実態調査 2026 

調査対象  全国の50〜79歳のシニア層のうち、建物の維持管理に関わる業界での通算経験が5年以上あり、現在も次の職種のいずれかに本業として従事している現役技術者:①建物管理・施設管理/②ビル設備管理(電気・空調・給排水・ボイラー等)/③電気工事・電気保安業務/④消防設備・防災設備の保守点検/⑤建設業(施工管理・現場監督)

有効回答数 480名(男性92%、女性8%/50代25%、60代30%、70代45%)

調査期間  2026年6月5日~2026年6月10日

調査方法  インターネットリサーチ

 

※構成比の数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とはならない場合があります。

※報道関係者におかれましては、本リリースを掲載・報道または引用する場合には、「マイスター60調べ」と付記のうえご使用くださいますようお願い申し上げます。


社長メッセージ

取締役社長 山脇 雅彦

「志」をつないで高年齢者に活躍の場を提供、社会に貢献します。

マイスター60は1990年の設立以来の経営理念をベースに、「年齢は背番号 人生に定年なし®」を共通の価値観として事業を展開、これまでに建設・施設管理をはじめとする技術部門を中心に9,200人を超える高年齢求職者と企業とのマッチング実績を積み上げてまいりました。

日本経済が長く続いたデフレ環境を脱却して再び成長期に入ろうという環境下、マイスター60は“社会インフラを支える技術サービス連邦を構築する”というマイスターグループのパーパスを共有して、これまでに蓄積した経験・ノウハウを活かして働く意欲のある高年齢者に寄り添いながら、働き甲斐のある職場をこれからも提供してまいります。

高年齢求職者と有為な人材を求める企業とを結び付けることは少子高齢化が進展する社会において非常に意義のある事業と認識しています。マイスター60自体が高いエンゲージメントを持った活力ある高齢者集団として、求職者様と企業様の様々なニーズにフレキシブルに対応して、建設・施設管理にとどまらず事務部門を含めた幅広い分野での雇用創出にチャレンジしていきます。これからも皆様の変わらぬご支援ご指導を宜しくお願い申し上げます。

マイスター60では設備管理者などのエンジニアをメインとしたシニア人材の派遣・紹介事業を展開しています

 ①設備管理技術職(ビル管理所長/ビル設備管理/電気主任技術者/消防設備点検など)

 ②建設技術職(建築工事施工管理(新築・改修)/建築設計/土木施工管理/土木設計など) 

 ③経営管理職(中小企業の次期社長候補・補佐/経営顧問/経理・人事・総務部長など)

 ④専門技術職(機械・電気設計/化学/IT/工場生産管理/品質管理など)

【会社概要】

会社名      株式会社マイスター60

代表       取締役会長 平野 茂夫

         取締役社長 山脇 雅彦

設立       1990年2月1日

所在地      〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2丁目5番5号 岩波書店一ツ橋ビル6F

資本金      1,000万円

社員数      370名(2026年3月31日時点)

電話番号(代表) 03-5657-6360

FAX番号     03-3453-1666

URL       https://www.mystar60.co.jp/

事業内容     人材派遣、職業紹介等の人材サービス

         [労働者派遣事業許可番号]派13-304122

         [有料職業紹介事業許可番号]13-ユ-303702

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株式会社マイスター60

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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区一ツ橋2丁目5番5号 岩波書店一ツ橋ビル6F
電話番号
03-5657-6360
代表者名
山脇 雅彦
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1990年02月