【イラストが上手くなるには?】練習方法や参考にしているものを167人にアンケート調査
イラストが上手くなる方法に関する意識調査
オンラインイラスト教室を運営する株式会社アタム(本社:東京都港区、代表取締役:宮澤惇、以下 アタムアカデミー)は、趣味や仕事でイラストを描いている167人を対象に「イラストが上手くなる方法」に関する意識調査を実施し、そのデータをランキング化しました。
「上手にイラストを描けるようになりたい」と考えている人は多いでしょう。しかし漫然とイラストを描いていても、上達のスピードは上がりません。効率良く上達するためには、どうしたらいいのでしょうか。
今回、オンラインイラスト教室を運営するアタムアカデミー( https://atam-academy.com/ )は、趣味や仕事でイラストを描いている167人にアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。
調査結果に対して、イラストレーターの榎本よしたか氏( https://yoshitakaworks.com )
からご考察いただいております。
【データの引用・転載についてお願い】
本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「アタムアカデミー」のURL( https://atam-academy.com/ )へのリンク設置をお願い致します。
【調査概要】
調査対象:趣味や仕事でイラストを描いている人
調査期間:2024年10月3日~18日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:167人(女性121人/男性46人)
回答者の年代:10代 2.4%/20代 25.7%/30代 43.1%/40代 19.2%/50代以上 9.6%
【調査結果サマリー】
・イラストが上手くなるために参考にしているもの1位は「参考書」
・イラストが上手くなるための練習方法は「模写」
・毎日イラストを描いている人が3割以上
・イラスト歴は「1年超5年以内」
・「イラスト上達のゴールはない」と感じている人が4割
イラストが上手くなるために参考にしているもの1位は「参考書」
趣味や仕事でイラストを描いている167人に「イラスト上達の参考にしているもの」を聞いたところ、1位は「参考書(31.1%)」、僅差の2位は「好きな作品(30.5%)」でした。
アナログな「参考書」がもっとも多かったのものの、動画サイトやネットを組み合わせている人も多数。「本を参考にしつつ、実際の手の動かし方はメイキング動画を見る」「本で基本を学びつつ、模写したいイラストはSNSで探す」といった使い方をしている人も多いようです。
<1位 参考書>
・イラストレーターさんが書かれた本やデッサン本(40代 女性)
・イラストの描き方に関する書籍を参考にしています(50代以上 男性)
イラストの描き方に関する本は、たくさん発行されています。人気イラストレーターや現役漫画家が書いたり監修したりしている本も多いため、購入して参考にしている人も多いとわかりました。
「デジタルイラストに特化した参考書」「人体の各パーツに特化した参考書」などもあります。体系的にまとまっていることが、本のメリットです。
<2位 好きな作品>
・好きなアーティストの作品(10代 女性)
・漫画や広告などで上手いと思ったものを真似て描いてみる(30代 男性)
・感性が伝わるアーティストの作品から学んでいます(40代 男性)
好きなイラストレーターの作品や、日常生活で目にして気に入ったイラストを参考にしている人も多数。気に入った作品を模写したりトレースしたりして、自分の力にしようとしているようです。
好きな作品を参考にすることで、好きな絵を描けるので、楽しみながら練習できると考えられます。
<3位 SNS>
・X等のSNSで、他アーティストのイラストを見る(20代 男性)
・Instagramで好きなイラストレーターをフォローしています(30代 女性)
・技法、概念なら解説系SNS(40代 男性)
イラストの勉強をしている人だけではなく、プロの漫画家やイラストレーターにもSNSを利用している人は多くいます。そのためSNSに投稿される作品や解説を参考にしている人も多くなりました。創作活動しているユーザーに特化したSNSもあります。
<4位 動画サイト>
・リアルタイム動画(20代 女性)
・動画サイトの添削系チャンネル全般(30代 女性)
・イラストや漫画講座の動画(50代以上 男性)
動画サイトでは、イラストの描き方や視聴者の作品を添削する動画などが多数投稿されています。イラスト系の人気YouTuberも多く、参考している人も多くなりました。動画であれば、イラスト制作の過程やツールの使い方が見られます。
<5位 ネット>
・「◯◯の描き方」を調べて出てきたサイト(20代 女性)
・ネットに技術的な情報があふれているので、たまに検索しています(30代 男性)
・イラストの描き方ブログやサイト。デッサンのコツに関するサイト(30代 女性)
イラストを描いている人のブログや「イラストの描き方」などのネット記事を参考にしている人も多くなっています。無料でも豊富な情報が手に入るのが、ネットのメリットです。
イラスト用ツールの公式サイトを参考にしている人も。「描くコツ」だけではなく、ツールの使い方などもネットで調べられます。
イラストが上手くなるための練習方法は「模写」
イラストの練習方法でもっとも多かったのは「模写(45.5%)」で全体の半数近くを占めました。2位「たくさん描く(26.9%)」が続きます。模写、デッサン、トレースなどやり方は違えど、実際に手を動かして上達を目指す人が多いとわかります。
初心者は比較的簡単なトレースからスタートして、模写やデッサンにステップアップするのもおすすめです。
<1位 模写>
・最初はアニメの模写(20代 女性)
・好みのイラストを模写(30代 女性)
・好きな作家さんの絵やイラストを模写しています(50代以上 男性)
模写とは、参考になるイラストや写真を見ながら真似をして描くことです。細部まで観察して描くことで、「作者の意図」や「法則」に気づくこともできます。
模写はイラスト上達の練習方法としてよく行われますが、模写した絵を無許可でSNSなどに投稿するのは著作権侵害にあたるので注意が必要です。
<2位 たくさん描く>
・落書きでもいいので、1日1枚は描いています(30代 男性)
・短時間、単純なイラストでもいいので、毎日絵を描く(40代 女性)
「期間が空くと画力が落ちてしまう」という理由で、頻繁に描く機会を設けている人も多くなっています。上手になるスピードに個人差はありますが、描く枚数や機会が多くなるほど上達するからでしょう。落書きなど簡単にでもいいので、毎日描くよう努力している人もいます。
<3位 デッサン>
・ひたすらデッサンをする(20代 女性)
・デッサンは基本だと思います。人物であれば手や立ち姿、全身をとにかく描きます(30代 女性)
デッサンとは、石膏像や人物・静物などの実物を見ながら、鉛筆などで絵を描くことです。デッサンすることで観察力が身につくとされ、基礎的な画力を身につけるための方法として絵画教室などでも行われています。
「イラストを描くうえでデッサンは必要なのか」と疑問を抱く人もいますが、デッサンを学ぶことでイラストや構図の不自然な部分に気づきやすくなります。
<4位 トレース>
・写真などの写し絵から始めている(20代 男性)
・プロのイラストを印刷して、何度もなぞって練習している(30代 女性)
・元の絵をトレースして描き、構造や見え方を何度も繰り返し学ぶ(40代 男性)
トレースとは、模写と違い、元のイラストをなぞって描くことです。トレースによって細部の書き方や構図を学んでいる人も多くなりました。模写同様に、トレースしたイラストをSNSに投稿すると著作権侵害になる可能性があるので注意しましょう。
<5位 クロッキー>
・ボールペンでクロッキーをして確実な線を早く引く練習をします。目に見えて画力が上がると思います(30代 女性)
・クロッキー。家族にポーズをとってもらい、最初は数分からだんだん短くして描く(50代 女性)
クロッキーは人などの被写体を短時間で描くことで、素早く的確に被写体を捉える訓練になります。素早く描くことから「速写」と言われることもあり、枚数を多く書く練習にもなります。
クロッキーを取り入れて、画力が上がったと感じている人もいました。
毎日イラストを描く人が3割以上
イラストを描く頻度を聞いたところ、最も多かった回答は「週1~2回(33.5%)」。ただ、毎日描いている人も3割以上いました。
「上達のために、たくさん描くようにしている」という声も多かったことから、意識して描く機会を増やしている人も多いと推測できます。
イラスト歴は「1年超5年以内」
イラスト歴で最も多かった回答は「1年超5年以内(29.8%)」でした。ただ、「40代でイラスト歴30年以上」「20代でイラスト歴15年」など、10年超の人も3割以上おり、幼少期や学生時代から長くイラストを続けている人も多いことがわかります。
一方で、40代や50代以上で「1年未満」という回答もみられることから、イラストが幅広い年齢層にとって始めやすいこともうかがえます。
イラストは身体的な負担が少なく、自宅で手軽に始められ、特別な準備も必要としないため、老若男女問わず始めやすく続けやすいと言えるでしょう。
「イラスト上達のゴールはない」と感じている人が4割
イラスト上達のゴールを聞いたところ、「ゴールはない(40.1%)」と回答した人が4割を超え、「趣味として」や「自身の成長を楽しむため」に描いている人が多いとわかりました。
一方で、収入を得ることや他者からの評価、本の出版を目指す人も。それぞれの目標に応じたモチベーションでイラストを描いていることが伺えます。
<1位 ゴールはない>
・日常のルーティンに近いので、ゴールはとくになし(20代 女性)
・趣味の範囲なので、ゴールの発想はありません(30代 男性)
・なし。多分一生満足しないと思う。描けば描くほどもっと上手くなりたいと思う(40代 女性)
「趣味なのでゴールを設けていない」という人が多く、一部「ずっと勉強が続くのでゴールはない」という意見もありました。
「好きでやっているから、上達したい気持ちに終わりはない」「何らかのゴールまでたどり着いても、向上心はなくならない」と考えている人も多いようです。
<2位 収入を得る>
・イラストの副業で稼ぐこと(20代 女性)
・仕事とは別で、趣味の作品でお金が稼げるようになること(30代 女性)
・イラストで収入を得られて、副業として定着すること(40代 男性)
イラストで収入を得られるようになりたいと考えている人も多いとわかります。本業にしたい人もいれば、副業やお小遣い稼ぎとして活用したい人もいて、求める収入の多さは人それぞれです。
またイラストそのものを売るのではなく、「技術を教えて稼ぎたい」「SNSでフォロワーを増やして収益化したい」「制作会社に勤めたい」という声もありました。イラストで稼ぐ方法もさまざまだとわかります。
<3位 満足できる作品の完成>
・自分で自分の絵を見て「スゴイ」と思うこと(20代 女性)
・安定して、自分のイメージにぴったりの表現・彩色ができるようになることです(30代 女性)
・自分の納得いく、最高のオリジナルキャラクターを仕上げること(50代以上 女性)
頭の中にあるイメージをイラストで表現できることを上達のゴールとしている人も。ただ「上達するほど新しい欲が出てくるので、ゴールは果てしなく遠い」というコメントもありました。
イラストを描くためのツールも進化しているので、「さらに上を目指したい」「もっと違う表現ができるかも」という気持ちになりやすいのでしょう。
<4位 評価される>
・もう少し描けるようになったら動画サイトなどに上げようと考えてはいるので、SNSで有名になるのがゴール(20代 男性)
・自分が描いた絵をSNSに投稿して、好きだと言ってくれる人が増えること(30代 女性)
・SNSでいいねをいっぱいもらう(40代 男性)
周囲の人やSNSで評価されることをゴールにしている人もいました。例えば友人や知人に褒められたり、SNSで「いいね」やフォロワー数を増やすことです。
イラストが評価されるには、画力が高いことはもちろん、活動ジャンルと作風がマッチしている必要もあります。
<5位 本の出版>
・現時点では曖昧ですが、漠然と作品集を出版できたらいいと思っている(20代 男性)
・コミケで本を出す(30代 男性)
・本を出版できたらゴールだと思っている(30代 女性)
SNSへの投稿でも作品を世に出すことは可能ですが、手に取れる形で残したいと考える人も。例えばコミケで、同人誌やグッズなどの形で販売することを目指す方法があります。
まとめ
イラストの練習方法としては、模写を挙げた人が多くなっています。好きな作風のイラストレーターや絵師を真似て、練習している人が多いのですね。
「イラスト教本」を参考にすることで、独学でも体系的にイラストの描き方を学べます。描くほど上手になるので、暇を見つけて毎日少しずつでも描くことが大切です。
ただ独学だと「ひとりで頑張っても、なかなか壁を越えられない」という問題も起こりがち。興味やレベルに合う指導を受けたい場合は、イラスト教室やパーソナルレッスンも検討してみるといいでしょう。
アタムアカデミーでは、イラストの練習方法や描き方のポイントが分からなくて悩んでいるイラスト初心者に向けて、絵を描く上で最初に取り組みたいことを紹介してます。ぜひ、ご参考ください。
◯参考URL イラスト初心者のための第一歩 はじめてのお絵描きのコツ
https://atam-academy.com/blog/41463/
▽榎本よしたか氏の考察
アンケート結果から、イラスト上達には「模写」や「参考書」を活用する人が多いことが分かりました。模写は細部の観察力を養い、作者の意図や構造を学ぶのに有効であり、特に初心者に適した練習法だと思います。一方、参考書の利用は独学でも体系的な学習を可能にし、デジタル技術や人体描写など特化した分野を深める利点があります。
また、動画サイトやSNSを組み合わせて多様な情報源を活用している傾向も見られ、現代ならではの学習スタイルが反映されていますね。
好みの絵柄を見つけたら徹底的に真似するのも上達への近道です。「真似ぶ」は「学ぶ」の語源ともいわれているように、模倣からも多くの学びが得られます。模倣で自分の個性が失われるのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、心配無用です。人の真似をして学んで学んで、それでも模倣できなかった部分こそがあなたの個性ですから。
イラストを描くのは楽しいことです。幾通りもある上達方法を試した先に描かれる自分の絵の成長を見るのは無上の喜びでしょう。向上心の高いアンケート結果を拝見して私も初心を思い出し、身が引き締まる思いがしました。
趣味でも仕事でも、飽きることなく長く続けられるのがイラストの良いところです。是非これからも楽しみながら、末永くイラスト制作を続けてください。向上心ある皆さんを心から応援しています。
■監修者紹介
イラストレーター・法廷画家・漫画家
榎本よしたか( https://yoshitakaworks.com )
大阪芸術大学卒。家具デザイナーを経て2002年フリーランスイラストレーターへ。
テレビ番組用イラストを中心に、児童向け書籍や企業広告用イラスト、報道用の法廷画などの制作を多数手掛ける。
【著作】
「トコノクボ~くじけない心の描き方~」マイナビ出版
https://www.amazon.co.jp/dp/B016LZWYV0/
Amazon「近代日本のエッセイ」部門 1位
https://yoshitakaworks.com/tokonokubo01/
【主な取引先】
TBSテレビ「THE TIME,」
TBSテレビ「ラヴィット!」
TBSテレビ「がっちりマンデー!!」
TBSテレビ「情報7daysニュースキャスター」
フジテレビ「めざましテレビ」
フジテレビ「めざまし8」
フジテレビ「世界の何だコレ!?ミステリー」
テレビ朝日「ももクロchanと!」
日本テレビ「人生が変わる1分間の深イイ話」
NHKEテレ「すくすく子育て」
ベネッセコーポレーション「チャレンジ5年生」
偕成社「小惑星探査機はやぶさ大図鑑」
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■アタムアカデミーについて
アタムアカデミーは、子供の創造性を育てるオンラインイラスト教室です。2020年5月よりオンラインのイラスト教室としてサービス提供開始し、2023年7月現在、小中学生を中心に日本全国から生徒が通う日本最大級のイラスト教室にまで成長しています。
サービスサイト:https://atam-academy.com/online/
■株式会社アタムについて
株式会社アタムは、「イラスト教育により子供の可能性を最大化する」をビジョンにオンラインイラスト教室を運営するスタートアップです。
所在地:東京都港区
代表者:代表取締役 宮澤惇
コーポレートサイト:https://atam-academy.com/
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