事業承継ファンド「Pride Fund」の1号案件　宮崎県の菓子製造販売「お菓子の昭栄堂」の株式を取得

J.フロントリテイリング株式会社

2025年3月3日 11時00分

Ｊ.フロントリテイリング株式会社（以下、JFR）、株式会社日本政策投資銀行（以下、DBJ）およびイグニション・ポイントベンチャーパートナーズ株式会社（以下、IGPVP）と共同で設立したPride Fund（Pride1号投資事業有限責任組合、以下、本ファンド）は、SPC（買収目的会社）を通じて、株式会社お菓子の昭栄堂（宮崎県都城市、以下、昭栄堂）へ出資を実行いたしました。本件は、本ファンドによる投資１号案件となります。

投資の経緯

JFRとDBJおよびIGPVPは、昨年3月に本ファンドを設立し、事業承継に課題を抱える国内企業のサーチを開始しました。具体的には、食文化を中心として、日本の地域に根差した事業を行う中小企業等を対象に、３社が持つネットワークを活用した情報収集、地元金融機関等からの仲介情報、当該企業からの直接の相談などから、本ファンドがサポートできる支援余地や実現できる成長性などを個別に精査してまいりました。

昭栄堂は、宮崎県都城市に本社を構える菓子製造販売会社で、1901年に創業されて以来、長い歴史を有しています。現在の代表取締役遠武憲明氏は2007年に家業を継ぎ、2014年に法人化、2018年以降、卸売り拡大に取り組むなど、年商を拡大されてきました。一方で、更なる事業拡大のためには、経営管理体制の強化、人財の拡充が不可欠であると感じておられ、企業の傘下での持続的な発展を模索されていました。

この度、双方で検討を重ねた結果、本ファンドのリソースを活用することで、昭栄堂の更なる成長を実現できると考え、同社の株式を取得いたしました。遠武憲明氏は、当面のあいだ、同社代表取締役を継続する予定です。

昭栄堂の概要

　昭栄堂は、1901年（明治34年）宮崎県都城市に和菓子店として創業、現在は和洋菓子を豊富に取り揃え、添加物が含まれていない素材を活かした素朴な味は、幅広くお客様に支持されています。近年卸売販売に注力をしており、代表商品の「九州純バタークッキー」、「菓心なごみ」シリーズは、スーパーマーケットや空港店舗などでも販売されています。

会社名：株式会社お菓子の昭栄堂

所在地：宮崎県都城市甲斐元町1街区28号

代表者：代表取締役　遠武憲明

設立日：2013年6月4日（創業1901年）

事業内容：菓子の製造・販売

URL　：https://shoeido-okashi.com/

本ファンドの支援の方向性

昭栄堂は、これまで営業活動や新商品の企画等への取り組みが充分でなかったため、本ファンドのリソースを活用し、下記の支援をしていくことを想定しています。

① JFRグループの全国の販路、幅広いネットワークを活かした売上拡大

② 既存商品のリブランディングによる新たな販売チャネル展開（ギフトセット、新パッケージデザインなど）

③ 現状の昭栄堂の良さを活かした新たな商品企画・開発（新・九州土産など）

④ 経営管理体制の強化、人材の拡充

本ファンドが支援をすることで、昭栄堂の商品が九州を代表とする銘菓としてより一層飛躍し、持続的な発展に繋げていくことを目指します。

本件出資の位置づけ

本件は、投資先企業が事業承継等を契機として、JFR及びIGPVPのネットワーク・ノウハウを活用した経営革新を実現することで、オープンイノベーションの推進を通じた地域経済の活性化や本邦企業の競争力強化に資することから、「特定投資業務（注1）」の一環である「DBJ スタートアップ・イノベーションファンド（注２）」を活用しております。

（注１）民間による成長資金の供給の促進並びに地域経済の活性化及び我が国企業の競争力の強化を図るため、国からの一部出資（産投出資）を活用して、成長資金を時限的・集中的に供給する業務です。

（注２）「特定投資業務」において、スタートアップの創出・育成、イノベーションエコシステムの構築等に向けた取り組みを推進するため設置した資金枠です。

■ Pride Fund（プライド・ファンド）について

投資対象：日本全国にある後継に課題・悩みを持つ地域中小企業

食や工芸をはじめ、地域の特色を活かし、地域に根差した事業を行う企業

注力領域：「食文化」を中心とした地域コンテンツ

運営規模：総額30億円程度

URL:https://pride-fund.com/

■ Ｊ.フロントリテイリングについて

社名：Ｊ．フロントリテイリング株式会社

設立：2007年9月3日

代表：代表執行役社長　小野圭一