ママ薬剤師の働き方、正社員とパートそれぞれの困りごと。正社員で働けるママ薬剤師の条件は?

パートで働くママ薬剤師の勤務日数・勤務時間の最多は週4日、1日6時間勤務

スマスタ

合同会社スマスタ(https://smast.co.jp/)が運営する薬剤師向け転職情報メディア<ハッピーファーマシスト>(https://smast.co.jp/happypharmacist/)は、ママ薬剤師(※)もしくは身近にママ薬剤師がいる薬剤師100人を対象としたアンケート調査を実施しました。

正社員とパートそれぞれの働き方に悩みがあり、正社員で働く場合には仕事と家庭との両立による苦労、パートで働く場合は給与の低さや知識不足・キャリアアップに悩みがちなことがわかりました。

給与・キャリアアップを選んで働く正社員、家庭を優先して働くパート。それぞれのママ薬剤師の悩みをお届けします。


※「ママ薬剤師」とは、0歳~小学校6年生の子どもがいる薬剤師の女性と定義

詳細URL:https://smast.co.jp/happypharmacist/mamapharmacist-work
■調査概要
  • 調査方法:インターネットによる調査
  • 調査対象:ママ薬剤師もしくは身近にママ薬剤師がいる薬剤師100人
  • 調査期間:2021年12月14日~12月17日
  • 調査エリア:全国

■調査結果サマリー
  • 正社員で働くママ薬剤師は59%
  • パートで働くママ薬剤師の勤務日数・勤務時間の最多は週4日、1日6時間勤務
  • ママ薬剤師が正社員で働くことができる理由の最多は「時短勤務ができること」が51%
  • ママ薬剤師が正社員として働いて困っていることの最多は「突発休が多くなる」が36%
  • ママ薬剤師がパートとして働いて困っていることの最多は「給与が低い」が43%

ママ薬剤師の雇用形態は?

およそ6割のママ薬剤師が、正社員として働いていました。
今回派遣社員として働くママ薬剤師は、0人という結果です。

■□パートで働くママ薬剤師の勤務日数・勤務時間は?

※複数回答可

週5日・週4日・週3日働くママ薬剤師の割合は、ほとんど同じくらいの結果です。
週1~2日だけ働くママ薬剤師は、ごく少数であることがありました。

それぞれの1日の勤務時間は以下の通りです。

1位 週4日 44%

その他の例
  • 週4日働いている。そのうち3日は5時間。うち1日は4時間で働いている。9時15分~14時30分もしくは13時15分の勤務体制である。
  • パートのママさんは、週4勤務で火曜と木曜は13時までの4時間勤務。他の2つの曜日は9時から16時までの6時間勤務の1時間休憩です。

2位 週5日 41%

その他の例
  • 週5日で、月曜日から水曜日と金曜日は9時から16時勤務で、木曜日は9時から13時で勤務していただいています。
  • 週5日で勤務していて、産休前と勤務日数は変わりはない。勤務時間は9時~16時もしくは17時と日によって異なる。

3位 週3日 40%

その他の例
  • 週3回で、1日6ー8時間勤務。1週間に20時間程度の勤務時間だったと思います。休みは曜日固定の方も多かったです。
  • 処方箋の集中率が一番高い時間帯にのみ出勤しているパート薬剤師さんがいます。

4位 週2日 14%

その他の例
  • 扶養の範囲に収まるように週2日、計10時間程度。

5位 週1日 2%


▼分析
薬剤師はパート時給が高く、夫の扶養を簡単に抜けてしまうため長時間働く人が多い傾向です。扶養内で働く場合には週1~3回の出勤に留めている結果となりました。

ママ薬剤師で正社員で働けている人はどんな人?

※複数回答可

ママ薬剤師が正社員として働ける要因として、時短勤務を挙げる方が多い結果となりました。
ほぼ同数挙げられたのは、両親の助けがあることです。

家から職場が近いことや、夫が協力的であることも、正社員を続けられる要素として回答されました。

1位 時短勤務ができる 51%  
  • 時短勤務で働くことができ、当直日直などの勤務がないため。
  • 時間短縮制度があり、定時は18時だが最大で16時までという時間に短縮して働ける。有休もあるので急な休みにも職場の協力を得て成り立っている。
  • 開局時間が20時までですが、時短で働いているため、17時に退勤することができるので働くことができています。

2位 両親が近くに住んでいる  50%
  • 時短制度を使ったり、子供が熱を出すなど急なお迎えが必要な時は自宅の近所に住んでいる助けてくれる両親がいる。
  • 実家が近くにあり、子供の急な病欠・学事イベントにも対応可能な人。とくに乳幼児はワンシーズンに一度以上の高頻度でほぼ必ず体調を崩すため、私の知る限りでは正社員で複数の子供がいるママ薬剤師は、全員実家の助けを借りていた。
  • 両親、または義理の両親の助けがあり、学校帰りの子供の面倒を見てもらえる。

3位 家から職場が近い  30%
  • 通勤時間が短い。子供が小さい場合は、通勤途中に保育所などがある。
  • 通勤時間が短い方が圧倒的に多いです。私も通勤時間が1時間以上かかっていたときは親の助けが必要でしたが、通勤時間15分の職場に転職してからは親の助けがなくても正社員として働けています。

4位 夫が協力的  26%
  • ママが正社員であることに対して、夫が理解してとても協力的である。
  • パートナーの育児参加が十分にある。具体的にはパートナーと本人の育児参加が半分ずつに見える。

5位 職場の理解がある 15%
  • 子どもが急病等で急に休みたいとき、他の人がカバーしやすい体制が整っている。
  • 人員の多い店舗に配属されているため、何かあった時にも休みをとりやすく、時間外の仕事は任されていない人。

6位 保育園・学童・託児所が利用できる 12%
  • 1歳などの低年齢から、保育園に入園させることができている人。

7位 残業がない 9%
  • 残業にならないよう周りのサポートがあるので、正社員で働けている。

8位 子供が大きい 6%
  • 子供がある程度大きくなり、手がはなれた時点で正社員に戻っている方が多いです。弊社には時短勤務制度がないため、子供に手がかかる年齢の子供を持っている方はパート勤務をしています。

その他 11%
  • 正社員で頑張っているママ薬剤師さんは、体力があり、パワフルな方が多い印象です。
  • 正社員で働くという意志を持っている人が多いと思いますが、そもそもパートの選択肢がない病院で働いている人は否が応でも正社員です。

▼分析
元々正社員であり、育休復帰からの時短勤務であれば無理なく正社員を続けやすいと言えます。勤務時間だけで考えれば、パート勤務と変わりません。

パートよりも休みが取りにくく残業も多くなりがちなため、両親や夫のサポートがあることも大切です。
そのような恵まれた環境にはなくとも、通勤時間が短い・休憩時間が長い・子どもが大きい状況なら、正社員として働くことができるという方も見えました。

急な休みに理解がある・残業がないなど、ママを助けてくれる職場環境の会社で働けるかどうかも大切です。

ママ薬剤師が正社員として働いて困っていることは?

※複数回答可

正社員で働くママ薬剤師の困りごととして、最も多く挙げられたのは「突発休が多くなること」です。

残業や急な出勤・休みが取りにくいことで、家族に負担がかかることで困っている方も多い結果となりました。

1位 突発休が多くなる 36%
  • 小学生になる前のお子さんをお持ちの方はお子さんの病気でしょっちゅう休んだり早退しなければいけなく、会社的にはOKの姿勢ですが、本人には負い目になってしまっているようでした。
  • 子供が病気を出すなど急なお休みや早退、遅刻が必要な時に職場の理解がなかったり、休みにくい雰囲気がある。急な病欠などへの対応のしづらさで、困っている様子でした。正社員だと遅らせての出勤などを申し出づらいようで、そもそも休む・遅刻するといった選択肢が存在していない様子でした。コロナ禍で高齢の両親に発熱した子供を預けるのは難しいようでした。

2位 残業や急な出勤がある 32%
  • 残業があると、保育園にお迎えに行く時間がぎりぎりになって、保育士の方にちょっと迷惑がられることがある。
  • 繁忙期は残業で帰宅時間が遅くなってしまう事。学童保育も19時以降は見てくれないはずなので困ってる方は数名いた。
  • 門前クリニックが終わり次第の閉店になるので、何時に終わるかわからない。人手が少ない日に呼び出しなどがあった場合、帰りにくい。

3位 子供の行事や休みに合わせて休みにくい 18%
  • 正社員だと雰囲気的に、休みをパートの薬剤師に譲らなければいけないことが多く、運動会や授業参観などの学校行事に行けないことが悩みでした。遠足や運動会は日にちが被ると、自分が勤務するしか選択肢はありません。
  • コロナや災害でも、子供は休みなのに薬剤師の勤務は休みにならないので、職場に行かなければいけない時は困る。

4位 土曜勤務がある 11%
  • 基本的にパートが平日限定なので、どうしても正社員が土曜日に出勤せざるを得ない。
  • 土日休みにできない店舗だと、週末に休みが取りにくいのはママとしては困っているのではないかと思います。

5位 異動がある 10%
  • 異動や残業など、家庭に影響を及ぼす内容で、転職を検討されることが多い印象です。
  • 社員になると1人薬剤師の店舗に配属になることがある。通勤時間が長くなる店舗に異動になることがある。

6位 家族に負担がかかる 9%
  • 休日当番などで、主人や保育園に子どもたちを預け仕事に行かなくてはならず、子どもたちに申し訳ない気持ちになることがあります。

7位 体力的な負担が大きい 6%
  • 勤務で多忙な中で子育てをするため、体力的に厳しいことで困っていると思います。

8位 緊急対応がある仕事ができない・大変 5%
  • かかりつけ薬剤師の電話24時間対応は基本的に無理。仕事が終わったらパパママ業に専念してもらいたいので、現場としてはかかりつけ薬剤師をお願いしにくい。この制度自体が問題。

その他 7%
  • 小学生の壁。小学生になると、宿直業務を行わないといけないという縛りがあり、大きなハードルとなっている。
  • 休憩時間に一旦家に帰ることができるものの、子どもを留守番させているのはやはり心配なようです。

▼分析
ママ薬剤師が正社員として働く上で困ることは、『休み・勤務時間』に関わることが多数でした。

子どもの急な体調不良に伴う突発休の発生で、周囲の薬剤師に迷惑をかけていると負担に思いがちです。理解のない職場では、突発休みが取りにくいことも。

残業や土曜勤務で家事の時間や家族とのコミュニケーションが減るなど、家庭への負担が大きくなることも悩みの1つとなっています。

パートではなく正社員として働くことで、暮らしの中で仕事の比重が増えてしまうために苦労しているようでした。

ママが正社員で働くということは、仕事と家庭のバランスの取り方が課題となるでしょう。

ママ薬剤師がパートとして働いて困っていることは?

※複数回答可

パートで働くママ薬剤師の、最大の困りごとは「給与が低い・昇給しない」ことでした。

正社員に比べて「知識・経験不足になりがち」であり、「キャリアアップ」できないことでも悩んでいるパートママ薬剤師が多い結果です。

1位 給与が低い・昇給しない 43%
  • ボーナスが少ない上に、子供の体調不良で休むとその月の給料が減ってしまう。
  • 扶養範囲内が無理な割に、給料が安くなりつつある。10年位前は時給2500円が基本だったが、現在は1900円が相場になっている。
  • 患者さんに対する責任は正社員もパートも変わらないのに、給与面ではボーナスがなかったりすることは困ると思います。

2位 知識・経験不足になりがち 37%
  • 自社ではパート薬剤師は研修やスキル試験の対象外なため、勉強の機会は個人の心がけ次第という感じで大変です。
  • 短時間勤務のため、実務経験値の不足は否めないと思います。形式的な対応しかできないので、これからの生き残りに不安を感じている方もいます。
  • 勉強会は夜が多いのでなかなか参加できないこと。今はコロナの影響でオンラインが多いので、参加できるようになって助かっているようです。

3位 キャリアアップできない 26%
  • 子供を優先しなければいけないため、昇進のチャンスがあったとしても本社へ上がることはできない。
  • すごくスキルがあっても、パートだとキャリアアップが難しいように感じます。

4位 他の人に負担をかけて申し訳なくなる 11%
  • 勤務時間が短いため、自分のやっていた業務を他の人に委ねなくてはならない場面も多く、申し訳ないと感じる。
  • 外来調剤が忙しい時間に上がりなので、申し訳なさそうに帰って行かれます。

5位 休みにくい・有休が少ない 9%
  • 子どもがいると急な休みが必要なのに、有給が少なくて困ります。

6位 社内の情報が入りにくい 7%
  • 職場にいない時間で起きたことを知らないままになってしまうため、自分から正社員の方に声をかけて教えてもらわないと、業務で困ることもあります。

7位 認定薬剤師やかかりつけ薬剤師になれない(なりにくい) 6%
  • 1週間に勤務時間が32時間以下の人は、かかりつけ薬剤師の算定要件に合わないので、やりたくてもできないです。

その他 6%
  • 対患者さん業務では予想外の問題が発生することもあり、就業時間までに解決できない場合、他の薬剤師に引き継ぐこととなる。結果お互い余計な時間を要し、患者さんからの信頼も失い、その後の決着が気になるというストレスを抱えたまま家庭に戻ることになる。
  • 時間内に要領よく、終わらせないといけないことが困る。自分が対応した患者さんの薬歴は自分で書かないといけないから任せることもできない。

▼分析
正社員に比べて給与が低いパート薬剤師ですが、仕事内容や仕事に対する責任の大きさは正社員と変わりません。
昇給やボーナスもなく、モチベーションが保ちにくいと言えます。

正社員よりは家庭の時間を取りやすい一方、知識や経験の不足・キャリアアップのしにくさがネックとなります。

オンラインでも勉強会に参加できる職場や、女性のキャリアアップへの道が開けている職場を選ぶといいでしょう。

■所感

アンケートの結果、正社員ママ薬剤師の多くが、時短勤務や両親の助けを得ることで家庭と仕事を両立させていることがわかりました。

しかし仕事が忙しい正社員ママ薬剤師は、急な休みで周囲に負担をかけがちなことや、残業や急な出勤で困ってる結果に。

一方、パートママ薬剤師は家庭との両立はしやすいですが、給与の低さに困っていました。

ママ薬剤師の働き方は今この瞬間だけではなく、将来のことを見据えて決めるのが大切と言えます。

正社員が続けられるかは、家庭環境や自身のキャパシティによっても変わります。

どのような人生設計・キャリアプランが良いか悩んだときには、転職サイトのキャリアコンサルタントに相談してみるのも良いでしょう。


記事タイトル:ママ薬剤師の働き方‐正社員とパートの違いと子供の年代別おすすめの働き方
記事URL:https://smast.co.jp/happypharmacist/mamapharmacist-work

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会社名: 合同会社スマスタ
所在地: 愛知県犬山市犬山北別祖97-5
代表:鈴木唯史
設立:2020年3月9日
事業内容:Webコンテンツ制作
URL:https://smast.co.jp/
電話:0568-50-2690
お問い合わせ先:info@smast.co.jp
 

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設立
2020年03月