HIRAC FUND、化学産業のデータプラットフォームを提供するCrowdChemに出資

マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社

2024年9月11日 11時00分

株式会社マネーフォワードのグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社が運営する「HIRAC FUND（ヒラクファンド）」は、化学産業にとって有用な情報を集約・活用・提供するデータプラットフォーム『CrowdChem Data Platform』を提供する株式会社CrowdChemに出資しました。

■出資の背景

日本における化学産業は製造業全体の1割強を占め、日本の経済・雇用の観点でも欠くことのできない産業※1-1です。また、グローバル競争環境の変化、グローバル需要の高まりを受け、グローバル市場獲得に向けてイノベーションの加速が必要です※1-2。しかし、化学産業は原料から最終製品までの製造工程で様々な異なる会社が介在することで、サプライチェーンが長い業界であり、その取引関係も複雑化しています。これによりメーカー間の情報共有や、情報収集がしにくい状況となり、研究開発や営業の成長を阻害する要因となっています。

今回出資したCrowdChemは化学産業を広く網羅するデータ＆AIプラットフォームを開発することで化学業界の変革を目指すスタートアップです。国内外の特許や製品カタログなどの情報を収集・集約したプラットフォーム『CrowdChem Data Platform』を提供し、機械学習・自然言語処理の技術と組み合わせ、原料選定や顧客探索、用途・ニーズの探索、競合分析、実験の非効率の解消を実現します。

HIRAC FUNDはCrowdChemが提供するサービスにおいて独自性があるだけでなく、経営陣を含めた化学バックグラウンドの高度なデータサイエンス人材が在籍していること、また日本の化学産業市場の成長性、エンタープライズからの引き合いの増加といった成長性に期待し、このたび出資をしました。

今後は、営業、採用、資金調達、広報など様々な領域で支援してまいります。

※1 経済産業省製造産業局素材産業課「化学産業の現状と課題」（2021年12月21日公開）より

・1-1　化学産業の事業所数は19,025（約10%）、従業者数は950,302人（約12％）、出荷額は45,551,624百万円（約14％）。

・1-2　化学産業における世界的な再編の中、日本企業の占める立ち位置は大きく変化。トップ層の売上高が飛躍的に拡大する中で、日本企業は、規模を追求する戦略から一線を画す方向へ。また、基礎化学品について、世界需要は順調に伸長する見込み。半導体（機能性化学品）についても、2030年には市場規模100兆円に達する見込み。

■株式会社CrowdChemについて

＜代表プロフィール＞

代表取締役　池端久貴

化学メーカーで営業、半導体装置メーカーでマーケティングの経験を経て、総合研究大学院でマテリアルズ・インフォマティクスを研究。その後、統計科学博士を取得し、旭化成株式会社でマテリアルズ・インフォマティクスや自然言語処理技術活用の推進に従事。2022年に株式会社CrowdChemを創業。

＜会社概要＞

会社名：株式会社CrowdChem

代表者：代表取締役　池端久貴

事業内容：ソフトウェアの開発、販売、サービスの提供、データ解析サービスの提供、コンサルティングサービスの提供

設立：2022年1月

本社：東京都品川区広町1-5-28　広町工場アパート302号室

URL：https://crowdchem.net/

■HIRAC FUNDの出資を受けてのコメント

株式会社CrowdChem　代表取締役　池端久貴氏

この度は、弊社へのご出資、心より感謝申し上げます。スタートアップとして大きく成長を続けるマネーフォワードグループのVCファンドであるHIRAC FUNDに評価いただけたこと、大変嬉しく思っております。

弊社のプロダクトは、世界に類を見ない技術を基盤としており、日本国内に留まらず、世界中での利用が期待されています。今回の資金は、私たちの重要な出発点となるもので、大変意義深いものです。これまで国内の大手企業と連携し、一定の評価を得ており、私たちの進む方向性が正しいことは確認できています。今後は、より多くの企業様にご利用いただけるよう、スケール可能な枠組みの構築、機能の追加、性能の強化にこの資金を活用して参ります。