報告書『日本製鉄 気候変動対策の検証 2026』を公表 事業拡大で増す排出責任に懸念

SteelWatch Stichting

日本製鉄 九州製鉄所 八幡地区(スティールウォッチ撮影)

(東京、2025年6月1日)国際気候NGOスティールウォッチは、6月1日、日本製鉄の気候変動対策実績を評価する報告書『日本製鉄 気候変動対策の検証2026』を公表した。報告書は、日本製鉄が急激にグローバル拡大を進める一方、それに見合う気候変動対策が不十分であることを明らかにした。

日本製鉄がUSスチールの買収を完了してから、すでに1年が経つ。この買収により、日本製鉄が削減すべき排出量は買収前に比べて3割以上増加した[1]。それにも関わらず、同社は排出削減効果が限定的であったり不確実性の高い技術に依存し、石炭高炉の維持・延命を続けている。

さらに、同社は他拠点での排出削減を割り当てることで、実際には石炭由来である鋼材を低排出な鋼材として販売する「GXスチール」の推進に重点を置き、低排出技術への転換の先送りしている。

「炭素回収・貯留(CCS)などは成功したとしても、排出削減効果は限られる。日本製鉄はこのような技術に投資を続け、移行を遅らせることで、影響を受ける地域社会の不安を増大させ、気候危機のリスクをより高めている。スティールウォッチは、『総合力世界No.1』を掲げる日本製鉄が、製品の品質だけでなく、脱炭素化や社会的責任の面でもナンバーワンを目指すことを強く期待する」と、スティールウォッチのキャンペーン担当で本報告書の主執筆者、石井三紀子は述べている。

「日本製鉄の発表した米国ゲーリー製鉄所における高炉改修は、増大した気候対策への責任と真っ向に反する決定だ。総額140億米ドルにものぼる投資計画の方向性を決める重大な時期において、私たちは日本製鉄による『世代に一度の大変革』 との約束を守るか否か注視し続ける」と、スティールウォッチのアジア担当、ロジャー・スミスは指摘している。

同団体は、今月23日に開催される定時株主総会を目前に、日本製鉄に対し以下のことを求めている。

  • 石炭依存を延命・拡大させる高炉改修および延命投資の停止

  • 国内外すべての高炉について明確な廃止時期の設定

  • 低排出鉄源の確保に向けた具体的な投資の実施

  • 研究開発および投資の重点を排出を限りなく抑えた技術へ移行

  • 国内外の事業全体にわたる整合性のある排出削減の構築

報告書『大いなる事業拡大には大いなる責任が伴う:日本製鉄 気候変動対策の検証2026 』全文へのリンク:https://steelwatch.org/wp-content/uploads/2026/05/260529_NS_CCA_JP.pdf 

以上


参考:

  1. スティールウォッチ『大いなる事業拡大には大いなる責任が伴う:日本製鉄 気候変動対策の検証2026 』https://steelwatch.org/wp-content/uploads/2026/05/260529_NS_CCA_JP.pdf 

  2. スティールウォッチ「日本製鉄、USスチール社の高炉改修は健康・気候への影響を長期化」https://steelwatch.org/press-releases/ns-garyworks-relining/?lang=ja

  3. スティールウォッチ「日本製鉄と水素:Super COURSE50 が気候危機に逆行する理由」https://steelwatch.org/reports/brief_ns_h2_jp/?lang=ja

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本社所在地
Fluwelen Burgwal 58, 2511 CJ Den Haag, The Netherlands
電話番号
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代表者名
キャロライン・アシュリー
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年06月