【全国初】3D都市データ制作技術を活かした防災VRコンテンツで実際の街並みを使った水害時の避難行動をシミュレーション

熊本県玉名市住民が防災VRを体験

株式会社 キャドセンター

株式会社キャドセンター(東京都港区/代表取締役:藤田 一郎、取締役社長:橋本 拓)は、同社の3D都市データ制作技術を活かし、熊本県玉名市の実際の街並みを使った水害時の避難シミュレーションを体験できる防災VRコンテンツを制作いたしました。玉名市は、大規模な水害に見舞われた歴史があり、本VRによりリアルに再現された街並みと臨場感のある水害のシーンを体験することで、災害を“自分の身に起こること”として考えてもらうこと(=自分ごと化)を目的としています。国土交通省によると、自治体によるこうした取り組みは全国でも初となります。

本防災VRコンテンツは、3D都市モデルの整備・活用・オープン化を推進する国土交通省の「Project PLATEAU(プラトー)」によるユースケース開発(3D避難シミュレーションVR制作事業)として実施されました。

2023年2月7日 には、玉名市の住民に向けた防災VR体験会を実施しました。体験会後のアンケートでは、85%の方が『実際に水害を体験しているような怖さを感じた』『VRゴーグルならではの没入感があった』『内水氾濫する街の様子がリアルで臨場感があった』と回答しており、地域住民の防災意識向上に寄与していることが確認できました。


熊本県玉名市における水害の歴史                               
熊本県北部に位置する玉名市には、幹川流路延長71km、流域面積996kmの一級河川『菊池川』が市の中心に流れています。菊池川流域の年間の降雨量は約1,300~2,700mm。6・7月の梅雨期の降水量は、年間降雨量の1/3~1/2にも及びます。過去に菊池川で発生した洪水は、前線性によるものが70%、大洪水は全て前線性に起因しています。過去の洪水記録を見ると、古くは天安2年(西暦858年)の記録が残っており、近年では昭和28年、昭和57年、平成2年に洪水があり、特に平成2年は史上まれにみる大洪水となりました。
下表は、国土交通省九州地方整備局『菊池川河川事務局』が公表している、平成2年に菊水川にて発生した水害の様子です。(引用元:http://www.qsr.mlit.go.jp/kikuti/html/bousai03.html


玉名市の依頼を受『防災VRコンテンツ』を制作                                        
2020年度に国土交通省が主導する「PLATEAU」のリーディングプロジェクトに参画した玉名市は、交通・環境・防災といった都市活動データ等と連携しながら、各分野で活用が想定されるデジタル基盤「3D都市モデル」を整備し、オープン化しました。同市は2022年度に創設された都市空間情報デジタル基盤構築支援事業を活用し、3D都市データを使用した防災VRコンテンツの制作をキャドセンターへ依頼。同社は3D都市データの制作技術を活かし、玉名市の実際の街並みを使った水害時の避難シミュレーションを体験できるVRコンテンツを制作いたしました。

既存の防災VRコンテンツの多くは、現実には存在しない都市を使っているものがほとんどであり、実在する街並みを用いたVRコンテンツの制作は、3D都市データの制作技術を有するキャドセンターだからこそ可能な取り組みです。リアルに再現された街並みと、臨場感溢れる水害のシーンは、体験者に災害を“自分の身に起こること”として考えてもらうこと(=自分ごと化)に寄与します。

 

VR画面で見ることのできる玉名市の街並みVR画面で見ることのできる玉名市の街並み


↓VR画面で見ることのできる映像の例

 


玉名市の街並を再現した『防災VRコンテンツ』とは                                        
本防災VRコンテンツは、玉名市松木南児童公園付近の自宅にいるシーンから始まります。外は大雨、テレビからは大雨警戒レベル4の避難指示がでている状況の中、玉名市の災害時一時避難場所及び垂直避難建物に指定されている『玉名市文化センター』を目指して避難する過程を疑似体験できる構成です。

 

VR画面で見ることのできる自宅シーンVR画面で見ることのできる自宅シーン


コンテンツ内では避難ルートの分岐ポイントが3つあり、 被験者にそれぞれ以下の選択が迫られ、自分だったらどう行動するかを考え発災時をリアルに想像しながら避難シミュレーションを体験してもらいます。水害のシナリオ作成にあたっては、熊本大学先端科学研究部・本間里見教授と、内山忠准教授に監修を依頼しております。

分岐ポイント1】
A:破堤した水流と反対方向に進む「西側に進む」
B:水流に近いが最短を進む「北側に進む」
正解はB. 北側にすすむ」
地盤の高低差などが影響するため水は一定方向に進むわけではないというメッセージと、浸水エリアを事前にハザードマップで確認しておくという注釈を表示。

分岐ポイント2】
A:避難所から遠い道を進む「立体交差を避ける」と
B:避難所に近い道を進む「立体交差をくぐる」
正解は「A. 立体交差を避ける」
アンダーパスは、急激に雨が強くなると周辺一帯から水が集まることで一気に浸水して、身動きが取れなくなることを注意喚起。

【分岐ポイント3
A:遠くても平地を進む「高台に進む」
B:近くても大通りを進む「直進する」
正解はA. 高台に進む」
雨が長時間降り続いている状況や雨量が急激に増えた場合は、内水氾濫が起こる可能性があるため、早めの行動を心がけるように注釈を表示。

 

VR画面で見ることのできる分岐点で表示される選択肢の例VR画面で見ることのできる分岐点で表示される選択肢の例


『防災VRコンテンツ』玉名市住民体験会の開催                                       
2023年2月7日 に玉名市の松木公民館で住民を対象とした防災VR体験会を行いました。体験後のアンケートでは、85%の方が『実際に水害を体験している怖さを感じた』『VRゴーグルならではの没入感があった』『内水氾濫する街の様子がリアルで臨場感があった』、90%の方が『今回のVR体験が「防災意識向上」の役に立った』と回答しました。その他自由回答は以下の通りです。
  • 事前に避難を考える機会となった。
  • 避難訓練が必要と感じた。
  • 事前避難の重要性を理解した。避難所収容人数が心配です。
  • 常日頃の避難場所を考える。
  • リアルでした。防災マップを見ておこうと意識しました。


今後の展望
本防災VRコンテンツにおける、スタート地点・分岐ポイント・災害ポイントの拡充。またVRゴーグルがなくても体験ができるブラウザでの利用やスマートフォンアプリなどでも体験できるような仕組みを取り入れることで、より全国の防災イベントや防災講和などで導入しやすくなるのではないかと考えています。

また、本防災VRコンテンツの制作過程や玉名市からの依頼の経緯などをご紹介するウェビナーを3月23日に開催予定です。詳細は以下のお知らせをご覧ください。
https://www.cadcenter.co.jp/topics/archives/285


ご相談は以下へお問い合わせください。

株式会社キャドセンター
〒105-0014 東京都港区芝2-1-28 芝アネックスビル3F
https://www.cadcenter.co.jp/
担当者名 マーケティングチーム 大住
TEL  03-6699-0181
​問い合わせフォーム:https://www.cadcenter.co.jp/contact/

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会社概要

株式会社 キャドセンター

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URL
https://www.cadcenter.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区芝2-1-28 芝アネックスビル3F
電話番号
03-6699-0181
代表者名
藤田 一郎
上場
未上場
資本金
8000万円
設立
1987年10月