日本発の「授業研究」がカンボジア政府承認の教師向け教材に
約4年間・16校での実践をもとに、カンボジア労働職業訓練省との協働でソフトスキル教育の実践ハンドブックを公開
認定特定非営利活動法人SALASUSU(以下、SALASUSU)は、カンボジア労働職業訓練省と協働し、2021年11月から実施してきた「職業訓練校のソフトスキル研修能力向上事業」を2025年11月に完了しました。約4年間にわたりカンボジア4地域16校で取り組んだ成果をもとに、教師向け実践ハンドブック『Nurturing Soft Skills in TVET』を作成。同省の承認を経て公開し、対象校へ共有しました。
近年、カンボジアでは産業の高度化に伴い、専門技術だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決力、主体性といった「ソフトスキル」を備えた人材へのニーズが高まっています。一方で、多くの職業訓練校では講義形式の授業が中心であり、学生が主体的に学ぶ機会をどのように創出するかが課題となっていました。
本事業では、こうした課題に対し、教師が実践的なソフトスキル教育を継続的に行える仕組みづくりを目指しました。当初は4地域全体への展開を計画していましたが、事業途中で方針を見直し、タケオ校とシェムリアップ校の2校をモデル校として重点的に支援。教師同士が授業を見学・振り返り・改善する「授業研究(Lesson Study)」を軸に、ソフトスキル担当だけでなく専門技術分野の教員も参加する学校全体での授業改善を進めました。


教師同士が学び合う文化へ。授業改善52件、モデル校では継続も決定
事業期間中には、参加校から52件の授業改善が報告されました。参加した教師の視点も、学生一人ひとりの理解度だけでなく、学生同士の関わりや学習環境、問いかけの工夫など、授業全体をデザインする視点へと広がりました。
また、モデル校である2校では、授業研究を教師育成の方針に正式に位置づけ、事業終了後も継続して実施することが決定しています。
4年間の実践をハンドブックとして公開
本事業で得られた知見をまとめた教師向け実践ハンドブック『Nurturing Soft Skills in TVET』は、カンボジア労働職業訓練省傘下の職業訓練局からの承認を経て公開されました。
ハンドブックには、ソフトスキル教育の考え方だけでなく、授業研究の進め方や授業改善の実践事例などを掲載。対象16校へ共有され、今後の教員研修や学校内研修での活用が期待されています。
SALASUSUは今後も、教育現場に持続的な変化をもたらす仕組みづくりを通じて、若者が社会で活躍するために必要な力を育む教育環境の実現に取り組んでまいります。


カンボジア労働職業訓練省傘下の職業訓練校の教員を対象に、ハンドブックの公開に合わせて開催したワークショップ。参加者はハンドブックを活用しながら、授業改善の実践や授業研究の進め方について意見を交わしました。
SALASUSUについて
認定特定非営利活動法人SALASUSUは、主にカンボジアで活動する日本の認定NPO法人です。
「Enjoy your life journey ― 誰もが人生の旅を楽しめる社会へ」をビジョンに掲げ、質の高い学びをすべての子どもに届けることを目指し、公教育との連携を通じた教育改革に取り組んでいます。
授業研究(Lesson Study)を中心とした日本発の学校改善手法を活用し、教師の学び合いを促進する仕組みづくりや、教育行政・学校との協働による持続可能な教育モデルの構築を推進しています。
また近年は、カンボジアで培った実践知を基盤に、日本とカンボジア双方の教育実践者が国境を越えて学び合う越境研修プログラムを開始するなど、実践と研究を往還しながら教育改革につながる学びのコミュニティづくりにも取り組んでいます。


シェムリアップ州ソトニコム地区で、子どもが主体となる授業を実践し、その様子を教員同士で観察・振り返る様子。ラボ・スクールは、子ども一人ひとりを取り残さない授業づくりの研究・実践を目的に、SALASUSUが運営する教師の学びと授業研究の実践拠点です。
本件に関するお問い合わせ
認定特定非営利活動法人SALASUSU
広報担当
Email:info@salasusu.com
Website:https://salasusu.com/
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