睡眠評価装置「ナイトグラフ」の提供を開始
睡眠医科学の権威・柳沢正史監修。在宅測定も可能な設計と自動解析システムで、睡眠時無呼吸症候群の検査における被験者と医療機関の負担を大幅軽減
株式会社S'UIMIN(本社:東京都渋谷区)は2026年3月より、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断等に活用できる睡眠評価装置「Nightgraf(ナイトグラフ)®」(管理医療機器クラスⅡ)の提供を開始いたしました。ナイトグラフは、入院検査だけでなく在宅検査にも活用でき、取得した生体信号をクラウド上のソフトウェアで即日自動解析します。被験者と医療機関の双方の負担を大幅に軽減し、国内の潜在患者が2200万人、中等症以上に限っても900万人以上と試算される睡眠時無呼吸症候群の早期発見と治療を支援します。

製品概要
「ナイトグラフ」は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)等を診断するために必要な生体信号を取得する睡眠評価装置(クラスⅡ医療機器)です。被験者は医師の指導のもと、在宅もしくは入院検査で睡眠を測定します。脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、いびき、呼吸努力、SpO2、脈拍、体位・体動等のデータを専用ソフトウェア「Nightgraf Console」にてクラウド上で即日自動解析し、医師による睡眠障害の診断等を補助するPDFレポートを生成します。
ナイトグラフの特徴
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医療現場の負担を大幅軽減する即日自動解析
「Nightgraf Console」による解析システムは、膨大な生体データをアップロード後すぐに自動解析し、医師の診断を補助するレポートを作成します。これにより、医療機関は技師の熟練度やリソースに依存することなく、検査効率を大幅に向上させることが可能です。運用コストを抑えてスピーディーなフィードバックを実現します。 -
在宅でも検査成功率が高い軽量・高密着の電極
睡眠脳波測定用の専用電極は、粘着性が高く皮膚への密着性に優れています。センサユニットを装着する従来品とは対照的に約3gと軽量で、剥がれにくく違和感の少ない装着感を実現しています。また、デバイス本体に搭載された音声ガイダンス機能が、正しい装着手順をステップごとに案内します。専門知識のない被験者一人でも、自宅で正確かつ簡便に電極等のセンサを装着することができます。
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SASの新指標:低酸素負荷(HB)を標準レポート化
ナイトグラフでは、SASの評価指標として低酸素負荷(HB:Hypoxic Burden)を、無呼吸低呼吸指数(AHI:Apnea Hypopnea Index)と酸素飽和度低下指数(ODI:Oxygen Desaturation Index)に加えてレポートに標準表示します。HBは、睡眠中の酸素飽和度(SpO2)がベースラインから低下した「グラフ上の面積(積分値)」の総和を総睡眠時間で標準化した指標で、AHIやODIで表される無呼吸イベントの発生頻度とは異なる観点で症状を評価します。たとえば1回の無呼吸イベントの継続時間が長い場合などは、AHIやODIは低値ながらHBが高値となることが考えられ、「HBは将来の心血管疾患発症と関連し、AHIよりリスク予測に有用である」という報告もあります(※1)。米国では近年、HBがSAS重症度評価を行う上で重要なものとしてコンセンサスを得ています。
ナイトグラフ開発の背景
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SASの深刻な未治療問題──推定900万人超の中等症患者に対し、治療中の患者はわずか65万人
SASは、日中の強い眠気や居眠りによる重大事故につながる睡眠障害であり、重症を無治療放置すると15年程度のうちに心血管障害(脳卒中・心筋梗塞・大動脈乖離・致死的不整脈など)で4割が死亡するという報告もあります(※2)。潜在患者数が多く、世界で約9億人、日本でも中等症以上の患者だけで900万人以上が罹患しているとも推定されています(※3)が、実際に治療を受けている患者(CPAP療法)は国内で65万人程度(※4)にとどまっている現状があります。 -
治療の障壁となる、既存の検査手段の構造的課題
SASは睡眠検査の標準法である終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査で診断できますが、①原則として入院検査が必要とされるため患者の負担が大きい、②実施できる医療機関が限られる、③データ解析に熟練の検査技師でも数時間を要するため医療機関の負担が大きい――などの問題がありました。
PSG検査を在宅にて実施するケースもあるものの、データ解析に関する医療機関の負担等が検査普及の障壁となっており、さらに、従来の機器は睡眠脳波の取得のためにセンサユニットを頭部に装着する方式が一般的であり、睡眠中にセンサが外れるリスクも指摘されていました。また、呼吸状態の評価に特化した携帯型睡眠評価装置は脳波を測定できないため、CPAP療法の保険適用条件がPSG検査より厳しく極めて重度の患者に限られます。基準値未満の患者は追加のPSG検査が求められ、時間的・経済的負担が大きくなっていました。 -
S'UIMINの技術蓄積から生まれた睡眠評価装置「ナイトグラフ」
睡眠学者の柳沢正史(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)が創業した株式会社S'UIMINはこれまでに、在宅向け睡眠時脳波測定器を独自に開発し、ヘルスケア領域における検査サービスや睡眠関連商材の研究開発支援事業などを展開してきました。さらに、学術研究においても、装着性に優れたシール状電極と取得データの即時自動解析システムを活用し、在宅向け睡眠時脳波測定器による測定が健常者・SAS患者いずれにおいてもPSG検査と同等の精度を有することを確認してきました。
ナイトグラフは柳沢正史監修のもと、この脳波測定技術を基軸に、呼吸フローや呼吸努力、血中酸素飽和度等、睡眠障害の診断に必要な生体データを測定する機構を加えた睡眠評価装置です。2026年1月に医療機器認証を取得し、同年3月の保険収載を経て、SASをはじめとする睡眠障害の診断を簡便かつ精緻に実施できる機器としてリリースしました。
開発秘話
本機器の設計開発に関するストーリーを、株式会社S'UIMIN技術開発本部 部長・山下勇輝のインタビュー形式でまとめております。
https://www.suimin.co.jp/column/interview-nightgraf
参考文献
※1:Azarbarzin A, et al. Chest. 2020;158(2):739–750. doi:10.1016/j.chest.2020.03.053.
※2:Young T, et al. Sleep. 2008;31(8):1071–1078. doi:10.5665/sleep/31.8.1071.
※3:Benjafield AV, et al. Lancet Respir Med. 2019;7(8):687–698. doi:10.1016/S2213-2600(19)30198-5.
※4:厚生労働省. 社会医療診療行為別統計(政府統計コード00450048) 令和6年(調査年月:2024年). 診療行為の状況>医科診療>診療行為(細分類). 第24表「医科診療(入院外-1総数) 実施件数・回数・点数,一般医療-後期医療、診療行為(細分類)、病院(種類別)-診療所(有床-無床)別」. e-Stat(政府統計の総合窓口). 公開:2025-06-25(参照:2026-02-26).
監修者・柳沢正史コメント(株式会社S'UIMIN取締役会長)

睡眠時無呼吸症候群は文字通り「命に関わる」疾患で潜在患者数が多いにもかかわらず、患者からすると検査から治療までの“ハードル”が高く、睡眠医療において対策が後手にまわっています。「ナイトグラフ」は、私たちが磨き上げてきた睡眠脳波測定技術を基軸に、睡眠障害の診断に必要な機能を加え、保険収載の要件を満たした医療機器です。この技術を保険診療という公的な枠組みで社会還元することにより、睡眠時無呼吸症候群の検査のハードルを下げ、睡眠医療の大きな転換点としていきたいと考えています。良質かつ充分な睡眠は、人生100年時代のウェルネスの根幹です。「ナイトグラフ」の提供により、睡眠医療の診断と治療を支援し、睡眠イノベーションの推進を加速してまいります。
医療機器認証について
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一般的名称:睡眠評価装置
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販売名:ナイトグラフ
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認証取得日:2026年1月20日
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医療機器認証番号:308AFBZX00003000
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医療機器分類:管理医療機器、特定保守管理医療機器(クラスⅡ)
保険収載について
保険収載区分:終夜睡眠ポリグラフ検査「3 1及び2以外の場合 ロ その他(3,570点)」として、2026年3月1日付で保険収載されました。
株式会社S'UIMIN
睡眠学者の柳沢正史(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)が創業した筑波大学発のスタートアップ企業。睡眠時の脳波を測定して自動解析する睡眠計測サービスを開発・提供する。睡眠専門の企業として、医療機関向け睡眠検査事業、法人向け健康経営支援事業、睡眠領域のマーケティング支援事業などを展開する。
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