なるテック近藤代表、明治大学藤本ゼミと連携し『日本で最も美しい村連合』の講義に登壇

なるテック

講義参加者の皆様と近藤代表

明治大学オンライン大学にて、なるテックが地方創生の取り組みを発信「日本で最も美しい村」オンライン大学が初のハイブリッド型(対面+オンライン)講義を9月20日(金)に開催した。講義では、明治大学と連携し、秋田県東成瀬村での先進的な取り組みについて、東成瀬テックソリューションズ株式会社(以下、なるテック)の近藤代表が登壇した。この講義には、藤本准教授のゼミナール生をはじめ、多くの学生や地域創生に関心を持つ方々が参加し、活発な意見交換が行われた。

▶NPO法人「日本で最も美しい村」連合 公式サイト
▶日本で最も美しい村オンライン大学vol.19(秋田県東成瀬村)

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講義内容と東成瀬村での先進事例

講義では、東成瀬村で若者60名以上の移住を伴った採用を実現した事例が紹介された。なるテックが、地方の課題をテクノロジーで解決するために行った具体的な取り組みについて、近藤代表が語った。

1. 第三セクター設立のプロセス

なるテックが第三セクターとして設立された背景には、近藤代表が東京で立ち上げた株式会社フリューゲルの事業と、それを地方へ移動させる構想から始まった。そこから連携先の選定、東成瀬村の視察、そして実際に移住して会社を設立するまでの一連のプロセスがあった。特に、強固なパートナーシップを築くために、議会への挨拶、成果報告会の開催、村のお祭り事務局への参加など、村民との関係づくりに力を入れてきた。定期訪問や協賛、イベント参加、定期的なヒアリングを通じて、地域の声を積極的に取り入れる姿勢が、信頼関係の構築に大きく寄与している。

2. 経営者としての志

近藤代表は、経営者としての志を磨くことが最も重要であると述べ、「アチーブメントピラミッド」というフレームワークに基づき、単なる目標や計画を立てるだけでなく、目的や理念を明確にすることの重要性を強調した。「アチーブメントピラミッド」は、人や組織が理念を基盤に目標を設定し、日々の行動に一貫性を持たせるためのフレームワークである。近藤代表は、この考え方に基づいて、個人と組織の一貫性を保ち続けている。さらに、東京での生きにくさを感じた原体験から、東京一極集中による弊害を痛感し、それを解消するために地方創生が必要だと気づいたという。そして、日本の若者たちの人生を輝かせるためには、地方での新しい可能性を創りだすことが不可欠だと明確な志を抱いている。

3. 今後の展望

今後は、人口3万人以下の過疎化が進む自治体に対し、東成瀬村で培った官民連携による事業創出や事業実装のノウハウ、都市部からのIターン・Uターン採用のノウハウを広め、日本全国の地方創生に貢献したいと語った。なるテックが培ってきたモデルを他の自治体にも適用し、各地域の持続的な発展を支援することを目指す。そのためのグループ構想や学会の立ち上げ構想も同時に語られた。

4. 設立3年で60名の採用を実現

チェックリストに基づく課題抽出と改善サイクルの確立、採用媒体の選定、選考へのこだわり、受け入れの仕組みの構築など、組織の「水質」を維持・向上させるための取り組みが、3年で60名の採用を実現する原動力となっていると述べた。

講義の背景

明治大学政治経済学部准教授 藤本穣彦(ふじもと ときひこ)様と近藤代表

明治大学は地方創生に関して積極的である。同大学の藤本准教授は「農村の未来のデザイン」を強調し、農的な営みの中にある本来の価値や魅力を見つけ、それを大切にしながら、まちづくりやコミュニティづくりを進めることの重要性を説いている。今回の講義には藤本准教授のゼミナール生も多数参加し、地方創生への関心とその実践について学びを深める場となった。

講義の質疑応答

明治大学のシンボルマーク

講義後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられ、近藤代表は以下のように回答した。

1. 住環境はいかがなのか

住環境は決して十分とは言えない。常に予算と相談しながら、及第点を目指しているのが現状である。移住してきた従業員の多くは、雪のない地域で暮らしていた若者たちであるため、安心して暮らせる環境を整備し続けることが重要な課題であると捉えている。しかし、ありがたいことに東成瀬村主導で移住定住住宅の整備が進められ、現在20戸以上の住宅が用意されている。また、当社主体でも5棟の新築物件を建築しており、今後もさらなる開発を進めていく予定である。

2. 人材育成に力を入れている会社であることは理解したが、地域の方々にはどのような反応を受けているか

地域の方々からはおおむね好意的な反応をいただいており、応援もされている。直近で行った成瀬ダムまつりでは、人口2,400人の村に2,000人を超える来場者を集客し、新たな賑わいを生み出し、地域の事業者の方々から喜ばれている。また、地域の小中学生向けにプログラミング教室、高齢者向けにスマホ教室を開催するなど、地域のデジタルリテラシー向上にも貢献している。ただし、「何をやっているかわからない」「しばらくしたらどこかへ行ってしまうのではないか」という声もあるため、定期的に地域の方々向けに取り組みや成果を共有する成果報告会を開催して理解いただけるように力を尽くしている。

3. 実際に様々な領域の地域課題の解決を行う中で、難易度の高いものは何か

難易度の低いものはないが、強いて言えば消費者向けビジネスの立ち上げが特に難易度が高い。大手企業のような資本力がない中で、地域の産業を0から立ち上げるのは、コスト効率を考えても現実的ではない。しかし、産業振興の観点から求められるため、ニッチ市場の単一商品をクラウドファンディングで立ち上げ、地域の方々に応援されながらグローバルマーケットに展開する戦略を取っている。現在開発中の「akaulu」という温泉水を原料にした化粧水はその一例である。

「日本で最も美しい村」オンライン大学 登壇者

ファシリテーター

明治大学政治経済学部准教授 藤本穣彦(ふじもと ときひこ)様

藤本穣彦(ふじもと ときひこ)

明治大学政治経済学部准教授 

1984年熊本市生まれ。明治大学政治経済学部准教授。工学博士。2002年4月に島根県立大学総合政策学部へ入学。2005年4月、同志社大学文学部に3年次編入学し、2007年3月に卒業。2009年3月、同志社大学大学院社会学研究科博士課程前期修了。大学院修了後、島根県中山間地域研究センター、JST社会技術研究開発センター、九州大学大学院工学研究院、静岡大学農学部を経て、2020年4月より現職。2013年7月、論文『自然エネルギー社会資本整備のための地域主体形成に関する研究』で、九州大学より博士号を授与された。


講師

近藤 純光(こんどう じゅんき) 代表

近藤 純光(こんどう じゅんき)

東成瀬テックソリューションズ株式会社  代表取締役社長
株式会社フリューゲル 代表取締役社長
一般財団法人日本プロスピーカー協会 認定ベーシックプロスピーカー

 

九州の漁村出身。秋田県在住。明治大学卒業後、Web広告代理店に就職し、セールス、マーケティングを学び2年で独立し、現在は2社の経営に携わる。得意領域は、事業開発、プロジェクトマネジメント、システム導入であり都内大手企業のプロジェクトで複数の実績を持つ。2021年10月、秋田県東成瀬村が出資する第三セクター方式企業のなるテックを創業し、3年で60名規模の企業へ成長させた。

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『日本で最も美しい村』オンライン大学vol.19(秋田県東成瀬村)の概要

加盟町村地域が先進的に取り組んでいる事柄について首長・役場担当者・村内住民等からオンラインで学ぶ講義。

開催概要

講義名 :日本で最も美しい村オンライン大学vol.19

日時  :9月20日(金)19:00

場所  :【対面講義】明治大学 神田駿河台キャンパス

     【オンライン】zoom 

講師  :東成瀬テックソリューションズ株式会社 代表 近藤純光

進行役 :明治大学政治経済学部准教授 資格審査委員 藤本穣彦 様

東成瀬テックソリューションズ株式会社について

東成瀬テックソリューションズ株式会社のロゴマーク

東成瀬テックソリューションズ株式会社(通称なるテック)は、秋田県東成瀬村が出資する地方創生スタートアップ企業。コンセプトは「人と村のローカルデザインカンパニー」で、都市部からこの村に移住した若者たちが、この村ならではの魅力や強みを活かし、様々な地域課題解決に資する事業に挑戦している。

会社名               :東成瀬テックソリューションズ株式会社

設立                  :令和3年10月

代表取締役社長 :近藤純光

本所在地            :〒019-0801秋田県雄勝郡東成瀬村田子内字仙人下30-1東成瀬村山村開発センター

ホームページ      :https://www.narutech.co.jp/

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会社概要

URL
https://www.narutech.co.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
秋田県雄勝郡東成瀬村田子内仙人下30−1 東成瀬村 山村開発センター内
電話番号
050-6878-8305
代表者名
近藤純光
上場
未上場
資本金
500万円
設立
2021年10月