東大阪キャンパス大規模整備「超近大プロジェクト」「ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター)」グランドオープン
近畿大学(大阪府東大阪市)は、現在、東大阪キャンパスの大規模整備「超近大プロジェクト」を実施しています。その第一期工事が完了し、平成29年(2017年)4月6日(木)に新たな学術拠点「ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター)」がグランドオープンします。
【本件のポイント】
● マンガ約2万2千冊を含む約7万冊の書籍を独自の図書分類で配架する新生図書館が誕生
● 女性専用室を完備した24時間利用可能な自習室を設置
● 日本の大学初、世界のニュースに触れられる学習型カフェ「CNN Café」が出店
【本件の概要】
東大阪キャンパスの新エリア「ACADEMIC THEATER」は、5つの建物で構成された、文理融合による実学教育のための拠点です。
中核施設となる「BIBLIOTHEATER(ビブリオシアター)」は、編集工学研究所所長の松岡正剛氏をスーパーバイザーに迎えて開設する新生図書館です。その他にも女性専用室を完備した24時間利用可能な自習室など、学生が主体的に学べる環境を整えています。
なお、「超近大プロジェクト」では、今後も第二期工事として食堂や実験棟などを建設し、平成32年(2020年)の完成を予定しています。
【建物概要】
敷 地 面 積:86,710.43㎡ 建築面積:7,265.78㎡ 延床面積:28,345.07㎡
最 高 高 さ:56.94m 総事業費:約500億円(第二期工事を含む)
構造・規模:鉄骨+鉄骨鉄筋コンクリート+鉄筋コンクリート造 地上11階+地下1階
設計・監理:株式会社NTTファシリティーズ一級建築士事務所関西事業本部
施 行 者:建築本体…株式会社大林組 電気設備…浅海電気株式会社
機械設備…株式会社九電工 昇降機設備…株式会社日立ビルシステム
【施設紹介】
■インターナショナルフィールド(1号館)
留学、国際交流、外国語教育などを一体的に行うインターナショナルセンターを配置し、留学生、外国人講師、在学生のほか、地域住民も含めた多様な人々が利用する異文化・多言語の出会いの場を創出します。この施設を中心として、全学的なグローバル人材の育成に取り組みます。
■実学ホール/オープン・キャリアフィールド (2号館)
学生の成果発表などに活用できる実学ホールを設置。また、社会に開かれた場所として、就職を支援するキャリアセンター、産学連携を推進するリエゾンセンター、卒業生の窓口である校友会、自治体との連携などに取り組む社会連携推進センターの機能を一つのフロアに集約し、幅広い支援を一体的に行います。
■ナレッジフィールド(3号館)
1・2階が自習室、3・4・5階が教室となる、学生の自発的な学びを支援する設。女性専用室を完備した24時間利用可能な自習室など、他大学にはない仕様となっています。学生は、スマホアプリで座席を予約し、いつでも自習室を利用することができます。
■アメニティフィールド(4号館)
学生が利用できるカフェなどを設置。リラックスするだけでなく、カフェでも学べる空間づくりがコンセプトです。世界のニュースにリアルタイムに触れられる学習型カフェ「CNN Café」※、“サードウェーブコーヒー”として注目の「ALL DAY COFFEE」の2店が日本の大学に初出店します。
※CNN Café
アメリカのニュース専門放送局「CNN」がプロデュースするカフェ。日本の大学では初出店です。店内の4つのモニターでは常時CNNのニュースが流れ、学生が日常的に世界のニュースを目にすることができます。昨年4月の国際学部開設を機に、全学的なグローバル化を推進するなかで、学生が気軽に英語に触れられる機会を提供します。
■BIBLIOTHEATER(ビブリオシアター)(5号館)
編集工学研究所所長の松岡正剛氏監修のもと、独自の図書分類「近大INDEX」によって約7万冊の書籍等を収蔵する新図書館「BIBLIOTHEATER」。1階は「NOAH33(ノア33)」と名付けて一般図書を中心に約3万冊を配架、2階は「DONDEN(ドンデン)」と名付け、マンガ約2万2千冊を含め、新書、文庫など約4万冊を配架します。また、「ACT(アクト)」と呼ばれる42室のガラス張りの小部屋を設置し、社会の諸問題を解決に導くために学生が議論などを行うプロジェクト空間として活用します。
【松岡正剛氏プロフィール】
オブジェマガジン「遊」編集長、東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授などを経て、現在、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代「編集工学」を創始し、文化、経済、自然、生命、宇宙、工学、医療、IT、デザイン、アートなど、多分野をまたいで関係性をつなぐ研究に従事し、その成果を企画、編集、システム開発、プロデュース他で大胆に実践している。
編集的世界観にもとづく本のプロジェクトは長年定評がある。古今東西約600万冊の書物を収蔵する「図書街」構想や30年にわたり改変してきた知の体系「目次録」を土台にしながら、伝説の書店「松丸本舗」、無印良品「MUJI BOOKS」、直近では理化学研究所と組んで全国展開した「科学道100冊」などを展開。また、ラーニングシステム「イシス編集学校」では3万人以上の生徒と約500人の師範を育成し、本を贈り合う文化を推奨。
一方、日本文化研究の第一人者としても活動の場を広げている。「日本という方法」を提唱し、日本の「方法」の魂を直伝する私塾を精力的に展開。「連塾」「三味三昧」「椿座」「蘭座」他。2016年より東京オリンピック関連事業「文化プログラム」のアドバイザリーメンバーに就任。おもな著書に『知の編集工学』『知の編集術』『日本流』『多読術』『インタースコア』ほか多数。2000 年にはじめたブックナビゲーション「千夜千冊」は2017年2月、第1630冊を突破(http://1000ya.isis.ne.jp/)。最新千夜1632夜『それでも、読書をやめない理由』。
【松岡正剛氏コメント】
図書館ではない超図書館モデルを提供してみたかった。「本の街」のようで、いつも目新しい「知と遊と技」に出会え、何度でも未知のドラマに出入りしたくなる「ビブリオシアター」のような書籍空間だ。2層構造にした。1階のNOAH33は既存の図書分類にもとづかないテーマ書棚がビルのように組み立ち、2階のDONDENは多彩なマンガがメインになりながらも、夥しい新書群がこれをフォローする。世界初の試みだ。
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