【PLMは設計管理から「製品情報の基盤」へ】製造業PLM活用事例120件分析レポート【ものづくり新聞製造業DX事例分析vol.02】
PLM活用は、設計データ管理からBOM・構成管理、デジタルスレッド、エンジニアリングチェーン改革へ拡大
株式会社パブリカが運営しているものづくり新聞(代表:伊藤宗寿)は、世界の製造業DX事例を継続的に収集・分類している「製造業DX事例データベース」をもとに、リアルな課題と解決策を紐解くレポートを配信しています。このデータベースは、ものづくり新聞が日本と世界のニュース記事やプレスリリースなどを毎日自動取得しデータベースに蓄積する仕組みで、製造業向け情報発信を目的として構築した仕組みです。
今回の分析では、PLM、PDM、BOM、E-BOM、M-BOM、Teamcenter、Windchill、ENOVIA、3DEXPERIENCE、Aras、設計データ管理、図面管理、構成管理、設計変更管理、デジタルスレッド、MBSE、エンジニアリングチェーンなどに関連する事例を抽出し、製造業におけるPLM活用の分野別傾向を整理しました。
抽出されたPLM関連事例は120件(2026年6月末現在)でした。分析の結果、PLMは単なる設計部門のデータ管理システムではなく、BOM・構成管理、生産準備、品質、調達、サプライチェーン、デジタルツイン、生成AI活用などと結びつき、製造業の業務全体をつなぐ基盤として位置づけられつつあることが見えてきました。
調査の背景:情報の中核基盤としてのPLM、実態に迫る
製造業では、製品の複雑化、短納期化、グローバル開発、ソフトウェア比率の増加、法規制対応、サステイナビリティー情報管理などにより、製品情報を部門横断で管理・活用する重要性が高まっています。
従来、PLMは主に設計データ、図面、CADデータ、設計変更、部品表などを管理する仕組みとして導入されてきました。しかし近年は、ERP、MES、SCM、品質管理、保全、サービス、デジタルツイン、AI活用と連携する「製品情報の中核基盤」として再評価されています。
「PLMを導入すると、実際にどのような業務が変わるのか」
「同業他社はPLMをどの領域で活用しているのか」
「BOMや設計変更管理の改善事例を知りたい」
「PLMとERP、MES、デジタルツイン、生成AIはどうつながるのか」
こうした問題意識・課題に対応するため、ものづくり新聞では、日々更新している製造業DX事例データベースをもとに、関連事例を分野別に整理しました。
PLM関連事例120件の活用分野
今回の分析では、PLM関連事例を以下の6分野に分類しました。

|
活用分野 |
件数 |
主な活用内容 |
|
PLM/PDM基盤・製品データ管理 |
78件 |
設計データ管理、製品情報管理、PLM基盤導入、PDM刷新、製品ライフサイクル管理 |
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BOM・構成管理 |
13件 |
E-BOM/M-BOM管理、部品表連携、構成管理、原価・設計・生産準備との連携 |
|
エンジニアリングチェーン改革 |
12件 |
設計から生産・調達・SCMまでの情報連携、部門横断の製品情報活用 |
|
MBSE・デジタルスレッド |
8件 |
MBSE、デジタルスレッド、ALM連携、モデルベース開発、デジタルツイン連携 |
|
CAD/CAE・設計環境連携 |
7件 |
CADデータ管理、図面管理、技術文書管理、解析・設計環境との連携 |
|
設計変更・ワークフロー |
2件 |
設計変更管理、承認ワークフロー、ECR/ECOプロセス管理 |
もっとも多いのは「PLM/PDM基盤・製品データ管理」で、78件でした
この分野では、PLMシステムの導入、PDM刷新、設計データ管理、製品情報管理、CADデータ管理、製品ライフサイクル全体の情報統合などが中心です。
製造業では、設計図面、3D CAD、仕様書、部品情報、変更履歴、技術文書などが部門やシステムごとに分散しやすく、情報探索や整合性確認に多くの時間がかかります。PLM/PDM基盤は、これらの製品情報を一元的に管理し、開発リードタイム短縮、設計品質向上、変更管理の高度化を支える基盤として活用されています。
業種別・地域別の傾向
PLM関連事例を業種別に見ると、自動車、機械、電機の3業種が中心でした。これらの業種は製品構成が複雑で、設計変更やBOM管理、ソフトウェア連携、グローバル開発、サプライヤー連携の重要性が高い業種です。
地域別では、日本が最多く、次いでドイツ、中国、米国が続きました。日本では設計データ管理、BOM整備、エンジニアリングチェーン改革、製造DXとの連携に関する事例が多く見られます。
分析から見えた3つの傾向
1. PLMは「設計データ管理」から「全社製品情報基盤」へ広がっている

従来のPLM/PDMは、設計データ、図面、CADファイル、設計変更を管理する仕組みとして導入されることが多くありました。しかし近年は、BOM、原価、品質、調達、生産準備、保守サービスまでを含む、製品情報の全社基盤として活用される傾向が強まっています。
2. BOM・構成管理がDXのボトルネックになりやすい

ERP、MES、SCM、品質管理、デジタルツインなど多くのシステムが関係するなかで、BOMや構成情報が整備されていないと、部門間の情報連携が進みにくくなります。PLM関連事例からは、BOM・構成管理を整備することが、設計と製造をつなぐ重要な前提になっていることが見えてきます。
3. PLMはデジタルツイン、生成AI、デジタルスレッドの基盤になる

デジタルツインや生成AIを製造業で活用するには、信頼できる製品情報、設計情報、BOM、変更履歴、技術文書が必要です。PLMは、これらの情報を管理する基盤として、MBSE、ALM、スマートファクトリーと接続する役割を持ち始めています。
株式会社パブリカ
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