悩む少年少女の居場所「第3の家族」の利用者調査。「ひとり親」「塾」「保育所利用」多く、「共働き」少ない。
第3の家族の掲示板gedokunを利用する、悩みを抱えるこども若者212人に任意アンケートを実施したところ、共通の背景が見えてきた。
認定NPO法⼈第3の家族(神奈川県横浜市、理事⻑:奥村春⾹)は、家・学校・価値観などに悩む少年少女が集まるオンライン掲示板gedokunの利用者212人に、任意のアンケートを実施しました。
調査結果のサマリー
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gedokunの利用者と一般の調査結果を比較したとき、「ひとり親家庭」の割合は高い。
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gedokunの利用者と一般の調査結果を比較したとき、「共働き家庭」の割合は低い。
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gedokunの利用者と一般の調査結果の比較から、「学習塾の利用経験」と「保育所等の利用経験」の割合は高い可能性がある。
gedokunとは
第3の家族が運営する、家・学校・価値観などに悩む少年少女が集まるオンライン掲示板。
「返信なし」が特徴で、匿名でそれぞれの思いを共有する。
投稿には、共感や励ましのリアクションを送ることができ、投稿内容の文脈判定から同法人が運営する情報サイトnigerunoへの誘導を行っている。
https://daisan-kazoku.net/gedokun

調査結果

学習塾の利用経験は高い傾向
現在、学習塾に通塾している割合は約3〜5割でした。他調査によると、通塾の割合は約1〜4割でした(詳細1)。

ひとり親家庭の割合は高い
ひとり親家庭の割合は15%でした。これは、日本全体のひとり親家庭の割合約6.5%を上回ります(詳細2)。

保育所等の利用経験は高い傾向
保育所等の利用経験は、他調査よりも利用割合が20ポイント高くなりました(詳細3)。

共働き家庭の割合は低い
共働き家庭の割合は、54%でした。これは、日本全体の共働き家庭の割合約7割を下回ります(詳細4)。
gedokunの投稿と合わせた考察
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学習塾を使う利用者には、日々の勉強のストレスや受験のプレッシャー、成績や進路に関する親子の衝突に関する投稿が見受けられます。こども・若者が悩みを抱える背景の一つとして、学習塾への通塾が関係している可能性があると考えられます。
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ひとり親に関する投稿には、金銭面の問題や離婚相手と実親の不和、面会の葛藤、親からの期待に対するプレッシャーなどがあります。ひとり親という状況から、こども若者の悩みが発生しやすい状況にあると考えられます。
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保育所等の経験に関する投稿は少ないですが、保育園から繋がりがある友達の話や、保育園でのいじめの経験や先生から叱責の記憶などのネガティブな経験についての投稿があります。保育所等でトラウマ経験をしたこども若者が一定数いることが考えられます。
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共働きに言及する投稿は少ないです。gedokunの近年の傾向として、過干渉に関する投稿が多いことから、専業主婦・主夫家庭ゆえに発生しやすい悩みがあると考えられます。例えば、投稿では「勉強をするときにお母さんがずっと隣にいる」「自由に外に出たいけど、親が家にいるから出られない。」などがあります。
代表奥村よりコメント

本調査は「gedokunに来る少年少女の共通の背景はあるのか」を明らかにするために行いました。
ここでお伝えしたいのは、「塾に行かせているから」「ひとり親だから」「保育園に入れていたから」こどもが悩みごとを抱えると言い切れるわけではないということです。gedokunに来る子たちの一部分の特徴として「塾」「ひとり親」「保育所等」があるのだと思います。
また、共働き家庭よりも、専業主婦・主夫家庭の方がgedokunに来るリスクが高いことがわかりました。共働き家庭が増えている現代において、専業主婦・主夫という選択が可能な家庭環境や養育方針には、何らかのネガティブ要因が生じやすいのかもしれません。共働き家庭のネガティブ影響もないわけではないと思いますが、それよりも専業主婦・主夫家庭のリスクが高いのだと考えられます。
この調査を通じて、特定の子育てを批判したいわけではないということをご了承いただきたいです。「塾」「ひとり親」「保育所等」「専業主婦・主夫」の要素があるときに、こども若者がゆらぎやすい状況にあるかもしれないことは、知っていただけますと幸いです。
調査概要
調査期間:2026年1月9日〜2月2日
調査方法:gedokun上での任意回答アンケート
有効回答数:212人


留意事項
本調査はインターネットを通じた任意回答であり、第3の家族のすべての利用者や全国のこども若者の傾向を代表するものではありません。
調査の詳細
詳細1
回答者には「学習塾に行ったことがある学年のところに、「すべて」チェックを入れてください(複数チェックできます)。オンライン塾や学習教室は含みます。英会話、そろばん、習字などの習い事はのぞきます。」という質問をしています。
本研究では、他調査(2023年)と本調査(2026年)の結果を比較していますが、調査実施年が異なるため、社会状況や教育環境の変化等の影響を受けている可能性があります。そのため、本比較は傾向の参考として示すものであり、厳密な直接比較には限界がある点に留意する必要があります。
詳細2
回答者には「あなたの家庭は「ひとり親(親が1人の家庭)」ですか?」という質問をしています。
詳細3
回答者には「1・2才のとき、保育所等を使っていましたか?」「あなたの年齢(2025年12月26日現在の年齢)を記入してください。」という質問をしています。そこから、前者に「はい」後者に「13〜15歳」と答えた回答者を「2013年度」の保育所等の利用者とみなしています。同様の方法で、「12〜14歳」を「2014年度」、「11〜13歳」を「2015年度」とみなしています。
本調査には過去を振り返って回答する形式で実施しています。そのため、記憶の正確性には一定の限界がある可能性があります。また、回答者には困難な経験をした人が含まれていることが想定され、回答内容に影響している可能性もあります。結果の解釈にあたっては、これらの点に留意する必要があります。
詳細4
回答者には「あなたの家庭は「共働き(父も母も働く)」ですか?」という質問をしています。また、あなたの家庭は「ひとり親(親が1人の家庭)」ですか?」という質問で「はい」「わからない」と答えた回答者は除外しています。
本調査は子育て世帯を対象としているのに対し、比較に用いた統計は全夫婦世帯を対象としているため、母集団が異なります。そのため、数値の差には対象世帯の属性の違いが影響している可能性があり、単純な比較には注意が必要です。全夫婦世帯には高齢夫婦等の非就労世帯が含まれることから、子育て世帯の方が共働き率は高くなる傾向があると考えられます。そのため、本調査の結果は、調査対象世帯が一般的な子育て世帯と比較して共働きでない層を多く含んでいる可能性を示唆しています。
参考文献
参照1 ベネッセ教育総合研究所(発行年不明)「子どもの学習・生活実態データ」https://benesse.jp/berd/special/datachild/comment07_2.html(最終閲覧日:2026年2月12日)
参照2 労働政策研究・研修機構「ビジネス・レーバー・トレンド」2024年10月号「児童のいる世帯」,https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/10/c_01.html (最終閲覧日:2026年2月12日)
参照3 こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/b0a8057b-34bf-4c20-84fb-ae592708ca9b/c853cacb/20250828_policies_hoiku_torimatome_r7_01.pdf(最終閲覧日:2026年2月12日)
参照4 総務省統計局「労働力調査」 https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html (最終閲覧日:2026年2月12日)
団体概要(調査主体)
特定非営利活動法人第3の家族は、はざまの少年少女(支援制度から取りこぼされる若年層)を対象に、「寄り添わない⽀援」を行う団体です。
はざまの少年少⼥が「どうしようもない」を「大丈夫」に思えるよう、第三者としてサポートをします。
【代表】奥村春⾹
【法人設⽴⽇】2023年3⽉23⽇
【活動拠点】全国(オンライン)・東京・神奈川
【住所】神奈川県横浜市中区相生町三丁目61番地泰生ビル2階
【受賞歴】Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023・横浜市男女共同参画貢献表彰など
【団体公式サイト】https://daisan-kazoku.com
【利用者数】gedokunユーザー月間5,000人
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 第3の家族
メールフォーム:https://daisan-kazoku.com/contact
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- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 福祉・介護・リハビリボランティア
- キーワード
- 第3の家族
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