アボット、日本初(1)となるマルチポイント ペーシング(MultiPoint(TM)Pacing) 搭載のQuadra Assura MP (TM) CRT-Dで医療機器製造販売承認を取得

MultiPoint(TM)ペーシングにより、従来の4極左室リードペーシングによる心臓再同期療法の効果が認められない患者様に対して、新たな治療オプションを提供します

2017年7月11日  - アボット は、Quadra Assura MP(TM)両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の医療機器製造販売承認取得*し、8月1日に発売することを発表しました。Quadra Assura MP(TM) CRT-Dに搭載された、日本初となるMultiPoint(TM)ペーシングは、CRT(心臓再同期療法)においてより進化したアプローチを可能にします。左室ペーシングにおける選択肢が追加されたことにより、従来のCRTによる効果が認められない患者様にとって有効である可能性があります。本承認はMultiPoint(TM)ペーシング治療を展開する重要な第一歩です。(*医療機器製造販売承認は、アボットの100%完全子会社であるセント・ジュード・メディカル株式会社が取得)

販 売 名:クアドラ  アシュラ  MP  承認番号:22900BZX00069000販 売 名:クアドラ アシュラ MP 承認番号:22900BZX00069000


世界では約2300万人がうっ血性心不全を患っており、毎年200万人が新たにうっ血性心不全と診断されています。これまでの研究では、心臓の働きが弱まり、十分な血液を供給するための拍出能低下を伴う心不全を有する多くの患者様のQOL(生活の質)が、CRTによって改善されることが示されています。CRTは、心機能を最適化するため、独自にプログラムされた電気的刺激をリードを介して送り、左右の心室を刺激して拍動を同期させることによって、両心室を再同期させます。患者様の中には従来の4極左室リードペーシング(Quartet左室リードを用いたペーシングで、4つの電極のうち適切な1つの電極からペーシング刺激を送るようプログラミングすることが可能)を用いたCRTによっても治療の効果が認められないノンレスポンダーがおり、このことがCRTにおける重要な課題となっています。また、CRTの効果が認められない患者様を植込み前に特定することはできず、個々の患者様の効果を事前予測することもできません。

これまでの研究では、より多くの心室の心筋組織をより速く活動させることによって、心臓の動きが向上する可能性が示されています。従来のように心拍毎に単一パルス(ひとつの刺激)を送るのではなく、左室の2か所にペーシングパルスを送るMultiPoint(TM)ペーシングによって、より多くの左室心筋組織を迅速に捕捉(心筋細胞がペーシング刺激に反応)させることができます。4つの電極が独自の間隔で配置されたQuartet(TM) 左室リードを用いることによって、医師は、同一リードから2つの電気刺激をプログラミングすることが可能となり、個々の患者様のニーズに合わせた調整を行うことができます。

「個々の患者様の病態に応じた心臓再同期療法を行えるということは、複雑な背景を合併した心不全患者様に対する臨床的手段の大きな前進を意味します。MultiPoint(TM)ペーシングは、CRTに対するレスポンスを改善するために、非侵襲的なプログラミング調整を可能とする一連の新しいツールを提供します。それを必要とする多くの患者様にとって、新しい重要な治療の選択肢が広がることになります。」と、筑波大学医学医療系循環器内科学 教授 青沼和隆 医師は述べています。

また、国立循環器病研究センター 循環器科 草野研吾 医師は「MultiPoint(TM)ペーシングは、海外では既に多くの使用実績があり、有効性に関する様々なデータが提示されています。CRTノンレスポンダー患者様の新たな対策治療として期待しています。MultiPoint(TM)ペーシングをその他の心不全管理のための機能と組み合わせることで、個々の患者様に対して最善のCRT治療を構築できるものと考えています。」と述べています。

さらに2016年11月、アボットは、MultiPoint(TM)ペーシングと併用可能な、新たな3種類の4極ペーシングQuartet 左室リードの承認を取得しました。これらの新しいリードの設計は、既に臨床現場で数多く使用されてきた弊社の4極左室リードに基づいており、S字カーブ形状リードでは2つの新しい電極間隔の選択肢が追加されています。Quartet左室リードの製品モデルが増えたことによって、解剖学的に心臓の形状が大きめ、または小さめな患者様のニーズを効果的に満たす選択肢が提供されることになります。

「4極左室ペーシングに関するリーダーシップを継続する中で、MultiPoint(TM)ペーシングは、心不全治療の最先端の選択肢に投資し、技術革新を行うという弊社の取り組みを象徴するものです」と、アボットの研究開発部のバイスプレジデント兼 チーフテクノロジーオフィサーでもあるフィリップ・エーベリングは述べています。また同氏は、「弊社の包括的CRTポートフォリオにこれらの製品を追加することは、効果的な患者転帰をもたらし、世界で最も医療費が高額な一部のまん延する疾患において治療法を一変させる技術を医師に提供するという、アボットの取り組みを表す例となります。」とも述べています。

2011年、アボットは、市場初(2)の4つの電極を有する左室ペーシングリードを用いたCRTシステムを米国で開発、発売し、刻々と変化する心不全患者様のニーズを、医師が効果的かつ効率的に管理することを可能にしています。Quartet 左室リードの設計によって、医師はリードの電気的性能に関して妥協することなく最も安定した位置にリードを植え込むことができます。これにより、植込み手術の再試行による高額かつ侵襲的なリード変更の必要性が低減されることが実証されています(3)。MultiPoint(TM)ペーシングによって、治療の選択肢は左室一点ペーシングから4極リードによる左室二点ペーシング、すなわちマルチポイントペーシングの提供に変化し、CRT性能を最適化するため、より進歩した選択肢が医師に提供されます。

Quadra Assura MP(TM) CRT-Dは、弊社の他のCRT機種と同様に、SyncAV(TM)CRT ソフトウェアにも対応しており、弊社の包括的なCRTポートフォリオをさらに進化させます。SyncAV(TM) CRTは、患者様の心臓のリアルタイムな状態変化に合わせて自動的に両心室のペーシングタイミングを調節する技術で、医師はSyncAV(TM)機能を治療オプションとして使用することによって、個々の症例に対してCRT設定の最適化を図ることができます。

[アボット の心不全に関する事業について]
アボットは、CardioMEMS(TM) HFシステム*、画期的な4極左室リード技術、欧州市場におけるHeartMate 3(TM)左心補助システム*、および市場初となるMultiPoint(TM)ペーシングなど、革新的なソリューションを用いた心不全疾病管理のパイオニアです。アボットは、心不全の専門家、臨床医、アドボカシーパートナーと協力し、世界中の心不全の患者様の入院率を低下させQOLを改善する、革新的で費用対効果の高いソリューションを含む包括的な製品ポートフォリオを提供します。(*日本未承認)

[アボットについて]
アボットは、健康の力を通して人々が最高の人生を送ることができるよう注力するグローバルヘルスケア企業です。125年以上にわたり、栄養剤、診断薬・機器、医療機器およびブランド ジェネリック医薬品分野で、人生のあらゆるステージにおいて、健康が持つ可能性を実現するため、新たな製品・技術を提供してまいりました。現在、世界150カ国以上、約94,000人の社員が、人々が健康で長く充実した人生を送ることができるよう活動しています。

アボット(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews @AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。


(1) 2017年3月3日現在
(2) 2011年11月時点
(3) Dänschel. W., Spertzel, J., Gutleben, K. J., Kranig, W., Mortensen, P., Connelly, D., … Hallier, B. (2010). Initial clinical experience with a novel left ventricular quadripolar lead. Europace, 12(Suppl 1), i127.
http://dx.doi.org/10.1093/europace/euq127
Forleo, G. B., Della Rocca, D. G., Papavasileiou, L. P., Molfetta, A. D., Santini, L., & Romeo, F. (2011).
Left ventricular pacing with a new quadripolar transvenous lead for CRT: Early results of a prospective comparison with conventional implant outcomes. Heart Rhythm, 8(1), 31-37.
http://dx.doi.org/10.1016/j.hrthm.2010.09.076
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