同じプロジェクトなのに、PMと現場で「見えている景色」が違う 一元管理の認識に32.8ポイントの差

ITプロジェクト経験者235名調査「十分に一元管理できている」PM47.1%、エンジニア14.3%。管理されている情報が現場に届かない『認識断層』が浮き彫りに

フラッグス株式会社

プロジェクト/事業の生産性向上を支援するプロジェクトポートフォリオマネジメント基盤ツール「Flagxs(フラッグス)」を展開するフラッグス株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:林部 正樹)は、全国のITプロジェクト経験者235名を対象に、「プロジェクトマネジメントの実態」に関する調査を実施しました。

その結果、プロジェクト情報を「十分に一元管理できている」と回答した人は全体の23.4%にとどまりました。管理する立場であるPMでも、「十分に一元管理できている」と回答したのは47.1%で、過半数となる52.9%は十分とは感じていませんでした。

一方、役職別に見ると、「十分に一元管理できている」と回答した割合は、PMが47.1%だったのに対し、エンジニアは14.3%と、32.8ポイントの差が確認されました。同じプロジェクトに関わっていても、「情報は十分に一元管理されている」という受け止め方には、立場による違いがあることがうかがえます。

本リリースでは、このPMと現場の認識のズレを『認識断層』と定義し、「なぜ同じプロジェクトでも認識に差が生まれるのか」という問いを、調査データをもとに読み解きます。

◼️調査サマリー 

ーPMと現場で認識差が生じているー

・プロジェクト情報を「十分に一元管理できている」:23.4%(n=235、全体)
・PMの52.9%も「十分に一元管理できている」とは回答せず

・「十分に一元管理できている」:PM47.1(n=34)、エンジニア14.3% (n=28)【差32.8ポイント】

ー認識差の背景ー

・プロジェクト業務の属人化を経験:77.0%(n=235、全体)

ープロジェクト運営への影響ー

・属人化で「プロジェクト全体が把握しづらくなった」:35.9%(n=181、属人化あり)
・情報散在による「二度手間」の発生:42.6%(n=235、全体)

・情報散在による「報告・判断の遅れ」:41.3%(n=235、全体)

ー炎上リスクとの関係性ー

・属人化を経験した割合:炎上経験者87.5%(n=104)/炎上経験なし68.7%(n=131)【差18.8ポイント】

・「プロジェクト・業務の優先順位が共有されていない」:炎上経験者53.8%(n=104) /炎上なし層32.8%(n=131)【差21.0ポイント】

◼️調査背景

本調査はフラッグス株式会社による「プロジェクトマネジメントの実態調査」の第3弾です。第1弾では成功定義・意思決定設計の不在という構造が炎上の土壌となっていることを明らかにしました。第2弾では複数プロジェクトの兼務が「見えない負荷」として蓄積し、炎上率を約5倍に押し上げる実態を紹介しました。

第3弾では、「なぜ同じプロジェクトなのにPMと現場で見えている景色が違うのか」という問いに焦点を当てました。情報はどのように管理・共有され、その受け止め方は立場によってどのように異なるのでしょうか。本リリースでは、属人化や情報散在という観点から、「認識断層」が生まれる背景を調査データとともに読み解きます。

◼️プロジェクト情報「十分に一元管理できている」PMと現場で32.8ポイントの認識差 

「プロジェクトに関する情報は一元的に管理されているか」という問いに対し、「十分にされている」と回答したのは全体の23.4%(55人)にとどまりました。また、管理する立場であるPMでも52.9%は「十分にされている」とは回答しておらず、組織全体として、一元管理に課題を感じている実態がうかがえます。

そのうえで、役職別に「十分に一元管理できている」と回答した割合を見ると、PMは47.1%だったのに対し、メンバー(*1)は14.8%、エンジニアは14.3%と、32.8ポイントの差が確認されました。

(*1)「メンバー」=プロジェクトメンバー(企画・業務・総務・営業など非エンジニア職)

この32.8ポイントの差は、何を意味するのでしょうか。

この結果は、PMと現場のどちらかが正しい、あるいは誤っていることを示すものではありません。同じプロジェクトに関わっていても、立場によって情報との関わり方や着目する対象が異なると考えられます。例えば、PMは「情報を管理できているか」という視点で捉える一方、現場のエンジニアやメンバーは「必要な情報が適切に共有されているか」という視点で受け止めているという見方もできます。つまり、「情報を管理している」という認識と、「必要な情報が届いている」という実感との間には差が生じる可能性があります。

では、この認識の差は、どのような背景から生まれているのでしょうか。管理する側では「管理できている」と捉えられていても、現場でその実感が十分に得られていないのであれば、その間では情報の流通に何らかの課題が生じている可能性があります。次章からは、その背景にあるプロジェクトの情報管理や情報共有の実態を、調査データとともに見ていきます。

◼️情報が十分に流通しない背景の一つ 属人化は77%で常態化  

情報の流通を妨げる要因はいくつも考えられますが、本調査で特に高い数値が確認されたのが、業務の属人化です。特定の担当者に情報や業務が集中すれば、他のメンバーがその情報にアクセスしづらくなり、「必要な情報が届いていない」という現場の実感につながりやすくなります。そこでまず、プロジェクト業務の属人化の実態を確認しました。

「プロジェクト業務が属人化していると感じることはあるか」と聞いたところ、「頻繁にある」(20.9%)と「ときどきある」(56.2%)を合わせた77.0%(181人)が、属人化を経験していると回答しました。

役職別に見ると、エンジニア(64.3%)を含む全ての役職で6割を超え、なかでもPM(85.3%)や部門責任者・経営層(84.7%)において8割を上回り、情報を管理する立場にある人ほど、属人化を強く実感しています。属人化は一部の現場だけで起きている問題ではなく、職位を問わず組織全体で生じている構造的な課題だといえます。注目すべきは、情報を管理する立場にある人ほど、属人化を強く感じている一方で、一元管理に対する認識は現場より高いという点です。この一見矛盾する結果は、管理の認識と現場の実態との間にギャップがあることを、あらためて示唆しています。

では、この属人化は、情報の流通に具体的にどのような影響を与えているのでしょうか。

◼️属人化によって生じやすい問題 引き継ぎ困難や情報探索など、情報の流通を阻む課題

属人化を経験した181人に、その具体的な影響を聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは「引き継ぎに時間がかかった・正しく引き継がれなかった」の38.1%(69人)でした。続いて、「情報が点在し、必要な情報を探すのに時間がかかった」が36.5%(66人)、「プロジェクト全体が把握しづらかった」が35.9%(65人)、「担当者が不在になると進捗や状況が分からなくなった」が32.6%(59人)となっています。

担当者が不在になるとプロジェクトが止まる。必要な情報がどこにあるのか分からない。全体像を把握できる人が限られてしまう。

ここで重要なのは、これらの影響がいずれも「情報が必要な人へ届きにくい」状態を指し示している点です。 属人化は単に業務を抱え込むという問題にとどまらず、情報が必要な人へ適切に届きにくくなる状態を生み出します。冒頭で見た、管理する側は「一元管理できている」と捉える一方で、現場ではその実感が得られにくいという32.8ポイントの差として表れた『認識断層』も、こうした属人化による情報流通の目詰まりが、その一因となって生じている可能性があります。

◼️情報散在が生む「二度手間」42.6% 「判断遅れ」41.3%               

属人化が進むと、情報は各担当者の手元に個別に蓄積され、組織全体で見ると保管場所も形式もばらばらになりがちです。その結果、必要な情報がどこにあるか分からず、必要なときに見つけにくい状態が生まれます。 では、そのような情報の散在は、プロジェクトにどのような影響を及ぼすのでしょうか。

「情報が散在していることで過去にどのような問題が発生したか」を聞いたところ(複数回答、n=235)、最多は「同じ情報を何度も作成・確認する二度手間が発生した」の42.6%(100人)でした。「進捗や状況を正確に把握できず報告・判断が遅れた」41.3%(97人)、「情報の収集・確認に時間がかかった」34.0%(80人)と続きます。

「特に問題は発生していない」は10.2%にとどまり、約9割が情報散在による何らかの問題を経験していました。 

情報が散在すると、必要な情報を探したり確認したりする時間が増えるだけではありません。本来共有されるべき情報が関係者に十分行き渡らず、報告や判断にも影響が生じていることがうかがえます。こうした情報の行き違いは、「何を優先すべきか」という共通認識にも影響している可能性があります。次章では、その点について調査結果をもとに見ていきます。

◼️情報が「流通しない」時、リソース調整で「優先順位の認識ズレ」が表面化           

優先順位の認識がそろわないとき、その影響が特に表れるのが、限られた人員や工数をどこに割り当てるかという「リソース調整」の場面です。何を優先すべきかが共有されていなければ、調整の判断そのものが難しくなります。

実際に、リソース調整が難しかった要因を確認したところ、優先順位の共有に関する課題が上位に挙がりました(複数回答)。最も多かったのは「共有はあったが、関係者間で優先順位の認識にズレがあった」の46.4%で、「プロジェクト・業務の優先順位が共有されていなかった」が42.1%と続きました。優先順位の共有に関する項目が上位を占めており、リソース調整の難しさには、優先順位が十分に共有されていない状況も関係していることがうかがえます。

優先順位が十分に共有されていない状態は、「認識断層」の一つの表れとも考えられます。では、このような状態はプロジェクト全体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。次章では、プロジェクト炎上との関係を見ていきます。

◼️属人化・情報流通不足とプロジェクト炎上の関連性    

最後に、ここまで見てきた属人化や情報流通不足と、プロジェクト炎上との関連性を見ていきます。

プロジェクト業務の属人化を経験した割合は、炎上経験者(n=104)では87.5%に達し、炎上経験がない層(68.7%)を18.8ポイント上回りました。また、兼務経験がある層(n=156)では88.5%が属人化を経験しており、兼務経験がない層(54.4%)との差は34.1ポイントとなっています(兼務と炎上の関係については、第2弾調査で詳しく取り上げています)。

さらに、炎上経験があり、かつ兼務経験もある層(n=95)では90.5%と、ほぼ全員が属人化を経験していました。これらの結果からは、属人化・兼務・炎上には一定の関連性があることがうかがえます。

これらの状況は、「何を優先すべきか」という判断軸の共有にも影響している可能性があります。そこで、リソース調整における優先順位の共有状況を、炎上経験の有無で比較しました。その結果、「プロジェクト・業務の優先順位が共有されていなかった」と回答した割合は、炎上経験者で53.8%(56/104人)、炎上経験がない層では32.8%となり、21.0ポイントの差が確認されました。

属人化や情報散在が生じている現場では、「何を優先すべきか」という判断軸が組織内で十分に共有されにくくなる可能性があります。今回の調査では、属人化や情報散在、さらに優先順位の共有状況と、プロジェクト炎上との間に一定の関連性が示されました。

◼️3回の調査から見えてきたプロジェクトの構造的課題  

第1弾から第3弾までの調査を通じて、日本のプロジェクト現場には共通する構造的な課題が見えてきました。

・成功の定義・意思決定ルールが設計されないまま走り始める(第1弾

・複数プロジェクトの兼務で誰の負荷も見えないまま、炎上リスクが高まる(第2弾

情報の属人化や情報の散在によって、必要な情報や判断軸が組織内で十分に共有されない(第3弾)

これらに共通しているのは、必要な情報や判断軸が、組織の中を十分に行き渡らないままプロジェクトが進んでいる点です。

「管理している」ことと、「必要な人に届いている」ことは必ずしも同じではありません。情報が存在していても、必要な人に適切に共有されなければ、意思決定には活かされません。その積み重ねが、プロジェクト全体を見えにくくしている一因になっていると考えられます。

では、この情報散在や属人化の課題を解決するために多くの企業が導入しているプロジェクト管理ツールは、現場の『認識断層』を解消できているのでしょうか。

次回(第4弾)では、ツール導入経験者の65.3%がExcelに回帰するという実態を通じて、「ツールを入れれば解決するのか」という問いに迫ります。

◼️プロジェクトマネジメント専門家より総括(フラッグス株式会社 代表取締役 林部正樹)

今回の調査を通じて見えてきたのは、PMと現場の認識差そのものではなく、その背景にあるプロジェクト運営の構造です。第1弾では意思決定ルール、第2弾ではリソース状況、第3弾では情報の流通に着目してきましたが、共通して浮かび上がったのは、プロジェクトに必要な情報や判断軸が、組織全体で十分に共有・活用されていないという構造です。

プロジェクトマネジメントでは、「管理していること」ではなく、「必要な人が同じ情報をもとに判断できる状態」をつくることが重要です。情報が存在していても、それが必要な相手に届かず、共通認識として機能しなければ、意思決定の遅れや優先順位のズレ、炎上リスクにつながる可能性があります。

これからのプロジェクトマネジメントでは、情報を「管理する仕組み」だけでなく、「必要な人に届き、意思決定につながる仕組み」をどう実現するかが、プロジェクト成功の重要な鍵になるでしょう。

フラッグス株式会社 代表取締役  林部正樹 

◼️調査概要

調査名:プロジェクトマネジメントの実態調査

調査方法:インターネット調査

調査期間:2026年1月21日〜2月3日

有効回答数:全国のITプロジェクト経験者235名

調査主体:フラッグス株式会社

※本調査の引用・転載時には出典(フラッグス株式会社)を明記ください。

※本リリースの詳細データはホワイトペーパーとして公開予定です。

※調査内容・データ詳細に関するお問い合わせや、報道関係者の取材・お問い合わせは
弊社営業担当又は、お問い合わせページまでご連絡ください。


◼️プロジェクトポートフォリオマネジメント基盤ツールFlagxs(フラッグス)について

Flagxs(フラッグス)は、20 年以上に渡り多数の大規模システム開発案件を経験した大手コンサルティングファーム出身者を中心とするプロジェクトマネジメントのエキスパートが開発した、プロジェクトポートフォリオマネジメント基盤ツールです。

特長は、WBSを「成果物」から逆算して設計する思想にあります。成功の定義を明確化し、それを構造として可視化することでプロジェクトの”成功を設計する”アプローチを実現します。進捗・課題・リソース・工数をリアルタイムで可視化し、複数プロジェクトを横断した稼働状況やリソースの偏りを一覧で把握できるため、特定のメンバーへの業務集中やリソース不足を早期に捉え属人的な調整に頼らない意思決定を支えます。Excelに近い操作感でデータ入力・集計を行い、そのまま可視化・レポート化まで完結できるため、現場の負担を増やすことなく意思決定基盤を構築できます。現在、中堅~大企業およびSI企業を中心に、事業/プロジェクト成功をサポートしています。

◼️フラッグス株式会社について

「困難に挑戦する人を支え、すべてのプロジェクトを成功に導く」をミッションに、プロジェクト/事業の生産性向上を支援するプロジェクトポートフォリオマネジメント基盤ツール「Flagxs(フラッグス)」を展開。

また、プロジェクト推進コンサルティング支援やFlagxs導入定着支援、人材育成支援なども提供しています。これらを通じ、プロジェクト/事業の生産性向上と、データドリブンなプロジェクト推進環境の実現を支援しています。

商号

フラッグス株式会社

代表取締役

林部 正樹

所在地

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-16-16 リードシー渋谷道玄坂ビル4F

事業内容

プロジェクトマネジメントに関わるコンサルティングおよび、インターネットサービスの開発・運用・保守

会社に関する情報

https://www.flagxs.com/

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会社概要

フラッグス株式会社

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URL
https://www.flagxs.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂1丁目16番16号 リードシー渋谷道玄坂ビル4F
電話番号
03-6786-8600
代表者名
林部正樹
上場
未上場
資本金
1億4000万円
設立
2020年05月