CUBE-LIOがロボティクス・シンポジア最優秀賞を受賞

~独自SLAM技術の研究成果が高く評価~

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社(本社:大阪府大阪市、以下 当社)は、ロボティクス分野の国内有数の学術会議である「ロボティクス・シンポジア」において、当社の研究成果「CUBE-LIO」が最優秀賞を受賞したことをお知らせします。本受賞は、提案手法の新規性・技術的妥当性・実証結果および発表内容を含めた総合評価により選出されたものです。

■受賞の概要

ロボティクス・シンポジアは、ロボティクス分野において厳格な査読と活発な議論を特徴とする学術会議であり、採択論文の中でも特に優れた研究に対して最優秀賞が授与されます。
今回受賞した「CUBE-LIO」は、LiDARとIMUを用いた自己位置推定(LIO: LiDAR Inertial Odometry)において、従来手法に対する精度向上および安定性向上を実現した点が高く評価されました。

LiDAR: Light Detection and Ranging : レーザー光を照射し、反射して戻ってくるまでの時間から対象物との距離や形状を高速・高精度に測定するセンシング技術

IMU: Inertial Measurement Unit:慣性計測ユニット

■ CUBE-LIOの核心技術

本研究では、LiDARがもともと持つ「強度(Intensity)」情報に着目しました。

論文では、以下の3つの技術的貢献を示しています。

  1. キューブマップ投影(Cubemap Projection)

    従来手法の多くは「正距円筒投影(equirectangular projection)」を使用していましたが、これは極付近で大きな歪みが生じます。

    CUBE-LIOでは、3D点群を6面キューブ画像へ投影する方式を採用。

    • 極付近の歪みを大幅低減

    • 計算量を削減(アブレーションでは約38〜43%高速化)

    • ソリッドステートLiDARにも対応

    特に、ドローンのように下向き観測や、広角観測するケースで優位性が顕著です。

  2. IGM(Intensity Gradient Magnitude)最適化

    生の強度値ではなく、「強度の勾配(変化量)」を直接最適化する手法を提案。

    これにより、

    • 距離変化

    • 入射角変化

    • センサノイズ

    に対してロバストなフォトメトリック制約を構築できます。

    アブレーション結果では、単純なIntensity最適化よりIGM最適化の方が明確に高精度であることが示されています。

  3. 幾何+フォトメトリックの同時最適化

    従来の幾何ベースLIOに加え、強度勾配制約を緊密結合(tight coupling)で統合しています。

    その結果:

    • ENWIDEデータセットでは10シーケンス中9つでCOIN-LIOを上回る

    • MARS-LVIGの退化環境で最良精度を達成

    • Featureless環境で顕著なドリフト低減

    と、既存SOTA(State-of-the-Art)を超える結果を達成しました。

特に、長く続く平面壁・低特徴量環境・トンネル環境における安定性が大きな差別化ポイントです。

■動画

論文の説明動画はこちら。性能比較やCUBE-LIO特長を動画でご覧いただけます。

■ 当社製品への搭載

本研究成果は以下の当社製品へ搭載してまいります。

これにより、

  • 工場・倉庫など単調な環境でのAMRの位置精度向上

  • トンネルなどの低特徴量空間の空間把握精度向上

  • ドローン測量用途での退化環境耐性向上

を実現していきます。

■ 今後の展望

当社は今後も、ロボティクスおよび空間認識技術の研究開発を推進し、社会課題の解決に貢献してまいります。また、学術的成果と実用技術の両立を図りながら、産業分野への展開を加速していきます。

パナソニック アドバンストテクノロジーについて

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社は、パナソニック ホールディングス株式会社の関連会社として、ソフトウェアおよびシステム開発を中核に、社会インフラやモビリティ分野の先進技術を提供しています。

自動車の機能安全に対応した車載ECU開発をはじめ、建設機械の自動運転システム、物流現場を支えるモノ搬送ロボットの開発など、モビリティ領域における高度なソフトウェア技術で社会の自動化を推進しています。

また、自社製品として、自律移動ロボット向けソフトウェアパッケージ 「@mobi」、かんたん3D空間スキャナ「@mapper」、機能安全規格に対応した無線非常停止デバイス 「@seguro wes」 など、現場で使えるソリューションを展開しています。

さらに、モビリティ技術にとどまらず、IoT、住宅、医療、セキュリティ分野にも取り組み、安心と安全を核とした未来の社会基盤の創造を目指しています。

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会社概要

URL
https://adtsd.jpn.panasonic.com/
業種
情報通信
本社所在地
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6900-9742
代表者名
前田崇雅
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2007年04月