サクソバンク 2024年第1四半期アナリスト予想を発表
〜日銀の出口政策は緩やかなものになると予想〜
2024年第1四半期予想の全文は下記のサイトからご覧いただけます。
https://www.home.saxo/ja-jp/insights/news-and-research/thought-leadership/quarterly-outlook
第1四半期に市場で大きく注目される可能性が高いのは、日銀がマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロール(YCC)を解除するかどうかという点です。日銀が方向転換する好機を失いそうなことから、緊急度が高まっています。というのは、世界の中央銀行は2024年中に中立ないしハト派へスタンスを変える可能性が高いためです。もっとも、日銀の出口政策は緩やかで小幅なものになると当グループは考えており、YCCの完全な撤廃を市場が期待するならば、それは残念な結果に終わる可能性が高いと見ています。日銀がYCCからの完全な離脱を検討するには、流動性リスクと政治リスクが依然として高すぎ、賃金交渉の結果が出る前に動くことは信頼を損ないかねません。とはいえ、円は日銀の問題でありながらFRBによって解決することもできると思われ、2024年に反発する可能性が最も高い通貨です。日銀の政策転換に対する期待も引き続き円買いを助長しますが、この期待は2024年中にいずれ裏切られる可能性が高いと考えています。世界的な金融緩和サイクルの開始は金融政策の違いを縮小させるため、為替キャリー戦略に対する警告でもあります。
四半期予想の全てのトピックは以下をご覧ください。
2024年第1四半期予想のトピック
株式:新たな極限状況と難しい投資機会
2024年の株式市場にとって重要な問題は景気後退が起きるかどうかです。投資家は、コモディティ、サイバーセキュリティ、防衛関連の株式や英国株、欧州株をオーバーウェイトにし、米国の超大型株(メガキャップ)をアンダーウェイトにするべきではないかと考えられます。
担当:ピーター・ガンリュー
債券:誰もが債券に関心がある
2024年の市場は成長鈍化、インフレ率の低下、地政学的緊張から変動が激しくなると予想されます。中央銀行は大幅な利下げをためらう可能性が高く、その結果、債券市場は不安定になるでしょう。投資家は質の高いソブリン債を重視すべきですが、一方で一部の社債への投資も検討対象になり得ます。
担当:アルテア・スピノッツィ
為替:高利回り通貨は魅力を失い始める
2024年に入ると、焦点は債券利回りやインフレの見通しから成長の回復力や相対比較に移ります。米ドル安が定着するには、世界の他の中央銀行の「より高くより長く」というシナリオの行方を見極める必要があり、まだしばらく時間がかかるかもしれません。円とアジア通貨は、利回りを主因とするドル安地合いの下で大きく反発する余地がありますが、地政学的情勢と選挙が依然として重要なリスクとなります。
担当:チャル・チャナナ
コモディティ:金属の年
今年は金、銀、プラチナ、銅、アルミニウムを中心に金属の年になる可能性があります。貴金属については、実質利回りの低下見通しや無利息のポジションの保有コスト低下が、過去7四半期にわたって投資家が売り越している上場商品などを通して需要を下支えする、と当社は考えています。工業用金属は供給の混乱、資金調達コストの低下に伴う業界の在庫補充、中国以外の低迷を相殺する中国の需要の継続的な伸びによって恩恵を受ける立場にあります。特に、勢いを増しつつあるグリーン・トランスフォーメーションがこの需要を牽引し、2024年に経済見通しの悪化の影響を被る可能性のある従来のエンド・ユーザーの銅・アルミ需要に取って代わる場合もあるとみられます。
担当:オーレ・ハンセン
マクロ:明るい未来はどこに消えた?
かつて明るく輝いていた未来は今、かつてないほど暗いものになっています。地政学的紛争は解決されることなく増えています。政治的変化を求める声は広がっており、それは極左・極右政党の台頭に表れていますが、結果は残念ながら相変わらず似たりよったりです。これは、ほとんどの政治的主張が過去の改革案を繰り返したり薄めたりしたものに過ぎないからです。文化的活動でさえ、繰り返しや再上演が圧倒的に多くなっています。産業や文化、政治における生産性はほとんどなくなってしまいました。
担当:スティーン・ヤコブセン
ポピュリズムの台頭:極右政党が与える未来への影響
欧州全体にわたってポピュリスト極右政党が急速に勢力を伸ばしており、その政策の経済的帰結をめぐって懸念が高まっています。この変化を促している背景は複雑ですが、経済的な不安、文化的な懸念、政治的な不満の組み合わせが、この勢力伸長を後押ししています。
担当:ピーター・シクス
中国への投資:経済的困難の中で第1四半期を乗り切る
2023年第4四半期に開催された中国の政治会議では、景気対策を優先させなければという切迫感が欠けていました。戦略の方向性は2024年第1四半期の3中全会次第です。テクノロジー、先進的な製造業、エネルギー、グリーン・メタルは、課題や不確実性を伴うものの中期的成長に向けた豊かな基盤を提供することができます。
担当:レドモンド・ウォン
レポートの全文は下記のサイトで無料で閲覧することができます。
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サクソバンク(Saxo Bank A/S)について
1992年に設立されたサクソバンク(Saxo Bank A/S)は、オンライントレーディングのリーディングカンパニーとして積極的なIT投資を行い、テクノロジーに注力してきた金融機関です。デンマーク金融監督庁の認可を受け、同国コペンハーゲンに本社を置き、現在ではロンドン、アムステルダム、シンガポール、上海、香港、シドニー、東京、パリ、チューリッヒ、ドバイなど、世界中の金融センターに2,500人以上の従業員がいます。サクソバンクの取引・投資プラットフォームは世界180カ国以上の顧客やパートナーに70,000以上の商品を提供しています。
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サクソバンク証券株式会社は2006年に設立され、サクソバンク(Saxo Bank A/S)の100%子会社であり、金融庁の認可を受けたオンライン証券会社です。150種類以上の通貨ペアを提供する外国為替証拠金(FX)、9,000銘柄以上を取り扱うCFD、米国・欧州・中国をはじめとする11,000銘柄以上を取り扱う外国株式など多彩な商品を競争力のある取引手数料で提供しています。より詳しい情報はホームページをご覧ください。
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