横溝正史『死仮面〔オリジナル版〕』即重版! 甲賀三郎『盲目の目撃者』も同時刊行、大好評発売中!
春陽文庫 探偵小説篇 刊行開始!
株式会社春陽堂書店(東京都中央区銀座3-10-9)は、横溝正史『死仮面〔オリジナル版〕』、甲賀三郎『盲目の目撃者』を2024年9月26日(木)に同時刊行いたしました。
■おすすめポイント
この度、春陽文庫では探偵小説篇を刊行開始、第一弾として、長らく絶版で古書価格が高騰、入手困難だった横溝正史『死仮面〔オリジナル版〕』と、戦前、江戸川乱歩と並び人気を二分した甲賀三郎の中編小説集『盲目の目撃者』を刊行。
全巻装画は横尾忠則さん、帯は石坂浩二さんと横尾忠則さん、装丁は柳川貴代さん。解説は日下三蔵さんの豪華布陣です。
発売前から探偵小説ファンだけでなく、SNSでも話題沸騰! 東京・神保町「東京堂書店」の文庫売上ランキング3位にランクイン(9月24日~30日分)、翌週も4位(10月1日~7日)、東京・池袋「ジュンク堂書店池袋本店」文庫ランキング8位(9月22日~28日)売り切れ店続出、大好評発売中です。
■探偵小説」の春陽文庫、再始動!
二〇二二年九月、春陽文庫が池波正太郎の直木賞受賞作品集『錯乱』を復刊したところ大変な好評を博し、定期的な刊行が久しぶりにスタートしたのは、大衆娯楽小説界の大きな事件であった。司馬遼太郎、柴田錬三郎、山岡荘八、高木彬光らの旧作を復刊するだけでなく、山田風太郎、笹沢左保、松本清張、皆川博子と春陽文庫既刊以外の優れた作品も収録し、そのラインナップは充実しつつある。筆者は縁あって、刊行する作品の選定アドバイザーを頼まれているのだが、いずれは「時代小説」だけでなく、現代ものの「ミステリ」も出して欲しいと、ずっと思っていた。「ユーモア小説」や「現代小説」も相当数を刊行していたものの、やはり往年の春陽文庫の二本柱といえば、「時代小説」と「推理小説」の二つだろう。さらに以前に日本小説文庫、春陽堂文庫まで遡れば、戦前の探偵作家で春陽堂から著作を出していない人の方が少ないくらいだ。実際、読者からのリクエストも多く、ついに新生春陽文庫の探偵小説部門として、何冊かを刊行できる運びとなった。横尾忠則さんに装画を引き受けていただき、大正から昭和初期にかけて活躍した作家の、入手困難な作品を、一人一冊ずつお届けしていきたい。読者の支持を得て刊行が続けば、現代の読者はもちろん、数十年後のミステリファンからも、ぜひ読んでおきたい、と思ってもらえるようなシリーズに発展していくはずである。多くの皆さまから、ご注目とご声援をいただければ幸いである。
日下三蔵(文芸評論家)
■横溝正史『死仮面〔オリジナル版〕』について
・幻の第4回を初出誌から収録した入手困難のオリジナル版、待望の復刊!
・著者直筆の訂正が入った草稿を25ページ写真版で特別収録。
横溝正史タッチ全開!
私が云うのもなんですが
金田一耕助は名探偵です。
石坂浩二
春陽文庫旧版を買い逃して悔しい思いをしていた読者には「お待たせしました」、角川文庫版はすべて読んでいるんだけど、という読者には「ご安心ください、角川文庫とのテキストの重複はありません」、本書で初めて横溝正史の作品を読む、という読者には「おめでとうございます。これから日本屈指のストーリーテラーの作品を何十冊も楽しむことが出来ますよ」と、それぞれお伝えして、この解説の結びとさせていただきます。
日下三蔵(編者解説より)
■あらすじ
「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警の磯川警部から駅前のマーケットで起きた奇妙な事件の話を聞く。殺人容疑者の女が腐乱死体で発見され、現場には石膏のデス・マスクが残されていたというのだ。やがて舞台を東京に移した「死仮面」事件の謎に、金田一耕助が挑む! 初文庫化短篇「黄金の花びら」併録。さらに著者直筆の訂正が入った草稿を写真版で特別収録した決定版! 解説・山口直孝 日下三蔵
■著者プロフィール
横溝正史 よこみぞ・せいし
一九〇二(明治三十五)~一九八一(昭和五十六)年。本名・正史(ルビ:まさし)。神戸市生まれ。大阪薬学専門学校卒。一九二一(大正十)年、「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。二六年に江戸川乱歩の勧めで上京し博文館に入社。三二年から作家専業となる。疎開先の岡山県で終戦を迎え、四八年には『本陣殺人事件』で第一回探偵作家クラブ賞を受賞。以後、『獄門島』『八つ墓村』などの本格長篇を次々と発表した。七一年から旧作が角川文庫に収録されると国民的横溝ブームが巻き起こり、それを承けて最晩年まで新作を発表し続けた。
■書肆情報
書名:『死仮面〔オリジナル版〕』
著者:横溝正史
本のサイズ:A6判(文庫判)/308ページ
発行日:2024/09/26
ISBN:978-4-394-98010-0
価格:1,100円(税込)
■甲賀三郎『盲目の目撃者』について
戦前、江戸川乱歩と人気を二分した本格派の重鎮の中篇傑作集!
探偵小説は僕の絵の霊感源です。いつもそばに!
横尾忠則
甲賀君が探偵小説壇に残した功績は大きい。終始一貫して、本格探偵小説ばかりを書き進めた点なども、畏敬すべきことであろう。本全集を推理と娯楽性にすぐれた好読物として、江湖に推賞する。
江戸川乱歩
湊書房版『甲賀三郎全集』推薦文より
■あらすじ
嵐で沈没した客船ブラジル丸から奇跡的に救出された船医の井田は、帰国後、酒浸りの無為な日々を送っていた。彼はカフェで出会った謎の青年の依頼で、もう一人の生存者である富豪の相続人・民谷清子を訪ね、殺人事件に巻き込まれてしまう……。二転三転する事件の意外な結末とは? 他に「山荘の殺人事件」「隠れた手」を併録。さらに横溝正史のエッセイ「好敵手甲賀・大下」も収録。解説・日下三蔵
■プロフィール
甲賀三郎 こうが・さぶろう
一八九三(明治二十六)~一九四五(昭和二十)年。本名・春田能為(ルビ:よしため)。滋賀県生まれ。東京帝国大学工学部卒。農商務省臨時窒素研究所に技師として勤務する傍ら探偵小説を精力的に発表。一九二三(大正十二)年、「真珠塔の秘密」でデビュー後、短篇「琥珀のパイプ」「ニッケルの文鎮」、長篇『支倉事件』『乳のない女』『姿なき怪盗』など、夥しい作品を発表して人気を博した。二八(昭和三)年から作家専業。謎解き重視の「本格」を提唱したが、自身の作品はサスペンスものが多い。
■書肆情報
書名:『盲目の目撃者』
著者:甲賀三郎
本のサイズ:A6判(文庫判)/408ページ
発行日:2024/09/26
ISBN:978-4-394-98011-7
価格:1,045 円(税込)
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