2月1日は『フレイルの日』、「40歳以上に聞く、プレフレイル実態調査」コロナ禍で高まる「フレイル予防」の重要性
「フレイル* 」認知度は、わずか11.0%。アンケート調査では40歳以上の53.4%が「フレイル」または「プレフレイル」に該当
「フレイルフリー」(健常)の人は健康のため「運動」「趣味や余暇の活動」「ストレスをためない」など実施
~フレイル対策に、毎日のコラーゲン習慣~
(*「フレイル」とは:健康な状態から要介護状態に陥るまでの中間的な段階で、運動機能や認知機能等の低下により生活に支障が出ること。フレイルとはの欄をご参照ください)
詳しい調査結果は以下のとおりです。
1. コロナ禍における健康・生活実態「コロナ禍での心身の健康意識の高まり」
■ コロナ前と比較し、約6割が「人との交流が希薄になった」、約5割が「運動することが減った」。新型コロナウイルス感染拡大前の3年前と比較した生活環境や職場環境、気持ちの変化を聞いたところ、「在宅時間が増えた」「在宅の方が居心地よく感じるようになった」がそれぞれ56.3%で最も多く、在宅での生活スタイルの定着がうかがえます。また「人との交流・つながりが希薄になった」(55.8%)と感じている人が半数以上であることが分かりました。また、「食事の栄養や内容に気を遣うようになった」(49.8%) 、「運動することが減った」(49.5%)という人も多いようです。
■ 在宅時間の増加により感じる課題は、「運動不足」「体力低下」「人との交流が無い」
コロナ前より在宅時間が増えた人に、それにより感じる課題を聞くと、「運動不足」(56.5%)、「体力が落ちた」(45.9%)、「人との交流が無い/減った」(43.5%)が上位となりました。人に会う機会の減少からか「身だしなみを気にしなくなった」(32.5%)という人や、「ストレスが増えた」(30.5%)、「以前より意欲・やる気が無くなった」(29.9%)など、メンタル面の不調を感じている人も多いようです。コロナ前から生活環境が大きく変化し、運動の機会や人との交流の機会の減少が顕著であることが分かる結果となりました。
■ 4割以上が「身近に悩みを相談できる人がいない」
今現在、悩みを気軽に相談できる人が周囲にいるかを聞いたところ、「いる」と回答したのは56.3%と6割未満となる一方、43.7%は「いない」と回答。4割以上の人は、悩みがあっても気軽に相談できる人がいないという実態が明らかになりました。
■1年前より、約7割が「体の健康状態を意識」、約6割が「心の健康状態を意識」するように
【体】と【心】の健康意識について、1年前と比較した変化を聞きました。
【体】の健康状態について、1年前よりも意識するようになった人は68.7%(「とてもそう思う」「まあそう思う」の合計)で約7割もの人が回答しています。
【心】の健康状態については、1年前よりも意識するようになったと回答した人の合計は59.7%で約6割となりました。コロナ禍で在宅時間が増加する中、運動不足などの課題を感じる人が増えており、40歳以上の人の多くはこの1年間で心身の健康への意識が高まっているようです。
2. フレイル実態:「フレイル」認知度は、わずか11.0%
フレイルは、英語の「Frailty(虚弱)」からきた言葉です。健康と要介護状態になる中間的な段階を表し、加齢と共に心身の活力が低下し、人が脆弱な状態なったことを指し、適切な治療や予防を行うことで、要介護に陥ることを防げるとされています。フレイルには、筋力低下による身体的、認知症やうつなど精神・心理的、独居や経済的困窮などの社会的フレイルが含まれます。
参照:https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/review_51_6_497.pdf
改訂日本版フレイル基準(※):5つの評価基準のうち、3項目以上に該当=「フレイル」、1~2項目に該当=「プレフレイル」、いずれも該当しない「フレイルフリー」(健常)とする。フレイルの評価として、国際的によく用いられているFriedらのフレイルの評価基準をもとに、日本人高齢者に合った指標(1.体重減少、2.筋力低下、3.疲労感、4.歩行速度、5.身体活動)に修正し、2020年に改訂されたもの。
(参照):Satake S and Arai H. Geriatr Gerontol Int. 2020; 20(10): 992-993
■「フレイル」認知度は、わずか11.0%
「フレイル(フレイルティ)」を知っていると回答した人は11.0%で、40歳以上の「フレイル」認知度は約1割にとどまることがました。「聞いたことはあるが意味は知らない」(18.5%)人は、約2割。
アンケート調査では40歳以上の約1割が「フレイル」の基準に該当
■ 40歳以上の5割以上が「フレイル」または「プレフレイル」のリスクあり?
本調査のスクリーニング調査において「改訂日本版フレイル診断」(P4参照)に基づき回答者の自覚症状を聴取したところ、対象となる40歳以上の人のうち、9.6%と約1割が「フレイル」、43.8%と4割以上が「プレフレイル」の基準に該当し、合わせて53.4%が「フレイル」または「プレフレイル」に該当するという結果になりました。
年代別では、「フレイル」の自覚症状が最も多いのは40代(13.1%)で1割以上となりました。「プレフレイル」は50代(51.1%)で最も多く、50代では61.4%と6割以上が「フレイル」「プレフレイル」に該当しています。
筋力や歩行速度の計測は行っていないため、自己申告による結果になりますが、40代、50代でも「フレイル」「プレフレイル」にあてはまるリスクがあることがうかがえます。
■「フレイル」が最も多かったのは「関西」。「フレイルフリー」が多いのは「九州・沖縄」
改訂日本版フレイル診断に基づいた自覚症状を地域別にみると、「フレイル」基準該当者が最も多いのは「関西」(11.2%)で、「中国・四国」(10.3%)と共に1割を超えています。「中国・四国」は「プレフレイル」が56.1%と最も多く、合わせて66.4%と約7割の人が「フレイル」または「プレフレイル」に該当する可能性があることが分かりました。
一方、「九州・沖縄」では「フレイルフリー」が51.3%と最も多く、「北海道+東北」でも50.3%で5割を超え、日本列島の北と南で、良好な健康状態の人が多いことが分かりました。
■「適切な運動を実施」は3割以下「活気に溢れている」自覚は4割以下
身体的・精神的・社会的の3つの面を評価できる11項目の質問からなる「イレブンチェック」を実施しました。
「⑤1日30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか」では、70.2%が「いいえ」と回答。日常的に適切な運動量をキープできている人は3割以下であることが分かりました。
「⑩自分が活気に溢れていると思う」人は36.4%で、4割以下と少ない結果となりました。
「⑨1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をする」人は66.9%で、33.1%は「いいえ」と回答しており、約3人に1人が日常的に孤食状態にあるといえます。
■イレブンチェック
フレイルとなる高齢者を早期に発見して支援を行う介護支援事業の生活機能評価で、フレイルの身体的、精神的、社会的の3つの面(栄養、歯科口腔、運動、社会性、うつ、等)をチェックできる基本チェックリスト。
(参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000136676.pdf)
「フレイル」「プレフレイル」「フレイルフリー」 (自己申告) 3グループの意識比較
■ 健康の秘訣⁉「フレイルフリー」の人は「運動」実施率が高く、「趣味や余暇の活動」にも積極的
自分自身の健康のために意識していることについて、「フレイル」「プレフレイル」「フレイルフリー」(自己申告)の3グループそれぞれの結果を比較したところ、全グループで最も意識されているのは「睡眠をしっかりとる」ことでした。「フレイル」(43.5%)の人よりも「プレフレイル」(54.5%)「フレイルフリー」(54.0%)で10ポイント以上多く、睡眠が心身の健康に影響する様子がうかがえます。
「フレイルフリー」の人の特徴をみると、「運動をする」(フレイル:14.0%、プレフレイル:22.5%、フレイルフリー:51.5%)割合が特に高く、「プレフレイル」とは29.0ポイント、「フレイル」とは37.5ポイントもの差が開いています。また、「趣味や余暇の活動を行う」(フレイル:15.5%、フレイルフリー:28.5%)でも「フレイルーフリー」は「フレイル」より13.0ポイント高く、運動や趣味の活動が心身の健康の秘訣であるといえそうです。「ストレスをためない」(48.5%)、「生活リズムを崩さない」(44.0%)ことを意識している人の割合も、「フレイルフリー」が3グループの中で最も多いことも分かりました。
3. 将来の健康について
将来の心身の健康に対する不安と、健康のために実践したいこと
■ 自己申告で「フレイル」に該当する人は、「将来の心身の健康」に不安を感じている割合も高い
将来の健康(ここでは、「いつまでも心身が元気でいる状態」を指す)に不安を感じているかについて「フレイル」「プレフレイル」「フレイルフリー」(自己申告)3つのグループごとの結果を比較しました。
将来の【体】の健康については、「不安」(「とても不安」「まあ不安」の合計)とした人の割合は、「フレイル」(86.5%)、「プレフレイル」(84.5%)では8割以上と多い一方、「フレイルフリー」では64.0%となり、20ポイント以上の差がつく結果となりました。
将来の【心】の健康が「不安」な人は、「フレイル」(79.0%)が約8割で多く、「プレフレイル」(64.0%)とは15.0ポイント、「フレイルフリー」(48.5%)とは30.5ポイントもの差がつきました。
「フレイル」に当てはまる人は、将来の心身の健康に不安を感じる人の割合がより高いことが明らかになりました。また、【体】だけでなく【心】の健康についても不安を感じる人が全体で63.8%もいることから、心身両面での健康管理が重要といえそうです。
■ 将来「誰にも頼らず自分でなんでもできる」ことを理想だと考える人が多い
美と健康において、将来ありたいと思う姿については、「体力を維持させる」(51.7%)と回答した人が最も多く、2位の「誰にも頼らず自分でなんでもできる」(50.8%)と並んで5割以上が回答しました。「今の美しさと健康状態を維持する」(28.2%)も約3割となり、現在の体力・美・健康状態を維持し、「自分で何でもできる」ことを理想とする人が多いことが分かりました。
■ 将来の健康のため、「睡眠」「食生活」「運動」の他、「人とのコミュニケーション」も重要視
将来の健康のために実践したいことでは、1位「十分な睡眠」(57.8%)、2位「健康な食生活」(55.7%)が共に約6割で多く、3位には「運動」(52.0%)がランクイン。また5位「家族とのコミュニケーション」(34.2%)は3割以上、7位「友人や社外の人とのコミュニケーション」(26.5%)は4人に1人以上となり、友人や社外の人とのコミュニケーションを健康の源と捉え、実践したいと考える人も多いことが分かりました。
4. 栄養について、コロナ前よりも食事の栄養や内容に気を遣っている人が約5割
■ 約5割が「コロナ前より、食事の栄養や内容に気を遣うようになった
「コロナ前より食事の栄養や内容に気を遣うようになった」人は49.8%(「とてもそう思う」「まあそう思う」の合計)で、約半数となりました。コロナ禍の生活変化で健康意識が高まる中、栄養や内容を考えて食事を取るようになったという人も増えているようです。
■ 約6割が「十分に栄養を取れている」、5割以上が「十分にタンパク質を取れている」と考えている
今の食生活で「十分に栄養を取れている」と考える人は57.0%(「とてもそう思う」「まあそう思う」の合計)で約6割、「十分にタンパク質を取れている」と考える人は53.2%で5割以上となり、過半数の人は今現在の食生活での栄養状態が良好であると考えていることが分かりました。
「タンパク質」の1日の推奨量や重要性についての認知率向上が必要
■1日のタンパク質摂取量として推奨されているのは成人男性65~60g、成人女性50g(※1)とされており、ゆでたまご(50g)1個に含まれるタンパク質量(6.25g) ※2で換算すると、男性は(60gの場合) 「ゆでたまご9個分」、女性は「ゆでたまご8個分」になります。
※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、※2文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
■「コラーゲンは「フレイル」対策としても有効である」ことを知っている人は11.8%
健康のために重要な栄養素「タンパク質」「コラーゲン」についての理解度では、「将来の健康のために特にタンパク質摂取が重要な要素を占める」(44.3%)の認知度は、4割以上となりました。「体内のコラーゲンは20歳から代謝が低下し、外から摂取することが重要である」(39.5%)も約4割となり、特に女性は美容への関心の高さからか、50.0%が認知していました(男性29.0%)。
一方、「コラーゲンは、皮膚や骨、血管に存在しており、人間の体内で一番多いタンパク質である」(31.3%)ことを知っている人は約3割、「コラーゲンは『フレイル』対策としても有効である」(11.8%)は1割にとどまります。
■抗加齢医学研究の第一人者 伊賀瀬教授に聞く、フレイル予防
伊賀瀬 道也 (いがせ みちや)
愛媛大学大学院 医学系研究科 抗加齢医学(新田ゼラチン)講座教授
愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長兼任
1964年、愛媛県生まれ。2006年、抗加齢センター(現・抗加齢・予防医療センター)を開設後、4,000人を超える患者に指導を続ける抗加齢医学研究のトップランナー。著書に『国立大学教授・医師が考案 自身の肥満体形を克服した『1分 ゆるジャンプ・ダイエット』、『 100歳まで生きるための習慣100選』など。
▶ コロナ禍の生活変化で増す、「フレイル」要因。若くても家にこもることで増す健康リスク
調査結果にある、コロナ禍で感じられている課題「運動不足」「体力低下」は「身体的フレイル」に、「人との交流が無い/減った」は「社会的フレイル」につながる要因となります。一般的に60代以上に多い「フレイル」。今回のアンケート結果では若い世代の方が基準に該当する割合が高くなっていますが、高齢者と比べて若い人は筋力低下や疲労感を自覚しやすいことが影響しているのかもしれません。しかし若い世代であっても、家にこもった生活や偏った食生活によって「フレイル」となり得ることに注意しなくてはいけません。
▶ コロナ禍で高まる「健康意識」にみる、良い面と悪い面
コロナ禍で、自分の健康について考える機会が増えたのはとても良いことだと思います。一方、以前は気にならなかった軽い風邪症状でも周りの目が気になるなど、人との交流が減少した結果、ストレスが増えている人が多いです。また地域別の結果では「関西」の人の「フレイル」率が高く「九州・沖縄」が低い結果になりました。これはコロナ禍でのストレスが日常的に他人とのコミュニケーションを大切にする「関西」の人にとっては大きく影響してしまっているのではないかと感じました。今回、「フレイルフリー」の人は「睡眠・ストレスをためない・生活リズム・食事・運動」などを意識しているという結果が出ました。これらはどれも「フレイル」予防にとても効果的な習慣です。
「フレイル」の認知度は現状11.0%との結果でしたが、健康意識が高まる中、心身の健康に加えて社会的な活動を含めた「フレイル」という考え方は今後も広まっていくと考えています。
▶ 「食事・運動・睡眠」+「コミュニケーション」でフレイル予防。目標は「健康寿命を延伸させる」
「フレイル」予防のため、私自身が日常生活に取り入れていることは、毎日、早歩きで4,000歩以上歩くこと。またなるべく車を使わず、一つ先のバス停まで歩くようにしています。若い人の筋力はすぐに回復しますが、65歳以上の人が1日寝たきりで過ごすと、筋力を戻すのには1週間以上かかるといわれます。「家でじっとしていたい」と思う日でも、1日に1回は必ず外に出ることを体と心の健康のために続けてほしいです。
▶ フレイル予防 ~ 「1日1回は外に出る」ことを習慣に
将来「誰にも頼らず自分でなんでもできる」ことを理想とする人が多くみられましたが、「何も頼らない」と強迫観念的に考える必要はありません。「食事・お風呂・トイレ」といった、できれば自分自身でやりたい身の回りのことを行える平均年齢は、現在の日本では女性は75歳、男性は72歳くらいまでです。これを伸ばす「健康寿命の延伸」つまり「フレイルにならない」ことが、私たちの大きな目標です。それには「食事・運動・睡眠」の3本柱に加え、認知機能対策には人との「コミュニケーション」が大切です。
▶ 「朝、良質なタンパク質を」~日常生活で取り入れやすい「フレイル予防」
「フレイル」予防には、良質なタンパク質の摂取が大切です。私が患者さんによくお勧めするのは、 和食を中心とした食事で、朝食にたまご1個と牛乳200mlを取り入れること(※持病やアレルギーの有無により異なります) 。タンパク質は、朝に多めにとると良いというデータは多数あります。
▶ さまざまな効果が期待できる「コラーゲン=タンパク質」も上手に取り入れて
「コラーゲン」が「タンパク質」であることは実はあまり知られていないのですね。「コラーゲン」は血管、抗糖化作用に効果があります。糖質過剰や脂質過剰などの食習慣により体内では終末糖化産物(AGEs)が蓄積し、これらは認知症や糖尿病、心疾患、骨粗しょう症などのリスクを高めます。コラーゲンの抗糖化作用によってこれら終末糖化産物が改善傾向になることが明らかになっています。「フレイル」予防として「コラーゲン」の摂取はぜひ取り入れていただきたいです。
■■■ 新田ゼラチンについて ■■■
1918年の創立以来100年以上、コラーゲンの“無限の可能性”を追求し、研究開発を続けてきた大手コラーゲン・ゼラチンメーカー。全ての人々の『元気で若々しくありたい』という願いを叶えることを目指し、製品やソリューションを食品や健康食品市場に提供しています。
■『フレイルFREE Project』について
弊社が世の中から「フレイル」を少しでも減らすために、フレイル対策の必要性を啓発するプロジェクトです。詳しくはサイト、SNSをご覧ください。
フレイルFREE Project 特設サイトURL :https://frailfree.nitta-gelatin.co.jp
フレイルFREE Project 公式Instagram :@frailfree_project
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像