【新刊のご案内】東浩紀『訂正可能性の哲学』9月1日発売!
「本書は、五二歳のぼくから二七歳のぼくに宛てた長い手紙でもある。」──『存在論的、郵便的』から25年。四半世紀越しの問いが、いま解かれる。
<編集部より>
2017年に刊行された『ゲンロン0 観光客の哲学』から6年。東浩紀の新たな主著が誕生しました。本書は第71回毎日出版文化賞をいただいた『観光客の哲学』の続編であり、著者が25年前に『存在論的、郵便的』で積み残した「ひとは何故哲学をするのか」という謎への答でもあります。「正しさ」でがんじがらめになった時代に、誤ることの意味を問いかけます。
本書の第1部は「家族と訂正可能性」、第2部は「一般意志再考」と題されています。第1部ではウィトゲンシュタインやクリプキ、トッドといった思想家の仕事をヒントに、「家族」という言葉の持つポテンシャルを考えます。メンバーが変わっても「同じ家族」であるのはなぜか。子どもの遊びにも似たこの特徴をモデルに、「訂正可能」なゆるい連帯の姿を描き出します。
第2部では「訂正可能性」をキーワードに、新しい民主主義のあり方を考えます。いま世の中を覆う、政治を人工知能に委ねるべきだという思想は、じつは民主主義の祖であるルソーの「一般意志」までまっすぐ繋がっています。人間がビッグデータに分解され、さらにAIにとって代わられるなかで、それでも人間になにができるのか。書き下ろしの第8章・第9章では、ルソー自身の小説『新エロイーズ』やドストエフスキーの『地下室の手記』を読み解くことで、個々の「私」を排除しない「新しい一般意志」の可能性を掬い上げます。
本書には上で出た以外にも、プラトン、ポパー、アーレント、トクヴィル、ユヴァル・ノア・ハラリ、落合陽一、成田悠輔など、数多くの思想家が登場します。その点では一見、難解な哲学書のようにも見えるかもしれません。しかしその問題提起や文体は、日々の生活に根ざしたものです。人々をつなげるはずのSNSが社会を引き裂くいま、分断を乗り越える対話はどうすれば可能なのか。その答えがここにあります。ご期待ください。
取材について
ゲンロンでは、著者 東浩紀へのインタビューをお受けいたします。ご取材いただける場合には原稿をお送りいたします。また書評をご検討いただける場合は見本誌をお送りいたします。詳細はお問い合わせください。
また、東は10月に朝日新聞出版より新書『訂正する力』を刊行予定です。聞き手・構成を辻田真佐憲氏が務め、政治や文化を話題に「訂正可能性」をより分かりやすく語ります。ぜひ『訂正可能性の哲学』と合わせてお取り上げください。
『訂正可能性の哲学』詳細について
■目次
第1部 家族と訂正可能性
第1章 家族的なものとその敵
第2章 訂正可能性の共同体
第3章 家族と観光客
第4章 持続する公共性へ
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第2部 一般意志再考
第5章 人工知能民主主義の誕生
第6章 一般意志という謎
第7章 ビッグデータと「私」の問題
第8章 自然と訂正可能性
第9章 対話、結社、民主主義
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おわりに
文献一覧
索引
■著者プロフィール
東浩紀 あずま・ひろき
1971年東京生まれ。批評家・作家・哲学者。株式会社ゲンロン創業者。東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任。著書に『存在論的、郵便的』(1998年、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(2001年)、『クォンタム・ファミリーズ』(2009年、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(2011年)、『観光客の哲学』(2017年、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(2019年)、『テーマパーク化する地球』(2019年)、『ゲンロン戦記』(2020年)『忘却にあらがう』(2022年)ほか多数。
■書籍データ
発 行:2023年9月
判 型:四六判・ソフトカバー
ページ数:本体364頁
価 格:2,860円(税込)
ISBN:978-4-907188-50-4
一般販売について
書店での一般発売は2023年9月1日ごろを予定しています。
ただいま、全国書店・各ECサイトにて予約受付中です。
■直販サイト(ゲンロンショップ)|https://genron.co.jp/shop/products/detail/796
■Amazon|https://www.amazon.co.jp/dp/4907188501
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