アイリス株式会社のAI医療機器「nodoca」を藤田医科大学総合診療プログラムが導入
総合診療医の丁寧な視診に貢献、熟練医の診察を誰もが再現できる未来へ
総合診療においては、年齢や性別、症状を限定せず患者を診療することから、丁寧な身体診察が欠かせません。nodocaの導入により、咽頭(のど)をクリアで鮮明に撮影・閲覧することで研修医や若手の医師の視診技術の向上が期待されています。
■nodocaについて
nodocaは、咽頭(のど)の画像と問診情報等をAI解析し、インフルエンザに特徴的な所見等を検出することでインフルエンザの診断に用いるAI医療機器です。日本で初めて(※1)「新医療機器(※2)」として承認を取得したAI搭載医療機器となります。また、nodocaを用いたインフルエンザ診断は、2022年12月1日より保険適用されます。AI医療機器を用いた診断への新機能・新技術(C2区分)での保険適用も、日本で初めて(※3)の事例です。nodocaを用いたインフルエンザ検査の保険点数(診療報酬)は、既存検査法と同等の305点(3,050円)となります。
nodocaのAIアルゴリズムは、のべ100以上の医療機関、10,000人以上の患者の皆様のご協力のもと収集された、50万枚以上の咽頭画像データベースを元に開発されています(※4)。また、AI解析に適した咽頭画像を撮影するための専用カメラを自社で独自に設計・開発しており、口腔内・咽頭をクリアに撮影します。
インフルエンザ濾胞(ろほう)がインフルエンザの診断に有用であることは日本人医師である宮本昭彦医師の発見と報告(※5)により知られていましたが、インフルエンザ濾胞を視診のみで高精度に見分けるには熟練の医師による判断が必要とされていました。アイリスは、熟練医の視診をAIで再現すべく、nodocaを開発いたしました。
■藤田医科大学総合診療プログラムのnodoca導入について
藤田医科大学総合診療プログラム(以下、藤田総診)は、藤田医科大学連携地域医療学講座室長である大杉泰弘医師(藤田医科大学連携地域医療学准教授)が「教育の力で医師を育て、地域そして世界を変革する」という理念のもと設立した研修プログラムです。
nodoca導入を決めた大杉医師は、藤田総診を率いて後進の指導にあたるほか、総合診療医最大の学会である日本プライマリ・ケア連合学会の理事を務めるなど、日本の総合診療を代表する医師の一人です。
nodocaは、咽頭カメラとAIによって、患者の身体的負担が少なく効率的なインフルエンザウイルス感染症検査が実現できるだけでなく、クリアで鮮明な咽頭画像を検査時や事後に閲覧することが可能であるため、咽頭カメラ単体でも日常の診察において大きな価値を発揮します。今回は咽頭カメラとしてのnodocaの可能性も大きく評価いただき、講座への導入となりました。
■大杉泰弘先生 コメント
新型コロナウイルス感染症も5類へと変更されました。
これに伴い発熱外来は新たな局面を迎えていきます。
発熱外来においてインフルエンザはコロナと同時に重要な感染症です。
nodocaによって非侵襲的に診断に寄与できることは、今後の感染症診療を大きく変える可能性があると感じております。
■アイリス株式会社について
アイリスは、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、深層学習(人工知能)の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。現役医師でもある創業者沖山翔(東京大学医学部卒、アイリス代表取締役)をはじめ6名の医師を含む9名の医療従事者、厚生労働省・経済産業省出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、医療現場、技術(ハードウェア・ソフトウェア・AI)、法規制を深く理解したうえでAI医療機器をスピーディに開発する体制を構築しています。2019年には経済産業省推進の「J-Startup」に選出され、2022年にはForbes Japanより「世界&日本のインパクト企業100」に、東洋経済より「すごいベンチャー100」に選ばれるなど高い評価を受けており、2023年までに総額約47億円の資金を調達し、これまでの開発を進めてきています。
【会社概要】
会社名:アイリス株式会社
所在地:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビル 11階
代表取締役:沖山翔
設立:2017年11月
■お問い合わせ先
・メディア関係者/事業一般に関するお問い合わせ先
アイリス株式会社
広報:黒木・塩田
e-mail:info@aillis.jp
・医療関係者のお問い合わせ先
https://nodoca.aillis.jp/contact
※注釈
(1)独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する令和3年度~平成23年度の新医療機器の一覧https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/devices/0018.html)及び令和4年度の承認医療機器を当社が確認する限りの情報(2022年5月9日時点)
(2)医療機器の製造販売承認時の区分の一つ。「医療機器の製造販売承認申請について」(平成26年11月20日 薬食発1120第5号)」第1・2(2)に定義される。
(3)厚生労働省が公開する令和4年度~平成25年度の中央社会保険医療協議会総会議事録を当社が確認する限りの情報(2022年9月14日時点)
(4)Okiyama S, Fukuda M, Sode M, Takahashi W, Ikeda M, Kato H, Tsugawa Y, Iwagami M. Examining the use of an artificial intelligence model to diagnose influenza: development and validation study. Journal of Medical Internet Research. 2022;24(12):e38751.
(5)宮本昭彦, 渡辺重行. 咽頭の診察所見(インフルエンザ濾胞)の意味と価値の考察. 日大医誌. 2013; 72 巻1 号: 11-18.
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