必要投資は現在の約3倍、脱炭素の次に問われる「適応力」-- 30億人が気候変動リスクにさらされながら十分な保護を受けられず

マッキンゼーが最新ホワイトペーパー「気候変動適応の推進」を発表

マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン

マッキンゼー・アンド・カンパニー(日本代表:岩谷直幸)はこのたび、気候変動による物理的リスクへの対応と、そのために必要な適応策および投資規模を分析した最新ホワイトペーパー「気候変動適応の推進」を発表しました。 

猛暑で労働生産性が低下する。豪雨で物流網が寸断される。干ばつで農業生産が影響を受ける――。 

気候変動はもはや将来の環境問題ではなく、企業活動や社会インフラ、地域経済に直接的な影響を及ぼす経営課題となっています。 

これまで世界の気候変動対策は、温室効果ガス排出削減を中心とした「脱炭素」が主な焦点でした。しかし、気候変動の影響が現実のものとなる中、避けられない変化にどう備えるかという「適応(Adaptation)」の重要性が急速に高まっています。 

本ホワイトペーパーでは、冷房設備、水資源管理、灌漑、防災インフラ、沿岸防護施設など20の主要な適応策を分析し、世界がどの程度備えられているのか、そして今後どれほどの投資が必要になるのかを明らかにしています。 

本ホワイトペーパーは、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)が実施した最新研究をもとに作成され、日本語版の監訳は東京オフィスの山田唯人(シニアパートナー)、和田浩平(パートナー)、木原崇彰(準パートナー)が担当しました。 

▼ホワイトペーパー 

https://www.mckinsey.com/jp/~/media/mckinsey/locations/asia/japan/our%20insights/advancing%20adaptation-20260612.pdf 

■ 取材可能な主なテーマ 

本件について、マッキンゼーの気候変動・サステナビリティ領域の専門家が、以下のテーマについて背景解説・個別取材に対応可能です。 

  • 日本の都市・インフラ政策に求められる変革 

  • 日本企業が直面する猛暑・豪雨・水不足リスク 

  • サプライチェーンと気候変動リスク 

  • 気候変動適応は新たな成長市場になるのか 

  • 官民連携によるレジリエンス投資のあり方 

  • なぜ今、「脱炭素」の次に「適応」が重要なのか 

  • 気候変動リスクにさらされる30億人の実態 

  • 2050年に22億人増加する熱ストレス人口のインパクト 

■ 世界は「適応不足」の状態にある 

分析によると、世界で気候変動への適応に投じられている資金は年間約1,900億ドルです。しかし、気候リスクにさらされる人々を先進国水準で保護するためには年間約5,400億ドルが必要と推計されます。 

現在の投資水準で十分な保護を受けているのは約12億人にとどまり、一方で約30億人は依然として十分な保護を受けられていません。世界は大きな「レジリエンス・ギャップ(適応格差)」を抱えています。 

■ 2050年には新たに22億人が熱ストレスにさらされる可能性 

現在の排出トレンドが続き、世界の平均気温が産業革命前比で約2℃上昇する2050年前後には、熱ストレスにさらされる人口はさらに約22億人増加すると推計されています。干ばつリスクにさらされる人口も約11億人増加する見込みです。 

特に熱波や水不足への対応は今後の適応投資の中心課題となり、冷房設備や灌漑システムへの投資だけで将来必要となる適応投資の半分以上を占める可能性があります。 

■ 必要な適応投資は年間1.2兆ドル規模へ 

世界の平均気温が約2℃上昇した場合、現在と同じ保護レベルを維持するだけでも必要投資額は現在の約2.5倍になります。 

さらに、すべての人々を先進国水準で保護するためには年間約1.2兆ドルの投資が必要になると推計されています。これは現在の世界の適応投資額の6倍超に相当します。 

■ それでも適応は「割に合う投資」 

一方で本ホワイトペーパーは、適応投資は単なるコストではないと指摘しています。 

分析では、適応によって得られる便益はコストの約7倍に達する可能性があります。事業停止の回避、インフラ被害の抑制、農業生産性の維持、労働生産性の改善などを考慮すると、適応は経済合理性の高い投資と考えられます。 

■ 日本企業にも求められる「適応戦略」 

日本でも近年、記録的な猛暑や豪雨災害が相次ぎ、気候変動リスクは企業経営や地域経済に直接的な影響を与え始めています。 

生産拠点、物流網、サプライチェーン、人的資本、インフラ――。 

気候変動への適応は、環境部門だけでなく、経営戦略や投資判断そのものに関わるテーマとなっています。 

今後は脱炭素への取り組みに加え、「変化に耐え、変化に備える力」をどのように高めるかが、企業や地域の競争力を左右する重要な要素になると考えられます。 

マッキンゼー・アンド・カンパニー

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、グローバルに展開する経営コンサルティングファームとして、企業および公共機関の重要課題解決を支援しています。産業横断的な知見と高度な分析力により、クライアントの持続的成長と変革の実現に貢献しています。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
経営・コンサルティング
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://www.mckinsey.com/jp/overview
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区六本木 1-9-10
電話番号
-
代表者名
岩谷直幸
上場
未上場
資本金
-
設立
-