夏休み明けの登校「不安」が約6割。起立性調節障害の子どもを持つ保護者110名に聞いた、夏のリアルと新学期への本音
最大の不安は「乱れたリズムが戻らないこと(28.2%)」。昼夜逆転を防ぐ家庭の工夫と、親が本当に求めている支援が明らかに
起立性調節障害(OD)やその傾向をもつ子どもにとって、学校を休んで体調回復に専念できるはずの「夏休み」。しかし、実際には長期休み特有の生活リズムの乱れや、休み明けの登校再開に対して多くの保護者が悩みを抱えていることがわかりました。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、起立性調節障害の子どもを持つ保護者110名を対象に、「夏休みの過ごし方と2学期への不安」に関する調査を実施。その結果、約6割の子どもが学期中よりも生活リズムを崩しており、約6割の保護者が新学期の登校に不安を感じている実態が見えてきました。家庭で実践されている工夫や求められるサポートを通じて、夏休みから2学期へと向かう子どもたちに寄り添うヒントを探ります。
調査背景
起立性調節障害(OD)は、自律神経の乱れにより朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感といった症状が現れる身体の病気です。学校がある期間は「毎朝決まった時間に起きる」というハードルに苦しむ一方、長期休暇である夏休みはプレッシャーから解放され、体調が安定しやすいとも言われます。しかしその反面、就寝・起床時間が自由になることで昼夜逆転が起きやすく、新学期に向けたリズムの立て直しが大きな課題となります。「夏休み中の生活や体調管理でどのようなことに困っているのか」「2学期の登校に向けてどのような不安やサポートのニーズがあるのか」を明らかにするため、本調査を実施しました。
調査サマリー
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夏休み中の生活リズムが「学期中より乱れる(やや+大きく)」と答えた割合は61.8%
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気になることの上位は「昼夜逆転など生活リズムの乱れ」21.1%、「ゲーム・スマホの時間が増える」19.8%
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家庭での工夫は「就寝・起床のリズムをゆるやかに保つ」18.9%と、無理のない範囲での調整が最多
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2学期の登校について「不安を感じている(とても+やや)」保護者は59.1%
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最も求められている情報は「夏休み中の生活リズムの整え方」23.1%
詳細データ
Q1:お子さまの夏休み中の生活リズム(就寝・起床など)はどのような状態ですか?

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学期中よりやや乱れる:48.2%
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学期中とあまり変わらない:26.4%
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学期中より大きく乱れる:13.6%
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学期中よりリズムが整う:6.4%
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日や体調によって波が大きい:5.5%
→ 「やや乱れる」「大きく乱れる」を合わせると6割以上となり、学校という強制的な枠組みがなくなることで、生活リズムの維持が難しくなる傾向が顕著に表れています。「リズムが整う」と回答した層はごくわずかであり、長期休暇の過ごし方の難しさがうかがえます。
Q2:夏休み中、お子さまの体調や生活面で気になることはありますか?

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昼夜逆転など生活リズムの乱れ:21.1%
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ゲーム・スマホの時間が増える:19.8%
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外出が減り、活動量・体力が落ちる:17.6%
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食事の時間・量が乱れる:11.0%
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暑さ・脱水で体調が悪化しやすい:10.1%
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その他:20.4%(友人との交流が減り孤立しがち:7.9%、気分の落ち込み・意欲の低下:4.4%、体調の波が読めず予定が立てにくい:3.5% など)
→ 起床・就寝時間のズレに直結する「昼夜逆転」や「ゲーム・スマホの増加」に保護者の懸念が集中しています。また、涼しい室内で過ごす時間が増えることによる「体力低下」を心配する声も多く、2学期に向けた体力的な不安要素となっているようです。
Q3:夏休み中、お子さまやご家庭で意識している・取り組んでいることはありますか?

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就寝・起床のリズムをゆるやかに保つ:18.9%
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水分・塩分をこまめにとる:15.9%
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体調優先で無理に予定を入れない:14.1%
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本人のやりたいこと・好きな時間を尊重する:13.7%
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朝や涼しい時間に少し体を動かす:12.8%
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その他:24.6%(2学期に向けて生活リズムを整え始める:7.5%、宿題は体調に合わせて小分けにする:7.0%、医療機関の受診・相談を継続する:5.7% など)
→ 厳格なルールを設けるのではなく、「ゆるやかに保つ」「無理に予定を入れない」「本人の好きな時間を尊重する」といった、子どもの心身の負担を減らすアプローチが多く実践されています。ODの症状管理として重要な「水分・塩分補給」も上位に入っています。
Q4:夏休み明けの登校について、どの程度不安を感じていますか?

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やや不安を感じている:50.9%
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どちらともいえない:21.8%
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あまり不安はない:11.8%
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とても不安を感じている:8.2%
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まったく不安はない:7.3%
→ 「とても不安」「やや不安」を合わせると約6割に達します。夏休み中の生活リズムの乱れが、そのまま新学期の登校再開への大きな不安に直結していることが読み取れます。
Q5:2学期の登校に向けて、不安に感じていることは何ですか?

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夏休みで乱れたリズムが戻らないこと:28.2%
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朝起きられず始業に間に合わないこと:16.9%
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久しぶりの登校で体調を崩すこと:16.4%
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本人が登校をつらく感じること:12.8%
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授業に出られず勉強が遅れてしまうこと:6.7%
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その他:19.0%(友人関係になじめるかどうか:6.2%、出席日数・進級・進路への影響:3.1% など)
→ 夏休みの過ごし方の延長線上にある「乱れたリズムが戻らない」「朝起きられない」という悩みが上位を占めました。また、環境変化による「体調不良」や「本人の心理的負担」を心配する声も多く、身体と心、両面でのハードルの高さが浮き彫りになっています。
Q6:ODのお子さまの夏休みに関して、あれば助かる情報やサポートはありますか?

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夏休み中の生活リズムの整え方:23.1%
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2学期の登校再開をやわらげる方法:15.4%
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本人の気持ちに寄り添う声かけの方法:12.5%
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体調に合わせた宿題・学習の進め方:11.5%
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学校との連携・相談の仕方:10.1%
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その他:27.4%(同じ立場の家庭の体験談:9.1%、医療・専門家への相談先:7.2%、親自身の気持ちの支え方:6.7% など)
→ 「生活リズムの整え方」や「登校再開のやわらげ方」、「声かけの方法」など、家庭内で親がどのように子どもをサポートすべきかという、具体的かつ実践的なノウハウが強く求められています。
調査結果のまとめ
今回の調査では、起立性調節障害の子どもたちにとって、夏休みは「プレッシャーから解放されて休める期間」であると同時に、「昼夜逆転などで生活リズムを大きく崩しやすい期間」でもあるというジレンマが明らかになりました。保護者の多くは、厳しいルールで縛るのではなく、ゆるやかなリズム維持や体調優先の工夫をこらしながら日々をサポートしています。しかし、それでも2学期の登校再開に対する不安は根強く、家庭内でのサポート方法や声かけの正解を模索し続けています。新学期をスムーズに迎えるためには、家庭の努力だけでなく、適切な情報提供や学校側の柔軟な受け入れ態勢が不可欠です。
一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

夏休みは、起立性調節障害(OD)の子どもにとって心身を休める貴重な期間です。しかし、学校というリズムメーカーがなくなることで、どうしても昼夜逆転や生活の乱れが起きやすくなります。保護者の方々は「このままでは2学期から学校に行けないのでは」と焦りを感じるかもしれませんが、無理にリズムを戻そうと叱責したり、急激に早起きさせたりすることは、かえって症状を悪化させる原因になりかねません。大切なのは、夏休みの後半から「ゆるやかに、少しずつ」本来のリズムに近づけていくことです。まずは朝の光を浴びる、水分と塩分をしっかり摂るなど、負担の少ないことから始めてみてください。そして、新学期が始まっても「毎日登校すること」を絶対のゴールにせず、子どもの体調を最優先に学校と連携しながら、焦らずに見守る姿勢が重要です。
調査概要
調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間:2026年7月24日〜2026年7月31日
調査対象:起立性調節障害の子どもを持つ保護者
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:110名
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