スポーツ×アートの対話が生んだ「人や社会を動かす力」── P.UNITED SESSION 2025で語られた未来の可能性
P.UNITED SESSION 2025:2025年3月6日、丸の内オアゾにて開催。スポーツの枠を超えた異分野との連携により、社会に変化を生み出す新たな展開をスタート。

2025年3月6日、丸の内オアゾにてスポーツ×アートの未来を考える特別イベント『P.UNITED SESSION 2025』が開催された。このイベントは、2026年ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックの1年前という節目に、P.UNITEDがスポーツの枠を超えた異分野との連携を模索し、社会に変化を生み出していくための新たな展開をスタートする場として実施された。
第2部では、SLOW LABELの芸術監督であり、P.UNITEDのアンバサダーに就任した栗栖良依が登壇し、俳優・コメンテーターのサヘル・ローズ氏、P.UNITEDプロジェクトマネージャーの野口尚伸氏とともに、「人や社会を動かす力」をテーマに熱い議論を交わした。
「違い」が生む可能性── 異業種コラボが生み出す未来
「社会に対して何ができるのか?」
── この問いを軸に、登壇者たちはそれぞれの経験を交えて語り合った。
ピンチを乗り越える力
栗栖良依は、「ピンチこそが自分を成長させる原動力」と語る。
「過去を振り返ると、大きなプロジェクトの裏には必ず大きなピンチがあった。でも、それを乗り越えることで、最初に想像していた以上の成果につながることがある。」(栗栖)

2010年に病気を発症し、右下肢機能を失い障害者手帳を取得して社会復帰した経験を振り返る。病気をする前は「みんなと同じようにできないことがダメなんじゃないか」と感じていたが、病気を経て「みんなと違うことが当たり前になった」と気づき、むしろ自由を感じるようになったと話した。
「物理的にみんなと違うようになったら、あ、もうしょうがないじゃんって開き直れたんです。
不便なことは増えたけど、心は自由になった。そういう違いを乗り越えた経験が、今の活動につながっているのかもしれません。」(栗栖)

誰かが動けば、世界が変わる
── 人を巻き込む力
サヘル・ローズ氏は、「巻き込む力」の本質についてこう語る。
「人は何かアクションを起こしたいと思っている。でも、一歩踏み出せないだけ。
誰かが動くことで、それを見た人が『やってみよう』と思う。気づいたら後ろを振り返ると、一人じゃなかったという安心感がある。」(サヘル)
タレント活動の傍ら国内外で子どもたちへの支援活動を続けるサヘル氏は、昨年、7年の歳月を経て自身が監督をつとめ、児童養護施設出身の若者たちをメインにした映画『花束』を公開した。
また、自身の生い立ちについても触れた。幼少期にイラン・イラク戦争の影響で孤児となり、日本に移住。異国での生活の中で、孤独や偏見を乗り越えてきた経験が、彼女の「人を巻き込む力」を育んだと語る。
「私の人生は、常に誰かが手を差し伸べてくれたことで変わってきました。
だからこそ、私も誰かに手を差し伸べる側でありたい。どんなに厳しい状況でも、一歩踏み出せば、世界は変わると信じています。」(サヘル)
P.UNITEDの挑戦──スポーツの枠を超えて
P.UNITEDは、これまでパラスポーツを通じて共生社会の実現を目指してきた。しかし、さらなる広がりを求め、スポーツだけでなくアートやエンターテイメントなどの異分野とのコラボレーションを開始。その第一弾として、栗栖良依がアンバサダーとして加わり、スポーツとアートの連携を探ることとなった。
異業種だからこそ生み出せる可能性
栗栖良依は、「専門分野にとらわれないことが、むしろ強みになる」と語る。
「私はどんな分野にも完全にはまらないことが専門。
昔はそれがコンプレックスだったけれど、今は逆に『何物にも染まらないことで、異なる背景の人やコミュニティをつなげられる』という強みになっている。」(栗栖)

分野の枠を超えたコラボレーションこそが、新たな可能性を生むのではないか? そうした視点が、会場でも大きな共感を呼んだ。
「P.UNITEDの目的は、スポーツを通じて障害者と健常者がごく当たり前に共に過ごせる社会を目指すこと。
パラスポーツを知っていただき、もっと仲間を増やしたい。だからこそ、3年目となる今年は新たなチャレンジとして、アートやエンターテイメントなど異なる業界との連携を強化したい。」(野口)
<イベント概要>
日 時:2025年3月6日(木)18:00-18:40
会 場:東京・丸の内オアゾ
主 催:特定非営利活動法人日本パラ射撃連盟(P.UNITED 代表団体)
登壇者:栗栖良依(SLOW LABEL 芸術監督 / P.UNITED アンバサダー)サヘル・ローズ(俳優・コメンテーター)
野口尚伸(P.UNITED プロジェクトマネージャー)
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