5GやXR技術などを活用した歯科領域の遠隔手術支援の実証実験を実施
~東京と大阪間で、VR・AR映像を通して診断・治療の指導と手術の支援を行う~
Holoeyes株式会社(ホロアイズ、本社:東京都港区、代表取締役:谷口 直嗣、以下「Holoeyes」)は、株式会社Dental Prediction(デンタル・プリディクション、本社:東京都北区、代表取締役:宇野澤 元春、以下「Dental Prediction」)およびソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)の協力の下、「5G(第5世代移動通信システム)ネットワークにおけるXR※1歯科手術支援の有効性の検証」に関する実証実験を、2021年7月12日から実施します。
今回実施する実証実験では、5GとXR技術、3Dプリンティング技術を活用して、東京にいる指導医が大阪にいる若手歯科医に、VRやAR映像を通して診断・治療の指導と手術の支援を行います。なお、この実証実験は、公益財団法人大阪産業局のIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」の一環として実施されるものです。
現在、臨床現場における若手歯科医の診断・治療技術は、主に上級医師との対面指導によって培われていますが、その多くがクリニック完結型のため、知識や技術の習得は所属するクリニックでの指導に依存しているという課題があります。こうした課題の解決に向けた取り組みの一つとして、クリニックに依存しない遠隔地からのオンライン指導や手術支援が求められていることから、このたび5GとXR技術、3Dプリンティング技術を活用した、歯科領域での遠隔手術支援の実証実験を実施することになりました。「高速・大容量」という特長を持つ5Gの活用により、高精細なVR・AR映像を複数のデバイスに常時遅延なく安定して伝送することで、場所の制約を受けずに若手歯科医への技術指導や手術支援ができると期待されています。
今後Holoeyesは、この実証実験の結果を基に、歯科クリニック向けの商用サービスとして、遠隔手術支援パッケージの構築を目指します。
※1 XR(Extended Reality)とは、VRやAR、MRなどの、仮想世界と現実世界を融合し、新たな体験を創出する技術の総称です。
■実証実験の概要
1.名称
5GネットワークにおけるXR歯科手術支援の有効性の検証
2.実施期間(予定)
2021年7月12日~9月
3.実施場所
・東京会場:ソフトバンク本社
(東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー)
・大阪会場:5G X LAB OSAKA
(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟 6階「ソフト産業プラザTEQS」内)
※下記の「5. 実施の流れ」のステップ3は、ソフトバンクの5Gサービスエリア内にある大阪市内の歯科クリニックを予定
4.実施内容
この実証実験では、歯が欠損(虫歯や歯周病により抜歯された状態)した場合に行うインプラント手術の症例を扱います。インプラント手術は、知識的にも技術的にも比較的難易度の高い処置です。5GとXR技術、3Dプリンティング技術を活用して、物理的な場所の制約を受けずに若手歯科医への知識や技術の伝授ができることを検証します。
具体的には、東京会場にいる指導医と大阪会場にいる若手歯科医がVRデバイスなどを装着した上で、各種デバイスに対応したHoloeyesの医療用画像表示サービス「Holoeyes XR」と、オンライン遠隔共有カンファレンスサービス「Holoeyes VS」を活用し、ソフトバンクの5GネットワークでVR・AR映像を送受信することで、指導や手術支援を行います。
まず、患者のデータを基にDental Predictionが作成した頭蓋骨の3Dモデルを使って、手術に必要な3次元の動きをVR空間で共有し、診断・治療などの症例検討を行った上で、解剖の手順を確認します。その後、指導医は3DモデルをAR空間で操作しながら、同じ患者の顎骨の3Dプリンティング模型を使って指導し、若手歯科医はAR映像を見ながら模型にドリルで穴を開けるなどの実習を行うことで、インプラント手術の一連の流れを体験します。最終的には、指導医が東京からAR映像を通して支援しながら、若手歯科医が大阪市内の歯科クリニックで実際の患者の手術を行います。※2
なお、遠隔指導および遠隔手術支援に当たっては、現役の歯科医であるDental Prediction代表の宇野澤が、診断を行う上で重要なポイントや解剖に関する手順を解説します。
※2 この実証実験における患者のデータの使用や手術の実施は、当該患者の同意を得た上で行います。
5.実施の流れ
・ステップ1(7月12日実施予定)
過去に手術を受けた患者のデータを基に作成した3Dモデルで症例検討と解剖手順の確認を行った後、同じ患者の3Dプリンティング模型を使って、若手歯科医が手術の一連の流れを体験します。複数の若手歯科医へ同時に遠隔指導することで、その有用性を検証します。
・ステップ2(8月実施予定)
これから手術を受ける患者のデータを基に作成した3Dモデルで症例検討と解剖手順の確認を行った後、同じ患者の3Dプリンティング模型を使って、若手歯科医が手術の一連の流れを体験します。今後予定している手術を、複数の若手歯科医が同時に疑似体験できることを検証します。
・ステップ3(9月実施予定)
東京の指導医が遠隔支援しながら、若手歯科医が大阪市内の歯科クリニックで実際の患者(ステップ2の患者)の手術を実施します。若手歯科医が、指導医の遠隔支援の下で安全かつ確実に手術ができることを検証します。
6.関係者と役割
・Holoeyes株式会社
「Holoeyes XR」および「Holoeyes VS」を活用した、遠隔指導・手術支援ツールの提供
・株式会社Dental Prediction
3Dモデルおよび3Dプリンティング模型の作成、遠隔地からの診断・指導・トレーニング・手術支援
・ソフトバンク株式会社
5Gネットワークの提供、実証実験場所の提供(東京)
・公益財団法人大阪産業局
実証実験支援プログラムの提供、実証実験場所の提供(大阪)
・医療法人社団アップル歯科クリニック
実証実験に参加する若手歯科医の派遣
<実証実験で使用する3Dモデルと3Dプリンティング模型のイメージ>
・SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
・その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
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