父親の「育休研修」が家庭を変える 父の育児増、母も長く働けるように
4組織1,200名超の男性従業員を対象とした大規模実験において「育休研修」を提供
東京大学の山口慎太郎教授・田中万理准教授、同志社大学の奥平寛子准教授、筑波大学の目麻里子准教授らの研究グループは、一般社団法人EVIDENCE STUDIOとの共同研究として、日本の4組織で1,200名超の男性従業員を対象にランダム化比較試験(注1)を実施しました。
日本国内の民間企業2社と地方自治体2団体の計4組織に所属する1,200名超の男性従業員を対象に、2023年8月から2024年3月にかけて実験を実施し、80の職場をランダムに2群に分け、研修の効果を比較しました。
NPO法人ファザーリング・ジャパン(東京都 千代田区、代表 池田 浩久)では、上記の大規模実験に賛同し、東京大学の山口慎太郎教授らの指導の下、子育て男性社員を対象とした研修プログラムと管理職を対象とした研修プログラムを開発し、研修講師を担いました。 研修では、弊団体の講師が育児参画とキャリアの両立について講義し、管理職には部下の育児休業取得を支援する方法も伝えました。
本調査の結果、父親が職場で受けた2時間の研修が、父親自身の育児参画だけでなく、研修を受けていない母親の労働時間の増加にもつながることが明らかになりました。
研究の詳細は、東京大学、同志社大学、筑波大学の共同リリース(URL)をご覧ください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400289752.pdf
用語解説
(注1)ランダム化比較試験(RCT)
参加者をランダム(無作為)に介入を行うグループ(介入群)と行わないグループ(統制群)に分け、介入の効果を統計的に検証する研究手法。医学分野で広く用いられており、社会科学でも近年普及が進んでいます。本研究では、研修介入はオフィス単位で、情報提供介入は個人単位でランダムに割り当てました。
【「NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事 池田 浩久」コメント】
弊団体は、「笑っている父親を増やす」ことをミッションにかかげ、男性育休取得率が1%を切る日本の現状から20年間活動してきた団体です。
これまで各方面の企業や自治体などに提供し、高い評価をいただいてきた子育て社員向けや管理職向け研修プログラムが今回の学術研究においても一定の成果が示されたことをとても嬉しく思います。
日本の男性育休取得率は40.5%(令和6年度)まで上昇していますが、日本の父親たちの育休取得ニーズとはまだ大きな乖離があり、子育て社員の仕事と子育ての両立やキャリアに対する不安など職場や家庭、地域における課題は数多く存在しております。
これからも弊団体は「日本中に笑っている父親があふれ、みんながそれを応援したくなっちゃう社会」を目指して、引き続き活動を続けて参ります。