【新刊】会社は何のために存在するのか? ――競争・成長・株主価値という「呪文」を解き、“もう一つの会社の物語”を描く哲学対話『魔法使いの弟子たちへ』11/9発売
「強く美しい会社」づくりに挑む著者が、ゲーテの寓話『魔法使いの弟子』を手がかりに綴る経営哲学の物語。現代のビジネスマンと古代アテナイの若者たちの対話を通じて、「豊かな資本主義」への道筋を描きます。
21世紀、世界のいたるところで格差は広がり、信頼は揺らぎ、分断と対立が深まっています。その原因はしばしば政治や社会制度に求められますが、もっと身近にありながら見過ごされているものがあります。それが「会社」です。競争と成長という呪文をかけられ、止まることなく水を運び続ける箒――。この現代の資本主義と会社のあり方を、哲学対話の物語として問い直す一冊が、11月9日(月)に発売されます。

株式会社ブックダム(本社:東京都豊島区、代表:菊池奈起)は、新刊『魔法使いの弟子たちへ 資本主義の呪縛を解く もう一つの会社の物語』(著者:HOP株式会社代表取締役・岩崎春夫)を2026年11月9日(月)に発売いたします。
■経営学者・楠木建氏 推薦
「夢物語に見える。しかし、あながち夢ではない」

本書の内容・特徴
1797年、ドイツの詩人ゲーテは寓話詩『魔法使いの弟子』を世に送り出しました。師匠の留守中、弟子が箒に「水を運べ」と呪文をかけると、箒は止まることなく水を運び続け、家じゅうを水浸しにしてしまいます。人間が生み出した力が、その意図を超えて暴走する物語です。
著者・岩崎春夫氏は、この箒こそが現代の資本主義と市場だと言います。社会を繁栄させる道具であるはずの市場は、競争と成長という呪文をかけられ、富の偏在、環境破壊、分断と対立という濁流を生み出しています。そしてその中心にあるのが、私たちの身近な「会社」です。
本書は、還暦を過ぎたベテランビジネスマン「観人(かんと)」が、紀元前4世紀のアテナイからやってきた哲学者の卵アリス、靴職人の青年テレス、そして人類の知恵を象徴する1匹のキツネと、暗闇の中で対話を重ねていく物語です。「会社とは何か」「働くとは何か」「利益とは何か」「自由とは何か」「正義とは何か」。アリストテレス、カント、アダム・スミスからピケティ、岩井克人まで、古今の知を手がかりに、私たちが当たり前だと思っている前提を一つひとつ問い直していきます。
「私は何のために働き、何を残してきたのか」という個人の問いから、「世界はなぜ分断されたのか」という文明的な問いまで。経営者や管理職はもちろん、日々の仕事に言葉にならない違和感を抱えるすべての働く人に向けた、「希望のマネジメント」の物語です。
本書のポイント
1.難解な経営論・資本主義論が、対話の物語として読める
ビジネスマン、古代アテナイの若者、謎のキツネ。3人と1匹の対話を追ううちに、経済学・哲学・経営学の知見が自然と身につきます。各部の終わりには要点をまとめた「魔法使いのつぶやき」、巻末には用語集も収録しています。
2.「会社・労働・組織・利益・資本」の意味を根本から問い直せる
「会社はフィクションである」「利益は目的ではなく、目指す世界を実現するための手段である」。当たり前だと思っていた概念を、一つひとつ解きほぐしていきます。
3.「貧しい資本主義」と「豊かな資本主義」の違いがわかる
金融資本を目的とし、人も自然もその手段にしてしまう「貧しい資本主義」。人的資本、組織資本、社会資本、自然資本といった多様な資本を視野に入れたとき、「豊かな資本主義」への道が見えてきます。
4.自由と正義という「人間社会の土台」から、経営の判断軸を考える
「他者のいない無人島に、自由はない」。会社が利益に意味を与えるために何を拠りどころにすべきかを、古代アテナイの物語を交えて探ります。
5.「豊かな資本主義」を体現する実在の企業を知る
イタリアのブルネロ クチネリ、米国のパタゴニア、スペインのモンドラゴン協同組合、島根県の石見銀山群言堂グループ。理想論ではなく現実に存在する会社の姿を紹介します。
複雑で抽象的な概念を、豊富な図版とともに解説
本書では、対話が行き詰まったときに、暗闇に棲むキツネが図解を差し出して、3人の思索を次へと進めます。読者も登場人物と一緒に図を眺めながら、難しい概念を少しずつ自分の言葉で捉え直していくことができます。

マネジメントとは「預かって、育てて、返す」こと
「獲得しろ、所有しろ、そうしなければ取り残されてしまうぞ」。私たちはそんな呪文をかけられています。対話の果てにキツネが示すのは、「預かって、育てて、返す」というマネジメントの姿です。
マネジメントとは、自分の所有を増やすことではありません。働く人、社会、自然から資本を預かり、それを育て、豊かにして返していく。その営みなのです。(本文第12章より)
利益や株価だけでは測れない会社の価値を、どう見て、どう育てるのか。第4部「希望のマネジメント」では、理念を日々の経営に落とし込むための考え方を提示します。

【目次】
はじめに 会社にかけられた呪文
第1部 市場化する世界 分断と違和感の源流
プロローグ 暗闇の出会い
第1章 拡大する格差と分断
第2章 揺れ動く世界と内なる規律
第3章 歴史の終わりと分断の始まり
第2部 貧しい資本主義と豊かな資本主義 会社・労働・組織・利益・資本を問い直す
第4章 会社とは何か
第5章 働くとは何か
第6章 組織とは何か
第7章 利益とは何か
第8章 資本とは何か
第3部 自由と正義 人間社会の基礎構造
第9章 自由とは何か
第10章 正義とは何か
第4部 希望のマネジメント
第11章 見ることと考えること
第12章 預かって、育てて、返す
エピローグ 豊かな資本主義の体現者たち
あとがき コッホの雪片と最初の正三角形
巻末資料 登場人物に託された意味・用語集・参考文献
●著者よりメッセージ
競争、成長、獲得、所有……。市場が人間にかけた魔法の呪文が、世界の均衡を崩し、人々に憎悪と対立をもたらし、企業の不正や、働く人々の孤立を招いています。それが、この物語の問題意識です。
ここに書かれていることはすべて、長く大企業の中で働いてきた自分自身の経験と、クライアント企業との日々のやり取りの中で、私が実際に見てきたこと、聞いてきたこと、そして、感じてきたことに基づいています。
よい会社が増えれば、社会に自由と連帯が育まれ、均衡の取れた世界が築かれていきます。私はそう信じています。市場化した社会を癒やす希望のマネジメントは、誰かの大きな仕事ではなく、私の小さな仕事なのです。
ゲーテの寓話の魔法使いの弟子は、見知らぬどこかの誰かではなく、今この本を手に取ったあなた自身なのです。
(「はじめに」「あとがき」より抜粋・再構成)
●著者情報
岩崎 春夫(いわさき はるお)
総合商社で香港、イタリアに駐在。変革期の企業を対象に「強く美しい会社」創りに取り組む。人と組織の学校「人事の寺子屋」、ビジネスを哲学する「抑々(そもそも)塾」を主宰。
訳書に『人間主義的経営』(ブルネロ・クチネリ著、クロスメディア・パブリッシング)。
●出版社より
・人類の未来に、希望の光を灯す一冊であってほしい。その祈りを込めて。(代表取締役 菊池奈起)
・これからは「本当の資本主義」を追求する時代。(編集長 三田智朗)
・働くことへの違和感。その答えの糸口を探しに行きませんか。(事業推進 伊藤良子)
●書籍情報

魔法使いの弟子たちへ 資本主義の呪縛を解く もう一つの会社の物語
著者:岩崎 春夫
定価:2,640円(税込)
体裁:四六判
ページ数:454ページ
ISBN:978-4-911160-20-6
発行所:株式会社ブックダム
発売元:日販アイ・ピー・エス株式会社
発売日:2026年11月9日(月)
●取材のご相談
本書に関し、たとえば、以下のような切り口での取材が可能です。
・「会社は誰のものか」「人はなぜ働くのか」を問い直す特集の軸として
株主価値の最大化、経営者報酬の高騰、繰り返される企業不正。こうした問題に対し、「会社はフィクションである」「利益は目的ではなく手段である」といった本書の視点から、働く人が抱える違和感に答える解説が可能です。
・格差と分断の時代に「資本主義のこれから」を語る識者として
著者はピケティ、ミラノヴィッチ、岩井克人らの議論を踏まえ、「貧しい資本主義」から「豊かな資本主義」への転換を提唱しています。総合商社での海外駐在経験を持つ実務家の立場から、経済・社会・経営の文脈で幅広く説明することができます。
・「人間主義的経営」を掲げるブルネロ・クチネリ氏の経営哲学の解説者として
著者はブルネロ・クチネリ氏の著書『人間主義的経営』の翻訳者です。本書で紹介するブルネロ クチネリ、パタゴニア、モンドラゴン協同組合、石見銀山群言堂グループなど、「利益以外の価値」を大切にする企業の経営について解説できます。
・組織づくり・人材育成の実践者として
著者は「人事の寺子屋」「抑々塾」を主宰し、スタートアップや世代交代期の中堅企業の組織づくりを支援しています。「預かって、育てて、返す」マネジメントの具体的な実践について、ビジネス系メディアに向けた解説が可能です。
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