帰省先で「甘やかしすぎ」と言われた──約8割の保護者が周囲からの無理解に直面。起立性調節障害の保護者108名に実態調査
最も知ってほしいことは「本人の意志や努力ではどうにもならないこと」が31.5%。家族外からの心無い言葉で保護者も疲弊する実態が明らかに
お盆の帰省や親戚との集まりは、子どもにとって楽しいイベントである反面、起立性調節障害(OD)を抱える子どもやその保護者にとっては、周囲からの無理解な言葉に傷つく場面が少なくありません。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、小学生〜高校生の子どもを持つ保護者108名を対象に「帰省先や親戚からの理解」に関する実態調査を実施しました。その結果、約8割の保護者が家族以外から心無い言葉をかけられた経験を持ち、病気への誤解による深い葛藤を抱えている実態が浮き彫りになりました。表面的な症状だけを見て「甘え」や「しつけの問題」と受け取られやすいODの現状と、保護者が周囲に最も伝えたい切実な願いについて紐解きます。
調査背景
起立性調節障害(OD)は、自律神経の不調により朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感といった症状が現れる身体の病気です。しかし、午後になると元気に過ごせることも多いため、ふだんの様子を知らない親戚や知人からは「昼まで寝ている」「怠けているだけ」と誤解を受けやすい傾向があります。夏休みやお盆の帰省は、そうした「家庭外からの視線」に晒される機会が集中する時期です。当事者家族が周囲からどのような言葉を受け、どう感じているのか、また周囲に対してどのような理解を求めているのかを社会に広く発信し、病気への偏見を解く一助とするため、本調査を実施しました。
調査サマリー
-
夏の帰省や集まりについて、体調不良などを理由に「参加を見送った・予定を立てなかった」家庭が約34%
-
家族以外から言われて困った言葉は「特に言われたことはない(21.6%)」を除き、約8割が何らかの心無い言葉を経験。「甘やかしすぎではないか」が16.2%で最多
-
無理解な言葉を受け、「子どもがかわいそうだった(22.6%)」「説明してもわかってもらえないと感じた(15.5%)」と多くの保護者が孤立感を抱いている
-
周囲への説明は「病名を伝える」が26.9%にとどまり、「必要最低限」「体調不良として濁す」など、詳細な説明を避ける傾向も見られる
-
周囲に最も知ってほしいことは「本人の意志や努力ではどうにもならないこと(31.5%)」
詳細データ
Q1:この夏、帰省や親戚・知人との集まりの予定はありましたか?

-
帰省・集まりの予定があり、参加した:40.7%
-
もともと予定はなかった:25.0%
-
予定はあったが参加を見送った:25.0%
-
体調を理由に予定を立てなかった:6.5%
-
子どもだけ参加を見送った:2.8%
→ 帰省や集まりに「参加した」家庭が4割である一方、「参加を見送った」「体調を考慮して予定を立てなかった」など、子どもの状態に合わせて外出や人付き合いをセーブせざるを得ない家庭も3割強にのぼることがわかります。
Q2:お子さんの状態について、家族以外から言われて困った言葉はありますか?

-
特に言われたことはない:21.6%
-
甘やかしすぎではないか:16.2%
-
気合いや根性が足りない:12.0%
-
早く寝れば治る:10.2%
-
昔はそんな病気はなかった:9.0%
-
その他:31.0%(学校に行かせないと将来が心配:9.0%、怠けているだけではないか:8.4%、思春期だから仕方ない:7.2% など)
→ 約8割の保護者が何らかの言葉に困った経験を持っており、「甘やかし」や「気合い不足」といった精神論・しつけの問題にすり替えられるケースが目立ちます。病気による症状が「本人の怠惰」として誤認されている現状がうかがえます。
Q3:そうした言葉を受けて、どのように感じましたか?

-
子どもがかわいそうだった:22.6%
-
言われた経験がない:20.6%
-
説明してもわかってもらえないと感じた:15.5%
-
自分の育て方を責められた気がした:14.2%
-
自分自身も一瞬そう思ってしまい苦しかった:10.3%
-
その他:16.8%
→ 最も多かったのは子どもへの思いやり(かわいそうだった)ですが、「わかってもらえない」「自分の育て方を責められた」といった、周囲との認識のギャップに苦しむ親御さんの孤独感も浮き彫りになっています。
Q4:親戚や周囲に、お子さんの状態をどのように説明していますか?

-
病名を伝えて説明している:26.9%
-
必要最低限しか伝えていない:25.0%
-
病名は伝えず体調不良として説明している:25.0%
-
説明する機会がない:16.7%
-
説明を避けている:6.5%
→ 「病名を伝えている」層と、「必要最低限」「体調不良として」など詳細を伏せている層が拮抗しています。理解されにくい病気だからこそ、どこまで説明すべきか保護者が対応に苦慮している様子が読み取れます。
Q5:起立性調節障害について、周囲にもっと知ってほしいことは何ですか?

-
本人の意志や努力ではどうにもならないこと:31.5%
-
日によって症状に波があること:18.5%
-
午後は元気に見えても、朝はつらいこと:15.7%
-
身体の病気であり、心の問題ではないこと:14.8%
-
見た目には健康そうに見えること:10.2%
-
その他:9.3%
→ 「本人の意志ではどうにもならない(31.5%)」「身体の病気である(14.8%)」など、Q2で挙げられたような「甘え・怠け」という誤解を何とかして解きたいという、当事者家族の切実な想いがダイレクトに反映される結果となりました。
調査結果のまとめ
今回の調査では、起立性調節障害の子どもを持つ約8割の保護者が、周囲から「甘やかし」「気合い不足」といった心無い言葉をかけられ、孤独な悩みを抱えている現状が明らかになりました。目に見えにくい身体の病気であるがゆえに、「説明してもわかってもらえない」と苦しみ、子どもを守るために詳細な説明を控えたりする防衛策を取る家庭も少なくありません。何よりも「本人の意志や努力ではどうにもならない」という当事者の声は、この病気が「心の問題」や「しつけ」にすり替えられることへのSOSと言えます。親戚や周囲の大人一人ひとりが、病気の特性を正しく理解し、温かく見守る眼差しを持つことが社会全体に求められています。
一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

起立性調節障害(OD)は、自律神経の機能障害であり、決して本人の怠けや親の甘やかしで起こるものではありません。しかしお盆やお正月など、ふだん顔を合わせない方からの何気ない一言で、保護者や子どもたちが深く傷つくケースも少なくありません。朝起きられない姿や、午後から元気になる様子は、周囲から見れば「ただの甘え」に映るかもしれませんが、それこそがODという病気の明確な特徴です。まずは周りの大人が「意志の弱さではなく、身体の病気である」という事実を知ること。そして、無理に励ましたり原因を追及したりするのではなく、そのままの状態を温かく受け入れることが、子どもたちの回復への一番のサポートになります。
調査概要
調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間:2026年8月15日~2026年8月26日
調査対象:起立性調節障害と診断された小学生〜高校生の子どもを持つ全国の保護者
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:108名
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 医療・病院福祉・介護・リハビリ
- 関連リンク
- https://odod.or.jp/
- ダウンロード
