月経にまつわるトラブルがある女子高校生は75% 「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2021を公開

公益社団法人ガールスカウト日本連盟(東京都渋谷区 代表:和田照子)は、『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書 2021 自分のからだ 性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)』を公開しました。
調査の結果、少女たちが「身体についての心配や迷い」「将来への不安」を持っていることがわかりました。


■調査結果サマリー
  • 何らかの月経にまつわるトラブルがあると回答したのは75%、月経痛や月経前症候群により、学校での勉強や部活動などに支障をきたすと答えたのは39%
  • 月経の周期を変えたり止めたりするなどコントロールすることについて、すべきでないと回答したのは29%、わからないと答えたのは22%
  • 産婦人科や婦人科、レディースクリニックを受診したことがある高校生は21%
  • 将来子どもを産みたくないと回答したのは25% 一番多い理由は「仕事や自分のやりたいことを優先したいから」
  • 性の情報インターネットやSNSから得ているという回答が66%
  • 日本の性的同意年齢は何歳か、という問いに13歳と正答できたのはわずか14%

包括的性教育の必要性
調査から、女子高校生が女性特有の健康に関する問題に直面しているのも関わらず、適切に医療機関にたどり着けていない様子がうかがえました。その背景には、医療機関そのものの不足という事情も考えられますが、何よりも、当人と彼女たちを取り巻く大人たちの「リプロダクティブヘルス」と「リプロダクティブライツ」に関する知識が欠けていることが推察できます。また、「将来への不安」の原因には、ジェンダーの思い込みやジェンダーによる固定観念に支配された社会の様子や人間関係のあり方があるのではないかと考察しました。

これらの問題を解決するためには、性に対する正しい知識やジェンダー平等、人権尊重を基本とした「包括的性教育」の低年齢からの実施が必要です。性の健康に関して不安を感じたとき、相談できる場にすぐにつながることのできる環境があることも大切です。

さらに重要なのが、サポートする大人の存在です。周りの大人(指導者、保護者、影響を及ぼす力を持つ人等)は、子どもたちの可能性を阻まないために正しい知識を身に付ける必要があります。

■調査概要
対象:女子高校生
実施期間:2021年2月11日~3月25日
調査方法:インターネット回答 全51問
回答件数:304人
項目作成:一般財団法人日本女性財団・公益社団法人ガールスカウト日本連盟
協力:ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会
※『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』に基づき項目を作成

■調査結果では?
【何らかの月経にまつわるトラブルがあるのは75%】


【月経痛や月経前症候群により、学校での勉強や部活動などに支障をきたすことがあると答えたのは39%】


【月経の周期を変えたり止めたりするなどコントロールすることについて、すべきでないと回答したのは29%】


【産婦人科や婦人科、レディースクリニックを受診したことがある高校生は21%】


多くの高校生が月経にまつわる不調を感じているにもかかわらず、医療機関の受診をためらっています。
女性医師がいる、行きやすい場所にある、学生専門受け付けがある、保護者の同伴がなくてもよい、などの環境であれば行きやすいという声がありました。

 


【将来子どもを産みたいと回答したのは75%、産みたくないと回答したのは25%】
産みたくない理由で一番多かったのは、「仕事や自分のやりたいことを優先したいから」でした。子どもを産むと自分のやりたいことが自由にできなくなると考えているからでしょうか。



【性の情報をインターネットやSNSから得ているという回答が66%】
インターネットで検索するのは簡単ですが、正しい情報を適切に見分けられるのかという問題があります。



【日本の性的同意年齢は13歳であると正答できたのはわずか14%】
高校生以上の年齢(16~20歳)と答えたのが87%でした。性的な行為がどういうものかという教育を受けていない13歳を性的同意年齢とする日本の現状には問題があります。



■調査背景
持続可能な社会を作るために、日本政府は「国民一人ひとりが、その個性に応じた多様な能力を発揮できる社会の構築が不可欠」であり、「特に女性の能力を活かすことが不可欠である」として女性活躍の推進を掲げ、さまざまな取り組みを進めています※1。
しかしながら、2021年のジェンダーギャップ指数120位※2 が示す通り、日本のジェンダー格差解消に向けた歩みは一向に前に進んでいません。
女子高校生のジェンダー観や現状がわかるデータを収集することで、日本における女性への差別や暴力の現状をとらえ、適切な対策に役立てるために、ガールスカウト日本連盟では2019年から調査を実施しています。

※1  「女性活躍加速のための重点方針2020」
※2 156カ国中 Global Gender Gap Report 2020(世界経済フォーラム)


■2021年度調査の目的
女性が生涯を通じて明るく充実した日々を過ごす社会を実現するためには、早い段階から「女性特有の健康に関する意識」を高めていくことが必須です。同時に、少女たちの可能性を伸ばしていくためにも、少女の持つ不安を解消し正しい知識を得ることはとても重要なことです。

文部科学省は「生命の安全教育」という名称で、「性暴力防止」のための取り組みを学校教育へ導入し始めましたが、国際的な指針(『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』により提示)とされている包括的性教育にはまだ到達していない現状です。

そのため、今の女子高校生たちが自分の身体についてどのような心配があるのか、どのような教育を望んでいるのかなどを明らかにするために調査をおこないました。

■調査報告書のダウンロード・ご購入
『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書 2021 自分のからだ 性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)』
価格:1,100円(税込)
お申し込みはガールスカウト日本連盟ウェブサイトから
https://www.girlscout.or.jp/activities/project/research/



■ガールスカウト日本連盟について
・ガールスカウト日本連盟のリサーチのページ
https://www.girlscout.or.jp/activities/project/research/
これまで本連盟が実施してきたジェンダー関連の調査報告をご覧いただけます。

・ガールスカウトのジェンダー教育プログラムのページ
https://www.girlscout.or.jp/activities/project/sdg5/
内閣府とともに作成した中高校生向けのオンラインプログラム「me and them」ほかを掲載しています。

【ガールスカウト日本連盟とは】
ガールスカウト運動は152の国と地域に広がる世界最大の女性のための社会教育団体です。
少女と女性が自分自身と他の人々の幸福と平和のために、自ら考え、行動できる人材を育成することを目的に活動しています。日本では2012年から少女と女性へのジェンダー差別について考える教育プログラムを展開しています。

【取材・お問い合わせ】
公益社団法人ガールスカウト日本連盟 宮岡、池脇
https://www.girlscout.or.jp/
Tel:03-3460-0701 
Fax:03-3460-8383 
E-mail:gsj_pr@girlscout.or.jp
〒151-0066 東京都渋谷区西原1-40-3

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会社概要

URL
https://www.girlscout.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都渋谷区西原1-40-3
電話番号
03-3460-0701
代表者名
間奈々恵
上場
未上場
資本金
2億円
設立
1952年01月